2013年9月20日金曜日

スタチン使用と白内障発症リスク

白内障は高齢者の視力低下に多大な影響をあたえる。そのリスク増加は大きな意味を持つのかもしれない。スタチンの抗酸化作用が眼の水晶体へ与える悪影響懸念。

後顧的解析という研究限界はあるが、スタチンに関するリスク・ベネフィット判断する要素が又一つ加わった。

Association of Statin Use With Cataracts
A Propensity Score–Matched Analysis
Jessica Leuschen,  et. al.
JAMA Ophthalmol. Published online September 19, 2013. doi:10.1001/jamaophthalmol.2013.4575


財政年度である2005年の間における医薬品補充ベースの研究
2群にわける
1)スタチン使用者(少なくとも90日スタチン供給をうけてる対象者)
2)スタチン非使用者

46249名を検討対象とし、スタチン使用者13626名、非使用者32623名

プライマリ解析では、propensity score-matched cohort、 セカンダリ解析はCharlson Comorbidity Index (patients with no Charlson comorbidity)に従った合併症なしの患者で白内障リスクを検討。

2年間、4年間、6年間のスタチン使用患者でのセカンダリ解析を繰り返し行い、感度分析施行

プライマリ解析にて、スタチン使用者vs非使用者6972対比較でマッチ化

白内障リスクは、非使用者より使用者で、propensity scoreマッチ化コホートにおいて、高リスク(odds ratio, 1.09; 95% CI, 1.02-1.17)

セカンダリ解析にて、寄与要素補正後、スタチン使用者の非使用者比較リスクは高い (odds ratio, 1.27; 95% CI, 1.15-1.40)

感度分析にてこの関連性確認

2013年9月19日木曜日

INVIGORATE研究:直近1年内急性増悪経験重症COPD インダカテロール(LABA) vs チオトロピウム(LAMA)

40歳以上の12ヶ月重症急性増悪最低1回経験・重症COPD インダカテロール vs チオトロピウム 有効性・安全性比較多施設ランダム化二重ダミー平行群試験

日本での用法用量:インダカテロール(オンブレス)150μg/1日1回、チオトロピウム18μg/1日1回と同じ

要するに、インダカテロールは、スピリーバに対して、1秒量改善に関して非劣性を示し、急性増悪は非劣性を証明できなかった。

 
Once-daily indacaterol versus tiotropium for patients with severe chronic obstructive pulmonary disease (INVIGORATE): a randomised, blinded, parallel-group study
Marc L Decramer ,et. al.
INVIGORATE investigators
The Lancet Respiratory Medicine, Volume 1, Issue 7, Pages 524 - 533, September 2013

ベースラインICS、国別治療バランス層別化 1:1
・インダカテロール (150 μg)
・チオトロピウム (18 μg)
1日1回×52週間

プライマリ及びキーセカンダリ目的は、インダカテロールのチオトロピウム非劣性比較

・プライマリ:FEV1(12週)

・セカンダリ:急性悪化(52週)

per-protocol setにて解析

2009年3月16日から2012年7月5日まで、3444名をランダム割り付け

・インダカテロール 1723
・チオトロピウム 1721

第12週にて、群間推定FEV1差最小自乗平均  −0.011 L (インダカテロール[n=1450] 1.134 L [SE 0.008] vs tチオトロピウム [n=1467] 1.145 L [0.008]; 片側検定 97.5% CI 下限 −0.026 L; p<0 .0001="" br=""> 事前設定非劣性限界 97.5%CI下限 -0.055 Lで、インダカテロールはチオトロピウムに対して非劣性。

インダカテロールは、年間化急性増悪率として非劣性認めず;0.79 (インダカテロール, n=1529) versus 0.61 (チオトロピウム, n=1543); ratio 1.29 (片側97.5% CI 上限1.44).

 安全性に関して、有害事象イベント患者数に群間差認めず (インダカテロール 1119 [65%] / 1721、チオトロピウム 1065 [62%] /1718 名)、重大有害事象イベント   (インダカテロール, 263 [15%] /1721  vs チオトロピウム 255 [15%] / 1718 名)


呼吸器疾患、特に、COPD急性増悪がもっとも多い有害事象イベント(COPD: インダカテロール 747 [43%] / 1721 、 チオトロピウム 665 [39%] / 1718 ) 、重度有害事象  (COPD: indacaterol, 147 [9%] /1721 、チオトロピウム 121 [7%] / 1718 名)


非劣性として示された、1秒量としての差が、運動耐用性や運動量に影響を与えることが できるかが一つの問題だろう。

【直腸結腸がん検診】コロノスコピー、便潜血検診効果

明確なエビデンスある検診により重きを置くべきなのに、くそも味噌も同様にあつかう日本のがん行政

下部消化管がん検診にはより重きが置かれるべきだと私は思う

いまだ、そのエビデンスの不明ながんと同様にあつかうべきではない


●ランダム化対照化トライアルによりシグモイドスコピーによる直腸結腸がん減少と死亡率減少が示されているが、これは近位部(より肛門側)がんの減少効果とされている。コロノスコピーと遠位部(より口側)のがんに関わるがん発症効果と死亡率への影響を明らかにした報告

the Nurses' Health Study and the Health Professionals Follow-up Study

Long-Term Colorectal-Cancer Incidence and Mortality after Lower Endoscopy
Reiko Nishihara,  et. al.
N Engl J Med 2013; 369:1095-1105September 19, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1301969

コロノスコピー・シグモイドスコピーは、遠位部直腸結腸がん発症減少。コロノスコピーは、近位部直腸がん発症減少と軽度関連。検診コロノスコピー・シグモイドスコピーは直腸結腸がん死亡率減少と相関し、コロノスコピーのみが近位部直腸がん死亡率減少と関連。
コロノスコピー後5年超過後診断直腸結腸がんと、5年内診断発見のを比較したところ、後者は、CpG island methylator phenotype(CIMP)特性比率高く (multivariate odds ratio, 2.19; 95% CI, 1.14 to 4.21)、microsatellite instability特性比率が高い (multivariate odds ratio, 2.10; 95% CI, 1.10 to 4.02)。


● 便潜血による直腸結腸がん検診は、15−33%もの、同がん死亡率減少効果が大規模ランダム化トライアルで示されている。全原因死亡率への効果、メタアナリシスによる確認をおこなったもの

Minnesota Colon Cancer Control Studyのデータ

直腸結腸がんとしての便潜血検査の効果は、30年後も持続するが、全死亡率への影響認めず、直腸結腸がん死亡率減少効果はポリペクトミー後の効果によるもの

Long-Term Mortality after Screening for Colorectal Cancer
Aasma Shaukat, et. al.
N Engl J Med 2013; 369:1106-1114September 19, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1300720

【ビタミンBサプリメント】限定的対象にて脳血管疾患予防効果あり?

出版バイアスやサンプリングバイアス大いに疑われると思うのだが・・・

脳血管リスクある患者で、特定のグループで、ビタミンBサプリメント脳血管疾患予防効果の可能性ありという報告


Vitamin B supplementation, homocysteine levels, and the risk of cerebrovascular disease ;A meta-analysis
Yan Ji,  et. al.
Published online before print September 18, 2013, doi: 10.1212/WNL.0b013e3182a823cc
Neurology 10.1212/WNL.0b013e3182a823cc
http://www.neurology.org/content/early/2013/09/18/WNL.0b013e3182a823cc.abstract

14のランダム化トライアル、54,913名治験メタアナリシス
一次予防・二次予防、虚血・出血性卒中、致死的卒中発生などサブグループ区別しない状況下で、ビタミンBサプリメント後、ホモシステイン濃度減少(RR 0.93; 95% CI 0.86-1.00 ; p=0.04)
フォローアップ3年以上のサブグループで、シリアル葉酸強化あるいはCKDなど背後無しの状況で、卒中イベント利益性効果有り
eGFR減少CKD患者で、ビタミンBサプリメントを含むトライアルもあり

シアノコバラミン(ビタミンB12)のサブグループ解析を詳細に行い、ビタミンB!"の介入投与、ベースラインB12濃度に関して有意ベネフィット認めず

血圧・ベースライン医薬品層別化にて、卒中リスク減少試用のための収縮期血圧130mmHg超、抗血小板薬少ない状況でベネフィット存在。



2013年9月18日水曜日

閉塞型無呼吸:CPAP治療で顔が良くなる

The Face of Sleepiness: Improvement in Appearance after Treatment of Sleep Apnea
http://dx.doi.org/10.5664/jcsm.2976

14名の男性、6名の女性、平均年齢45±11(SD)歳、ベースラインAHI 26±21

CPAP治療前後比較にて2倍、そのrate増加
・ 機敏そう:alert (p = 0.0053)
・ 若く見え:youthful (p = 0.026)
・ 魅力的:attractive (p = 0.0068)
・ 治療状態を反映:likely to reflect the treated state (p = 0.015).

写真画像測定にて、額部面積減少、眼窩下・頬赤み低下
眼瞼間裂隙狭窄認めず

ベースラインの深いNREM睡眠減少、顔面の赤み減少ともに、alertnessの主観的rating改善につながる。

【軽薄概念・ミスリーディング行為】ロコモ:運動療法介入エビデンス乏しい、 そもそも運動制限を生じる原因は整形外科疾患だけじゃない

この論文読んだときに、【ロコモ】の宣伝に使われるのではないかとの危惧を最初に覚えた。

整形外科系の医師を主体に高齢者の運動器機能障害を病名化しようとする動きがある。とくに、NHKが露骨にその動きに呼応しているようで気色悪い。高齢に伴う運動機能障害は決して筋骨格だけの問題ではなく、特定分野医療だけの問題ではない。メンタルな問題、視覚・平衡機能、中枢神経・末梢神経系を含む神経感覚系、内分泌・外分泌系、消化吸収系、腎機能、心肺機能系など多システムの問題である。特定の医療分野の医師たちが、十分な根拠無く、診断名を仕立て上げ、巨大メディアが後押ししている現状を懸念する。整形外科関連学会の推奨するそれは、質の低い運動器機能回復システムが量的に膨大な日本の医療制度への批判無く、むしろそれを広げようとする動きである。厚労省役人も関与した、かつて跋扈した、パテント利益を具有した【パワーリハビリテーション】商売の模造としかおもえない、この軽薄な動き。



以下のごとく、高齢者の運動機能障害のリスク要素は、運動器系だけでなく、加齢そのもの、多システムから来る低運動という現象、肥満、筋力低下、平衡機能の問題、代謝系疾患の問題でもある。

運動指導などは否定しないし、良いことだが、【ロコモ】という特定の業界団体だけが関与する疾患名を流布することは大問題だと思う。このままでは、特定の業界団体利益にしかつながらず、国民の健康全体をまもることにはならないと思う。


Mobility Limitation in the Older Patient
A Clinical Review
Cynthia J. Brown, et. al.
JAMA. 2013;310(11):1168-1177. doi:10.1001/jama.2013.276566. 


運動機能障害の多頻度リスク要素は、加齢、低運動性、肥満、筋肉強度、バランス障害、糖尿病・関節疾患のような慢性疾患である。
日常において、運動性評価に関して、いくつかのツールが存在する。

理学療法師が運動制限の評価を行い、デバイスによる治療、機能改善介入が行われるなら、理学療法への参照が適切。

運動機能改善目的の治療的運動効果を支持する研究は、ほとんど存在しない。

一応、運動制限を生じる筋力低下・平衡機能障害疾患の改善のための、レジスタンス・バランス運動を支持する強いエビデンスは存在する。

患者の身体環境やその運動デバイス使用適応能力を評価することが大事。
(テレビなどを利用して一律な運動を強要するなんざ・・・悪事そのもの)


運動機能低下というのは、生命予後だけじゃなく、質に関わる大事な健康上の問題である。だからこそ、特定の疾患の問題にしてはいけないし、特定の団体の利益誘導のためだけにあってはならない。

低レベルの運動リハビリテーションに関し、その敷居をかなり低くした業界団体は、エビデンス構築をおざなりにして、宣伝・広報だけを先行する。荷担する公共放送事業。


整形外科関係の医師たちは、恥も外聞も、捨てて、「ロコモ」暴走するなんらかの理由でもあるのだろうか?

e.g.
 「記事の中身はロコモと関係ない腰痛の内容なのにあえてロコモティブシンドロームと表題化」する愚
2012. 12. 28
日経メディカル2012年12月号特別編集版「ロコモティブシンドロームと骨折予防」【診療アップデート】転載
腰痛の診断と治療―新しい診療ガイドラインから
白土 修(福島県立医科大学会津医療センター準備室整形外科教授)

米国行政:家畜への抗生剤規制へ向けた動き ・・・ 業界団体の圧力跳ね返す根拠不明のまま

http://www.cdc.gov/drugresistance/threat-report-2013/

米国では、毎年、薬剤抵抗性細菌に200万人罹患、少なくとも2万3千名死亡と、連邦レベル権威者が確認した報告

2007年CDC推定の約10万人という病院発症感染症死亡推定など、以前推定より死亡者数は少ない。今回のは底値であり、雑音の少ない数値で、主観的数字であり、直接薬剤耐性最近感染での死亡のみ計算したものと、CDCのトップである Steven L. Solomonが述べている。

農場近隣、土壌からのMRSAについても検討されてない


Report links antibiotics at farms to human deaths
Carolyn Lochhead
Updated 10:58 pm, Monday, September 16, 2013
http://www.sfgate.com/health/article/Report-links-antibiotics-at-farms-to-human-deaths-4819492.php

CDCは、家畜への抗生剤ルーチン使用と、細菌抗生物質耐性に関する関連性を確信する報告を行った。1960年代以降家畜への抗生剤過剰投与と細菌薬剤抵抗性の関連が疑われていたが、薬剤・家畜生産関連の要請により、連邦議会は、FDAの努力を無駄にして、その使用制限を後戻りさせてきた。
2012年4月当局は、薬剤メーカーへ動物への成長促進目的抗生剤使用を自主的にストップさせるよう依頼したが、最終規則にまとめられなかった。ルーチンの感染症尾某に関しても当然制限できていない。畜産関連業者にとっては、歩留まり改善のため死活問題という都合もあるのだろう。飼育コスト増大への抵抗への対策として十分な根拠が必要という次第。

Natural Resources Defense Councilというサンフランシスコの環境グループは、家畜への成長促進効果のための抗生剤使用制限にむけFDAに訴求している。第2回巡回裁判前までペンディング状態とのこと。



2つの記事を見ても、家畜・薬品会社のロビイスト活動へ楔を打ち込むような根拠を得てないというイメージしか感じ荒れなかったが、当局は聞き取り調査を続けるようである。

畜産盛んな地域で医業を行ってるが、抗生剤耐性特異的というイメージはないが、細菌検査ラボが地域的データを公表してくれれば公衆衛生上の意味はあるのかもしれない。


HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...