2018年5月14日月曜日

COPD急性増悪頻回phenotype、ESODスコア

近年、COPD患者に於ける急性増悪繰り返しの特異的phenotype特性化の試みがあり、その後の健康状態、合併症、死亡率、入院リスクなど

ECLIPSE研究では、“急性増悪1年内2回以上の急性増悪”は60%
GOLDガイドラインにも定義採用

重症度:定義は医療ソース使用により分類

  • mild in case of self-management
  • moderate if the patient was not hospitalized but received a prescription of systemic corticosteroids and/or antibiotics 
  • severe if the patient has been hospitalized

中等度・重度のみ解析するのが通常

結果、医療資源へのアクセス性などにより影響される宿命!


COPD急性増悪を繰り返す表現型、COPD “frequent exacerbator” phenotypeの定義 “年2回以上の急性増悪”は健康アウトカムにかなりの影響を与える




特定の演繹的仮説無く、急性増悪特性を分析することで、phenotypeと呼応する閾値の明確化する逼迫した課題の検討




Defining the “Frequent Exacerbator” Phenotype in COPD
A Hypothesis-Free Approach
Olivier Le Rouzic, et al.
CHEST May 2018Volume 153, Issue 5, Pages 1106–1115
https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(17)32903-3/fulltext

French cohort in Exacerbations of COPD Patients (EXACO)

Kmlメソッド:
  1. Genolini C, Alacoque X, Sentenac M, Arnaud C. kml and kml3d: R Packages to Cluster Longitudinal Data. J Stat Softw 2015;65(4):1–34. 
クラスター区分最適閾値は、“1年間の2回の中等度・重度急性増悪”




ESODスコア(Exacerbation history、 chronic Sputum production、 GOLDステージ:Obstruction and mMRC Dyspnoea stage)




  • Exacerbation history(2年内入院) : 無し 0、有り 1
  • Sputum production(慢性連日喀痰) : 無し 0、有り 1
  • Obstruction (%FEV1)  : 50%以上 0、 50%未満 1
  • Dyspnoea (mMRC) : 0-1-2 0、 3-4 1





Time to Understand the Infrequency of the Frequent Exacerbator Phenotype in COPD
Wassim W. Labaki,  et al.
Chest, Volume 153, Issue 5, May 2018, Pages 1106-1115
https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.01.056

2018年5月12日土曜日

プレセデックス ICU せん妄予防効果

ICU入室中の妄想

dexmedetomidine iv 0.2 μg/kg/h every 15 min (Richmond Agitation and Sedation Scale score of −1 もしくは 最大投与 0.7 μg/kg/h まで)

RCTにてせん妄予防効果確認

Low-Dose Nocturnal Dexmedetomidine Prevents ICU Delirium. A Randomized, Placebo-controlled Trial
Yoanna Skrobik , et. al.
AJRCCM Vol. 197, No. 9 | May 01, 2018
https://doi.org/10.1164/rccm.201710-1995OC

  • 夜間:プレセデックス(dexmedetomidine)投与にて、ICU滞在中のせん妄無し維持患者比率相関(投与群 40(89%) vs プラシーボ 27 (54%)) 相対リスク 0.44; 95%信頼区間 , 0.23 - 0.892 ; p=0.006
  • Leeds Sleep Evaluation Questionnaire 平均スコアは同等 (平均差 0.02; 95% 信頼区間 0.42-1.92) 


Incidence of hypotension, bradycardia, or both did not differ significantly between groups.


プレセデックス
http://www.maruishi-pharm.co.jp/med2/files/anesth/support/92/sup.pdf?1483664997


2018年5月11日金曜日

CT上気腫所見:5年後の気流制限を予測

CTやレントゲン上の気腫所見があるからと、スパイロメトリ評価無く、長時間作用性気管支拡張剤使用されているのを見ることがある。欧米の臨床でもそんなもの・・・と宣う先生方もいるので一概には否定できないのだろうが・・・やはり基本は大事にしてほしい。
確かに、気腫合併肺線維症などはFEV1/FVCなど当然ながら大となり、従来のFEV/FVC比ではカバーしきれないなど色々考察すべきことは多いのだろうが・・・


下記で気になるのは、「喫煙歴に関連せず」の記載
どのようなethiologyが関与しているのだろう、本文では分からなかった


Associations between emphysema-like lung on CT and incident airflow limitation: a general population-based cohort study
Elizabeth C Oelsner , et. al.
Thorax Vol. 73 No. 5 
http://dx.doi.org/10.1136/thoraxjnl-2017-210842


CT上の肺気腫は重度喫煙者・COPD患者の肺機能減少加速と関連するも、一般住民においては、気腫様CT所見増加はCOPD発生と関連するかどうか不明

初期気管支拡張前気流制限を認めない2045名の成人、Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis

ベースライン心臓CTにおける気腫様肺、<-950 hu="">正常上限:低attenuation area のパーセントを定義として、5年間フォローアップ時の拡張剤前、拡張剤後の気流制限オッズ比(各々、 補正 OR 2.62, 95% CI 1.47 〜 4.67、 4.38, 95% CI 1.63 to 11.74)増加と関連するも喫煙歴とは独立した関連
これらの結果は、気腫様肺がCOPDリスク層別として1informativeであることを示唆




DPP-4阻害剤:高齢者糖尿病低血糖リスクのセーフガードとしての役割

MACE臨床的アウトカムにおいては劣性のDPP-4阻害剤だが、メトホルミンとの併用で、低血糖リスク軽減効果、原理的にもRCT上も確認され、安全性担保された形

高齢者2型糖尿病において、メトホルミン治療2型糖尿病患者では、3.5 mmol/L (63.2 mg/dL)低血糖でのグルカゴン値低下するが、DPP-4阻害剤投与下では 3.1 mmol/L(56 mg/dL)での低血糖へのグルカゴン反応は維持される
故に、DPP-4阻害剤は、低血糖リスク減少し、セーフガードとしての役割を果たす



単施設二重盲検ランダム化プラシーボ対照交叉研究 (28名、メトホルミン治療、17名男性、11名女性、平均年齢 74歳 レンジ 65-86歳、平均HbA1c 6.9%、シタグリプチン 100mg/日を4週間add-onとしてプラシーボと比較、wash-out後、交差試験

朝食後、昼食後、2時間後高インスリン血症性低血糖clamp (target 3.5 mmol/L)でのグルカゴン値はプラシーボ後よりシタグリプチン投与群で低い
しかし、3.1 mmol/L時点での低血糖へのグルカゴン反応は両群間に有意差を認めない
同様、非アドレナリン、アドレナリン、コルチゾールの反応はシタグリプチン投与時でプラシーボ投与時より低値
膵polypeptideの反応は両群で差を認めず


Effects on the glucagon response to hypoglycaemia during DPP‐4 inhibition in elderly subjects with type 2 diabetes: A randomized, placebo‐controlled study
Johan Farngren et al.
Diabetes Obes Metab. 2018;1– 10.
First published: 12 April 2018 https://doi.org/10.1111/dom.13316




日本でのDPP-4阻害剤のマーケット、諸外国から見たら異常だが、高齢化と安全性を考えれば、日本人臨床家のセンス 捨てがたいものがある (専門医ほど馬鹿という話もあるが・・・)

2018年5月10日木曜日

慢性疼痛の高齢者心理的介入:グループ認知行動療法が個別より有効

慢性疼痛へ、種々サプリメント、あんま・マッサージ、カイロ、理学療法という名ばかりインチキ単調“リハビリ”など、効果的に疑念のあるものに、時間的・金銭的国家的浪費がなされている現状にあるなか、昨日、反日・親中共テレビ局ではあるが、NHKは、ためしてガッテンでやったらしい
http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20180509/index.html?c=health

少しだけ褒めたい

側坐核とは「禁煙外来」の説明でルーチンに使用する用語なのだが、メカニズムを一つに絞るのはなぁ、ちょっと拙速な印象


グループ認知行動療法なら、コスト的に落ち着くのかもしれない



慢性疼痛の高齢者における心理的介入の有効性を検討

(序文)慢性疼痛は60歳以上に特に多い、結果的には機能障害や医療コストを生じる病態で、加齢的な生理学的変化、治療オプションを受け入れがたい障壁となる合併症や患者側障壁(医薬品の副作用を恐れるなど)、薬物的治療の多くに見られる大きなウェイトを占める副作用特性、それに治療ガイドラインが少ないことなどが問題。オピオイド・エピデミックと言うべき広範利用、認知行動療法使用の非薬物的治療、認知restructuring、行動活性化テクニックなど慢性疼痛への治療として関心が向けられている。

高齢者慢性疼痛への認知功労療法ベースアプローチのシステマティック・レビュー&メタアナリシス


Association Between Psychological Interventions and Chronic Pain Outcomes in Older Adults
A Systematic Review and Meta-analysis
Bahar Niknejad, et. al.
JAMA Intern Med. Published online May 7, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2018.0756
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2680318


MEDLINE、Embase、PsycINFO、Cochrane Library(2017年3月29日まで)ベース
検討文献クライテリア
(1)無作為化試験デザイン
(2)認知行動様式の評価、認知行動療法単独または他の戦略との組み合わせ
(3)平均年齢60歳以上、慢性疼痛(3ヵ月以上の疼痛)
(4)介入前および介入後定量的データで報告

アウトカム治療効果は、混合モデルのメタ分析評価


主要アウトカムは疼痛強度

副次的結果には、pain interference、抑うつ症状、不安、catastrophizing belief、疼痛自己管理効力感、身体機能および身体的健康


結果
2,608人の参加者(1,799人(69.0%)の女性)、22研究分析、平均年齢 71.9歳

治療後標準化平均差(dD)

  • 疼痛強度 -0.128, p=0.006
  • pain interference -0.133、P = .12
  • 抑うつ症状 不安  -0.205、P = .09
  • catastrophizing belief -0.184、P = .046
  • 疼痛自己管理効力感 0.193、P = .02
  • 身体機能  0.006、P = .96
  • 身体健康  0.160、P = .24

観察すると治療後評価を上回る効果が持続された (dD-0.251、P = .002)

moderated analysisで、治療モード(グループ vs 個人)ではグルーブベースの治療が有効な治療


ADVANCE:2型糖尿病:血中アミノ酸 微小・大血管合併症予後因子

既存文献では、アミノ酸の種々アウトカムへの影響は一致した相関性が見られない

Framingham Offspringでは、イソロイシン、ロイシン、バリン、芳香族アミノ酸:チロシン、フェニルアラニンがインスリン抵抗性と2型糖尿病リスクと正相関。European Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC) Potsdam study、 Metabolic Syndrome in Men (METSIM) study、Cardiovascular Risk in Young Finns (CRY) study、Southall and Brent Revisited (SABRE) study でも同様所見。
グリシン、グルタミンは2型糖尿病リスクと逆相関
一般住民研究ではBCAA、AAA高値は心血管疾患リスク増加と関連するも、大規模Estonian Biobank studyでは、いくつかのBCAAを濃度の持続性高値と死亡率との逆相関性が報告された。BCAAと臨床的認知症・アルツハイマー病との逆相関性の報告もある
非糖尿病で心血管疾患男性への18ヶ月メトホルミン治療のインスリン感受性改善においてアラニン、ヒスチジン濃度増加と、フェニルアラニン、チロシン濃度減少を示し、BCAAには影響無し

ADVACEトライアルからの2型糖尿病における、微小血管・大血管疾患死亡率アウトカムへの血中アミノ酸のリスク要素検討

2型糖尿病において、アミノ酸毎に種々合併症リスクと関連
低チロシン濃度は、腎機能マーカーと独立して微小血管合併症と関与



Circulating amino acids and the risk of macrovascular, microvascular and mortality outcomes in individuals with type 2 diabetes: results from the ADVANCE trial
Paul Welsh , et al,
Diabetologia pp 1–11
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00125-018-4619-x




年齢、性、ランダム化治療補正後相関・寄与メカニズム関連性検討モデルにて、
大血管疾患リスクにおいて、フェニルアラニンは正の相関、ヒスチジンは負の相関みとめた

広範な古典的リスク(eGFR、尿中アルブミン/Cr比)要素補正後、nullと帰す

同補正後、チロシン高値、アラニン高値は、微小血管疾患リスク減少と関連 (HR 0.78; 95% CI 0.67, 0.91、 0.86; 95% CI 0.76, 0.98)

ロイシン高値、ヒスチジン高値、バリン高値は死亡率リスク減少と相関 (HR 0.79; 95% CI 0.69, 0.90、0.89; 95% CI 0.81, 0.99、0.79; 95% CI 0.70, 0.88)


アミノ酸すべてを加えアミノ酸の予測能検討すると、リスクスコアは、大血管、微小血管イベントのリスクスコアを軽度改善する (continuous net reclassification index [NRI] +35.5%, p < 0.001、 +14.4%, p = 0.012)







2018年5月9日水曜日

DYNAGITO スピオルト vs スピリーバ 急性増悪減少効果 p=0.0498

とっても微妙な結果


  • 抗生剤のみ治療の急性増悪対応事象減少効果 p=0.21
  • ステロイドのみ治療の急性増悪対応事象減少効果 p=0.0068
  • 抗生剤・ステロイド併用治療の急性増悪対応事象 p=0.045


入院直結急性増悪事象 p=0.13



Tiotropium and olodaterol in the prevention of chronic obstructive pulmonary disease exacerbations (DYNAGITO): a double-blind, randomised, parallel-group, active-controlled trial
Peter M A Calverley, et. al.
The Lancet Resp. Med. Volume 6, No. 5, p337–344, May 2018
DOI: https://doi.org/10.1016/S2213-2600(18)30102-4


メーカー
DYNAGITO試験 結果発表
https://www.boehringerplus.jp/ja/product-pages/spiolto/product-description/evidence




急性増悪軽減効果: スピオルト vs スピリーバ
主要評価項目は、中等度~重度のCOPD増悪の年間発現率


51ヶ国、818センター、9009名スクリーン
7880名、平均年齢 66.5[SD 8.5]歳、男性 71%
平均FEV1予測比 44.5% [SD 27.7]
スピオルト 3939 vs スピリーバ 3941

スピオルトにおける対スピリーバの中等・重症急性増悪率減少 発生比 0.93, 99%CI 0.85-1.02 p=0.0498 ; p<0.001に至らず

A. 初回急性増悪までの期間
B. 補正平均CATスコア:ベースラインからの変化


副事象量群間同等





SPARK studyにおける、LAMA+LABA vs LAMAにおいて急性増悪比率 7-12%軽減
Analysis of chronic obstructive pulmonary disease exacerbations with the dual bronchodilator QVA149 compared with glycopyrronium and tiotropium (SPARK): a randomised, double-blind, parallel-group study.
Lancet Respir Med 2013; 1: 199–209.

7%程度の急性増悪減少効果は合致

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note