2014年12月20日土曜日

米国内の長期ベンゾジアゼピン使用実態調査

普段の臨床で思うこと・・・、ベンゾジアゼピン使用リスクの深刻さが一般の病院・診療所医師に対してつたわってないのではないかと・・・、 それも、専門家であるはずの精神科医にも。長年の診療週間で、ベンゾジアゼピン系薬剤に対する警戒感が希薄となっており、それが多重的ベンゾジアゼピン処方につながってるのではないかと・・・。

不眠症・不安症に対するベンゾジアゼピン薬処方時には認知行動的介入を義務づけるなどドラスティックな改革をすべきだと私は思う。




論文の序文一部薬


ベンゾジアゼピン系薬剤は不安・睡眠障害治療として広く用いられている。有効性はプラシーボを凌駕、不安症状を広く抑制し、睡眠遅延を減少させる。不安障害への第一選択として、ガイドライン(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16272179)ではベンゾジアゼピン代わりに新規抗不安薬を推奨しているが、不安障害に対して抗うつ薬の短期的有効性を担保するエビデンスは無い。さらに、臨床ガイドラインでは、行動学的介入を含むべきというガイドラインだが、行動学的介入とベンゾジアゼピン使用は同等の効果しか無いという矛盾もある。

一方では、ベンゾジアゼピンは、長期使用されると、様々な離脱症状や中断関連症状・障害を来す。2008年の検討では27万名あまりの救急受診において、ベンゾジアゼピンの非医学的投与がなされ、40%ほどでアルコール関連、2011年にはさらに増加し、アルコール関連が24.2%。高齢者において、認知機能障害、運動活動性低下、運転スキルの低下著明で、特に転倒のリスク増加させる。生命予後悪化の報告もある。




米国内のベンゾジアゼピン系長期使用の実態調査


120日以上ベンゾジアゼピン使用、性別・年齢群(18-35歳、36-50歳、51-64歳、65-80歳)別、処方における後ろ向き記述解析



Benzodiazepine Use in the United States
Mark Olfson,et. al.
JAMA Psychiatry. Published online December 17, 2014. 
doi:10.1001/jamapsychiatry.2014.1763

2008年米国成人において、18-80歳では、5.2%の使用率
その比率は、年齢群増加するほど高率(18-35歳 2.6%、 36-50歳 5.4%、 51-64歳 7.4%、 65-80歳 8.7%)

一方、精神疾患理由のベンゾジアゼピン使用率は年齢とともに減少する(18-35歳 15.0%、 65-80歳 5.7%)

ベンゾジアゼピン使用は、女性で男性の2倍近く


年齢横断的に、大まかに言えば、4分の1が長期間ベンゾジアゼピン使用してることになる。



2014年12月19日金曜日

任天堂ゲーム機関連外傷

クリスマスの娯楽記事という側面でとらえるべきなのだが、「任天堂」には迷惑な話


Research Christmas 2014:
Going to extremes Nintendo related injuries and other problems review
BMJ 2014; 349 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g7267 
(Published 16 December 2014) Cite this as:
BMJ 2014;349:g7267


  • 任天堂関連外傷や問題点は、(任天堂に限らず)すべてのビデオゲーム装置で報告されている。
  • 外傷はゲームコントロールに依存
  • 伝統的な優先コントローラーは、親指の腱の炎症と関連
  • 動作感知Wiiリモートコントローラーは、(上肢)筋骨格への障害、様々な外傷の原因となる
  • 任天堂は休憩を多くとり、安全な場所でゲームすれば比較的安全


医療トーク番組の推奨内容の半数はエビデンスがないか、エビデンス上やってはいけない内容

ちょい前までは、「あるある・・・」「ものもんた・・・」、今は「NHKのためしてガッテン」かな?

NHKはその道のお偉いさんが出てくるが、利益相反への疑念はなはだしい 。番組で、出てくる専門家に、その関連企業とのCOI提示義務化してほしい。





Research Christmas 2014: Media Studies
Televised medical talk shows—what they recommend and the evidence to support their recommendations: a prospective observational study
BMJ 2014; 349 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g7346 (Published 17 December 2014) Cite this as: BMJ 2014;349:g7346


[目的] 人気のメディカルトークショーにおける、健康推奨やクレームの質評価

[デザイン] 前向き観察研究

[セッティング] Mainstream television media.

[ソース] Internationally syndicated medical television talk shows that air daily (The Dr Oz Show and The Doctors).

[介入] テレビ番組「The Dr Oz Show and The Doctors」ランダム選別40エピソード(2013年初頭から)、番組内であげられた推奨を確認、評価。熟練エビデンス・レビュー施行者のグループは独立にチームとして研究、評価を行い、80のランダム選択推奨を支持するエビデンスを検索した


[測定主要アウトカム]
・ 熟練エビデンスレビュー施行者により決定されたエビデンスに基づく推奨の比率
・ セカンダリアウトカムは、話題としたトピックス、テレビショーでなされた推奨数、テレビショーでなされた推奨の種類と詳細


[結果]少なくとも一つの症例研究以上のエビデンスで支持されたテレビショー内での推奨の160(それぞれのテレビ番組内あら80)のうち、54%(95% 信頼区間 47%~62%)
テレビ番組「The Dr Oz Show」に限っての推奨においては、エビデンスにより内容が確認されるのは 46%, 否定的エビデンス 15%、 エビデンス認めないのは 39%
テレビ番組「The Doctors」に限っては、それぞれ、63%、14%、24%


信頼可能な、あるいは、幾分信頼可能なエビデンスは、「The Dr Oz Show」で33%、「The Doctors」 53%


「The Dr Oz Show」はエピソードあたり12の推奨、「The Doctors」は11の推奨。

「The Dr Oz Show」の最頻回推奨カテゴリーは、食事での助言 (39%) 「The Doctors」は、医療機関への受診 (18%)


テレビショー内でなされた推奨で、特異的ベネフィットに触れたのは、それぞれ43%、 41%。ベネフィットの程度に触れたのは、それぞれ、17%、11%

利益相反可能性暴露は、推奨中 0.4%に過ぎない

[結論] 医療トーク番組でなされる健康推奨事項は、そのベネフィットが特異的であることに触れられてないことが多く、そのベネフィットの効果程度についても触れられてないことがしばしば。
健康推奨のほぼ半数は、エビデンスがないか、むしろ、エビデンス上してはならない内容。
利益相反に触れられることはまずない。一般大衆視聴者は、これら医療トークショーの推奨内容に疑念を抱くべき。

施設長期入所脆弱老人へのインフルエンザワクチン高用量投与の効果と安全性

高リスク群でのワクチン戦略として高用量ワクチンは選択肢としてあり得るのでは・・・


Randomized, Controlled Trial of High-Dose Influenza Vaccine Among Frail Residents of Long-Term Care Facilities
David A. Nace , et. al.
J Infect Dis. (2014) doi: 10.1093/infdis/jiu622 First published online:
http://jid.oxfordjournals.org/content/early/2014/12/12/infdis.jiu622.full


長期ケアをうけてるような脆弱老人に対して、高用量の不活化ワクチンが有用。
米国では、2009年65歳以上で、高用量ワクチン承認されたが、検証は健常者であり、73歳平均の地域住居老人であった。

205名の長期滞在施設住民で、86-87歳という後期高齢者
背景は、認知機能障害比率高く、平均歩行速度も0.7m/秒と著しく低下した脆弱な老人

プライマリアウトカムは、ワクチン後30日目の抗体レベル

187名完遂

1回目のシーズンで、高用量接種で抗体レベル高く
2回目のシーズンで、H1N1で非劣性、有意差までは至らなかった

2回目の優越性証明できなかった理由は不明。すでに、抗体獲得済みだった可能性がある。
重篤副作用なく、耐用性良好。





2014年12月18日木曜日

MR CLEAN研究:急性虚血性卒中への血管内治療 ・・・ not so clean

MR not so CLEAN ・・・と、論評されている。
http://www.medpagetoday.com/Neurology/Strokes/48560

画像診断(CTA、MRA、DSA)で、頭蓋内内頸動脈や中大脳動脈、前大脳動脈遠位閉塞を選抜され、治療までの期間が短いなど、他のトライアルに比べ恵まれている状況

にも、関わらず、ソフトなアウトカムでしか有意差みとめないなどを問題視されている。



A Randomized Trial of Intraarterial Treatment for Acute Ischemic Stroke
for the MR CLEAN Investigators 
N. Engl. J. Med. December 17, 2014

オランダの16医療センター500名登録


・ 動脈内治療 233
・ 通常ケア 267

65歳(range 23 -96歳)、 ランダム化前静注アルテプラーゼ投与 455名


動脈内治療群:Retrievable stentを 190/ 233 患者 (81.5%) に使用

補正common オッズ比は、 1.67 (95% 信頼区間 [CI], 1.21 to 2.30)

機能的独立(modified Rankin score)率は、絶対比で、13.5%   (95% CI, 5.9 to 21.2) ;介入群が良好 (32.6% vs. 19.1%)

死亡率と有症状頭蓋内出血発生頻度 で有意差無し




禁煙治療: シチシンはニコチン置換療法に非劣性、一部優越性あり

シチシン、  cytisineは、ニコチン・アセチルコリン受容体アゴニストに結合する部分的アゴニスト


ニコチン置換との比較、プラグマティック・オープンラベル・非劣性トライアル

オープンラベルなのがきになる・・・


Cytisine versus Nicotine for Smoking Cessation
Natalie Walker,et. al.
N Engl J Med 2014; 371:2353-2362December 18, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1407764.
Comments open through December 24, 2014 .






1影愚と、喫煙持続中止は、シチシン群 40%(265/655) vs ニコチン置換療法 203/655、9.3%の差(95%信頼区間 4.2 ー 14.5%)


シチシンは、ニコチン置換療法より2ヶ月から6ヶ月の時点では優越性あり


プライマリアウトカム事前設定サブグループ解析により女性では優越性、男性では非劣性が示された。


6ヶ月間に於ける自己報告副作用率は、シチシン群 288イベント/204例、 ニコチン置換療法 174イベント/134例で、主に吐き気・嘔吐、睡眠障害


 
安い薬剤となるはず・・・ メーカーのモチベーションは低いはず

2014年12月17日水曜日

低グリセミック指数食・・・インスリン感受性・脂質・血圧へ好影響もたらさず

5週間の対照治験
低GI食は、抗GI食に比べ、インスリン感受性、脂質レベル、収縮期血圧の改善をもたらさなかった。
DASH型食事の内容において、選択的特異的書字の指数は、インスリン抵抗性心血管系リスク要素 に改善をもたらさなかった。

Effects of High vs Low Glycemic Index of Dietary Carbohydrate on Cardiovascular Disease Risk Factors and Insulin Sensitivity
The OmniCarb Randomized Clinical Trial
Frank M. Sacks,  et. al.
JAMA. 2014;312(23):2531-2541. doi:10.1001/jama.2014.16658.


Effect of the Study Diets on Blood Glucose and Insulin Levels Over 12 Hours








どっかの関西の国立大学の先生たちが、いろいろ「食べる順番」ダイエットなど 賜ってるけど・・・

単一の食事、たとえば、煮魚などの一種類の食事なら影響を与えるのかもしれないが、様々な食品を摂取するリアルワールドの食事では、影響は打ち消されるのかもしれない。

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