2015年5月27日水曜日

肥満:心房細動予防のため心配フィットネスの向上を

心肺フィットネス(CRF)の悪さは、心血管系合併症・死亡率の独立したリスク要素。だが、CRFと心房細動についての関連性は不明であったとのこと


6万5千名程度 平均年齢 54.5±12.7歳、女性 46%、白人 64%の1991年から2009年までの、心房細動無し、運動トレッドミル試験被施行者対象

肥満者で顕著な心肺フィットネス増加と共に心房細動発症リスク減少相関性認めた

Cardiorespiratory Fitness and Risk of Incident Atrial Fibrillation Results From the Henry Ford Exercise Testing (FIT) Project
Waqas T. Qureshi, et. al.
Circulation. 2015; 131: 1827-1834



Nested, multivariable Cox proportional hazards modelでCRFと心房細動発症との独立予測因子推定
フォローアップ中央値5.4年間(IQR 3-9年間)、4616名の新規心房細動診断

寄与要素補正後、トレッドミル検査1METにつき、心房細動発生7%リスク減少 (hazard ratio, 0.93; 95% 信頼区間 0.92–0.94; P < 0.001)

冠動脈疾患補正後もこの相関維持 (hazard ratio, 0.92; 95% confidence interval, 0.91–0.93; P < 0.001)

CRFと心房細動発生との逆相関性は非肥満より肥満者で大きい  (P for interaction=0.02)


アップストリーム予防は,エビデンス無き虚構概念という話も聞くが、フィットネス向上による予防効果はありそうだ・・・ 

2015年5月26日火曜日

高齢者喘息:吸入コントローラ薬剤アドヒアランスは流動性知能と明確な関連なし;単純化介入にて克服の可能性

流動性知能と結晶性知能
いろんなところで解説が試みられている
e.g.) http://www.nikkei.com/article/DGXMZO79123750R31C14A0000000/


高齢者に於ける吸入コントローラ薬剤のアドヒアランスは流動性知能との相関性明らかでなく、わかりやすい指導やタスクによりある程度克服できるかも・・・という話


Health Literacy, Cognitive Function, Proper Use, and Adherence to Inhaled Asthma Controller Medications Among Older Adults With Asthma
Rachel O’Conor, et. al.
Chest. 2015;147(5):1307-1315. doi:10.1378/chest.14-0914

背景:  喘息を有する高齢者において、認知的スキルの程度により健康リテラシーと喘息関連薬剤使用の関連性が説明できると考えてきた。

研究方法:  8つの外来クリニック(プライマリケア、高齢外来、呼吸器、アレルギー、免疫)60歳以上の患者を構造化、個別インタビューを、 Asthma Beliefs and Literacy in the Elderly (ABLE) study (n = 425)の一環として登録。
薬物使用関連行動を検討、処方レジメンアドヒアランス、MDIテクニック、DPIテクニックを含めた検討。
健康リテラシーをShort Test of Functional Health Literacy in Adultsで調査。
認知機能評価は、fluid (working memory、 processing speed、 executive function) と crystallized (verbal) abilityで評価

結果:  被験者の年齢平均は68歳;ヒスパニック 40%、 非ヒスパニック黒人 30%
コントローラー薬剤へのアドヒアランスは、38%、DPI適切使用は 53%、 MDI適切使用は38%

多変量解析にて、リテラシー不足がコントローラー使用のアドヒアランス低下と関連 (OR、 2.3; 95% CI, 1.29-4.08) 、同様、DPI使用スキル不適正とも関連 (OR、 3.51; 95% CI、 1.81-6.83) 、 MDI使用スキル不適切さも同様 (OR, 1.64; 95% CI, 1.01-2.65)


Fluid and crystallized abilities :流動性知能と結晶性知能は医療行動に対して独立性相関を認めるが、このモデルにFluid abilitiesを加えると、リテラシーによる相関性は減少する


結論:  喘息高齢において、薬剤使用適正さをプロモートする介入は、“認知負荷という問題”や“セルフケアにおける最適でない状況のパフォーマンス”を克服するべく、タスクや患者の役割を単純化して行うべき


高齢者への吸入指導は、簡単に諦めてはならないと言うことか・・・





75歳以上:言語知性要求される職業の場合認知機能減衰緩徐

メンタルな部分が要求される仕事の程度で、高齢者の認知機能低下速度への影響があるか?

75歳以上の1054名の長軸検査で、6波測定機会でのMMSE検討

言語的インテリジェンスを刺激する仕事が多い職業的経験をしたひとはそれ以外に比べ、75歳以上の高齢においてもその認知機能減衰程度少なく、維持されやすい。



Differential effects of enriched environment at work on cognitive decline in old age Francisca S. Then, et. al. http://www.neurology.org/content/84/21/2169.abstract

社会住民統計指標・健康関連要素補正多変量混合モデル
言語的インテリジェンス刺激するwork taskを要求するメンタルの高い仕事を経た対象者は、そうでない対象者に比べ、ベースラインでの認知機能の良さと相関する (on average 5 MMSE points higher) 、 同様に、8年フォローアップ後の認知機能減少程度の低さとも相関 (on average 2 MMSE points less)


高度メンタル必要労務タスクを経た対象者ではそうでない対象者に比較して高齢者認知機能減少速度は有意低下





前兆無し片頭痛と、大血管系・心原性卒中と関連重複遺伝子

片頭痛と虚血性卒中の遺伝子感受性共有性

20万例近い大規模メタ分析で、特定の遺伝子座を検討

前兆無し片頭痛(MO)と大血管系卒中(LAS)で強力なオーバーラップが見られる (LAS; p = 6.4 × 10−28 for the LAS polygenic score in MO) 、MOと心原性卒中とのも同様  (CE; p = 2.7 × 10−20 for the CE score in MO)


Shared genetic basis for migraine and ischemic stroke
A genome-wide analysis of common variants
Rainer Malik,  et. al. ; For the METASTROKE Collaboration of the International Stroke Genetics Consortium
http://www.neurology.org/content/84/21/2132.abstract

2015年5月22日金曜日

食事回数を減らす脂肪蓄積しやすく、耐糖能異常を来しやすい

テレビタレントなどが、朝食や夕食などの欠食を勧めるのを見聞きするにつけ、無責任な連中だと・・・眉をひそめることが多い。直感的・経験的市井情報での無責任な噂話。こういうのが真実の如く市井に固着してしまう弊害が怖い


食事抜きが減量の早道と思うのはやはり誤りで、逆効果ということをマウスで証明


日内を通して全体量として少ない食事量にすることが減量の基本
だが、まぁ多くの人間にはそれができない・・・ってのが悩みですけどね・・・


少なくとも、食事回数を少なくして減量を目指すことはインスリン抵抗性悪化・肥満リスクを増加させることは確かなようだ・・・


でもこういう実験って いままでもあると思うけど・・・ヒトでの疫学研究でHELENA研究で朝食抜くとインスリン感受性、脂質異常きたすという報告がある。


Short-term food restriction followed by controlled refeeding promotes gorging behavior, enhances fat deposition, and diminishes insulin sensitivity in mice
Kara L. Kliewer,  et. al.
JNB DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.jnutbio.2015.01.010

齧歯類を体重増加研究目的で餌制限・餌再投与がなされる。24時間毎支給で割り当て餌前部完食し、短期的な満腹時間の後、次の日の餌の時間まで空腹時間が続く。
このため、アドリブ食(nibbling:少しずつ食べる方法)マウスでは非典型的な代謝異常が見られる。欠食による暴食の日内、累積的変化を、対照群と比較。
一時的絶食後、対照餌アドリブ摂取マウスと同じ量の餌を摂取する。
マウスは一時的絶食後、餌有る時間だけ暴食続け、代謝関連指標を餌投与時・空腹時測定。
脂肪組織のLipogenicすなわち脂質形成性やInflammatoryすなわち炎症性遺伝子発現が、代謝状況(餌時vs空腹時)によりかなり変化することが暴食マウスで見られた。
加えて、アドリブ食マウスと比較して累積餌摂取量減少に関わらず、餌制限暴食マウスは腹部内臓脂肪累積増加し、肝臓と末梢のインスリン感受性減少し、遺伝子発現特性が死亡蓄積性へ変化する。


暴食マウスの遺伝子発現の餌前後の日内差が、アドリブ食、小食頻回食に比べ、かなり変動することが、累積的代謝・行動異常をもたらす。



紫サツマイモの色素は糖尿病初期の血管内皮抗加齢作用の可能性

そういえば、今年は収穫時期判断失敗で収穫失敗した「安納芋」の代わりに「紅さつま」植えた。来年は、紫系のサツマイモ入手しよう・・・




Purple sweet potato color inhibits endothelial premature senescence by blocking the NLRP3 inflammasome
JNB DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.jnutbio.2015.04.012



紫サツマイモからのフラボノイド色素:Purple sweet potato color (PSPC)は、2型糖尿病の血管内皮細胞機能障害に対して抗老化作用をしめす。
D-ガラクトースは血管内皮細胞老化in vitro作用示され、これは2型糖尿病初期に見いだされるが、PSPCはROS蓄積、NLRP3 インフラマソーム(Inflammasome)をdown-regulateする。しかし、一度、NLRP3インフラマソーム過活動が生じると、PSPCでは抑制できない。





食い過ぎて太ればそれ以上に悪い・・・


COPD:シーブリはスピリーバ比較非劣性証明

COPD患者に対する、シーブリ(グリコピロニウム)とスピリーバ(チオトロピウム)とプラシーボをアドエア併用症例で比較

シーブリとスピリーバ比較でガチンコの差が出たのかと思ったが・・・違うようだ。非劣性は示されたということだけ(差が出たら、メーカーだまってないだろう)


シーブリ+アドエアとアドエア単独比較で肺機能改善、良好健康状態、レスキュー治療必要性減少が示されたが、スピリーバ+アドエアと比べて肺機能、健康状態指標などで優秀かどうかは疑問。



Glycopyrronium once-daily significantly improves lung function and health status when combined with salmeterol/fluticasone in patients with COPD: the GLISTEN study—a randomised controlled trial
Thorax 2015;70:519-527 doi:10.1136/thoraxjnl-2014-206670
http://thorax.bmj.com/content/70/6/519.abstract

1日1回グリコピロニウム50μg(GLY)、1日1回チオトロピウム(TIO)とプラシーボ+サルメテロール/フルチカゾンプロピオン酸(SAL/FP)50/500μg×2
GLY+SAL/FP vs TIO+SAL/FPが主
プライマリ目的は、12週後のトラフFEV1値非劣性比較


患者773名 (mean FEV1 57.2% predicted)をランダム化; トライアル完遂比率 84.9%


12週時点で、GLY+SAL/FPは、TIO+SAL/FPに対して、トラフFEV1非劣性:最小自乗平均治療差 : least square mean treatment difference (LSMdiff) −7 mL (SE 17.4) ;非劣性下限 −60 mL



12週時点でのトラフFEV1はGLY+SAL/FPでPLA+SAL/FPに対して有意に増加  (LSMdiff 101 mL, p < 0.001)

12週時点でのSt George's Respiratory Questionnaire total scoreは 、GLY+SAL/FPで対PLA+SAL/FP比較で有意改善を示した (LSMdiff −2.154, p=0.02)




GLY+SAL/FP はレスキュー薬剤使用を対PLA+SAL/FP比較で有意に減少 (LSMdiff −0.72 puffs/day, p < 0.001)


重大副事象イベントはGLY+SAL/FP、TIO+SAL/FP、 PLA+SAL/FP 何れも同様で 5.8%、 8.5% 、 5.8%




HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...