2018年10月1日月曜日

ACE阻害剤とスタチンの認知症予防への可能性

あらためて・・・ということになるのだろうか?認知症治療(予防)一般に言えることだが、介入からその臨床的アウトカム差異発現まで随分な時間がかかり、利益こそが命題の企業側がトライアルをするには困難な分野である。これこそ国家的・国際的な行政レベルの取り組みが必要な臨床研究分野であろう。
メーカーの利益をくすねて、行政の財政的・人的負担を減らそうとばかりする厚労省や財務省じゃ・・・こういう発想は出てこないのだろうが・・・


RAS系

  • ARBよりACE阻害剤の方に機序的説得力があり、脂溶性ACE阻害剤が再度クローズアップ? トランドラプリルだが、先発品販売中止してしまっている(https://e-mr.sanofi.co.jp/-/media/EMS/Conditions/eMR/di/information/preran_201711.pdf?la=ja-JP)。おそらく、薬効可能性を宣伝するところもないのだろう。


  • スタチン
    • 脂溶性スタチンとしては、アトルバスタチン(リピトール)、ピタバスタチン(リバロ)、シンバスタチン(リポバス)、フルバスタチン(ローコール)
    • 水溶性で気を吐いているロスバスタチン(クレストール)


    Connecting the brain cholesterol and renin‐angiotensin (RAS) systems. Potential role of statins and RAS‐modifying medications in dementia
    B. Petek  M , et al.
    Journal of Internal Medicine, 28 Sep. 2018 8 https://doi.org/10.1111/joim.12838
    https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/joim.12838?af=R


    脳内の"RASおよびコレステロール代謝経路"は、全身性のcounterpartから自律しており、コレステロール代謝物27-ヒドロキシコレステロール(27-OHC)を介して相互に関連している。このシステムは、アミロイド-βカスケード、血管機構、グルコース代謝、アポトーシス、神経炎症および酸化ストレスから、記憶および認知症の病因に寄与する。


    これらの治療と認知と認知症のリスクとの関係を調べた以前の研究では、一貫性のない結果出逢った。だが、この薬剤の血液脳関門浸透定義は困難で、認知作用機序は明確に確立されていない。

    疫学的研究・臨床的研究ともバイアス潜在が明らかで、reverse epidemiology、適応バイアス、薬剤暴露定義問題、投与量の不明確性・変化性、アウトカムと薬剤の不適切グループ化など存在


    脳コレステロールおよびRAS代謝の現在の知識、およびこれらの経路が神経変性に影響を与えるメカニズムを要約






    0 件のコメント:

    コメントを投稿

    noteへ実験的移行

    禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note