2019年3月5日火曜日

CKD stage 3以上:シュウ酸はCKD悪化・末期腎疾患への予後推定要素


  • 疑問:尿中シュウ酸排泄は患者の腎不全予後推定となるか?
  • 知見:CKD 3123名のコホート研究にて、尿中シュウ酸排泄高値は末期腎疾患(ESRD)の補正リスク37%増加
  • 意義:尿中シュウ酸排泄はCKD進展の独立したリスク要素





Association of Urinary Oxalate Excretion With the Risk of Chronic Kidney Disease Progression
Sushrut S. Waikar, et al.
JAMA Intern Med. Published online March 4, 2019. doi:10.1001/jamainternmed.2018.7980

序文  シュウ酸は腎で主に排泄する毒性の」ある終末代謝産物。シュウ酸腎症は既知の稀な遺伝的疾患合併症やenteric hyperoxaluriaとして知られているが、シュウ酸自体をCKDのより多い病型にも寄与要素として関与するかは不明であった

目的  尿中シュウ酸排泄がCKDから腎不全への急激進展リスク要素となるか評価

デザイン・セッティング・被検者 この前向きコホート研究でstage 2-4 、3123名、 Chronic Renal Insufficiency Cohort study(June 1, 2003, to September 30, 2008. )
データ解析は October 24, 2017, to June 17, 2018.


暴露介入:24時間表中シュウ酸分泌量

主要アウトカムと測定項目 eGFR50%減少、ESRD

結果  3123 名 (平均 [SD] 年齢, 59.1 [10.6] 歳; 女性 1414 [45.3%] ; 白人 1423 [45.6%] )

24時間採尿時の平均(SD)eGFRは42.9(16.8)mL / min / 1.73 m 2であった。

シュウ酸塩の尿中排泄中央値は18.6 mg / 24時間(四分位範囲[IQR]、12.9-25.7 mg / 24時間)であり、eGFRと逆相関し(r = -0.13、P <0 .001="" p="" r="0.22、P">
追跡期間22318人年の間に、752人がESRDに達し、940人がESRDの複合エンドポイントまたはeGFRの50%低下(CKD進行)に達した。


シュウ酸塩排出量の増加は、CKD進行とESRDの両方のリスクの増加と独立関連: 第1・5分位 (シュウ酸排泄量, <11 .5="" 1.04-1.70="" 1.09-1.93="" 1.33="" 1.45="" 95="" a="" ci="" mg="" p="">

シュウ酸排泄とCKD進行・ESRDの相関は非線型で、第3〜5・5分位 vs 第1〜2・5分位が閾値effect

シュウ酸排泄量 高値 vs 低値比較(40パーセンタイル)ではCKD進展リスク32%高値  (HR, 1.32; 95% CI, 1.13-1.53) 、ESRD 37%リスク高値  (HR, 1.37; 95% CI, 1.15-1.63)
競合イベントとして"死亡”を取り扱ったときも同様な結果

結論と知見:シュウ酸24時間尿中排泄高値は、CKD stage 2-4において、CKD進展とESRDのリスク要素となる


CKDの食事指導にシュウ酸の項目が加わることになるのだろう
https://cdn.jsn.or.jp/guideline/pdf/H25_Life_Diet_guidance_manual.pdf



今まで"シュウ酸”に対する注意喚起は尿路結石に関する指導の上なされていた
https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0022/G0000634/0061

シュウ酸を多く含む食品として,葉菜類の野菜,タケノコ,紅茶,コーヒー,お茶(とくに玉露・抹茶),バナナ,チョコレート,ココア,ピーナッツ,アーモンドなどがある。 
シュウ酸を多く摂取しないための工夫
ゆでることと食べ合わせが重要である。シュウ酸は水溶性なので,ゆでることによって減らすことができる。ホウレンソウについては詳細に検討され,3 分間ゆでることでシュウ酸の除去量は37〜51%になること,おひたしにすると絞り汁の中に含まれるシュウ酸の約半分が喪失することが報告されている。また,食べ合わせについては,カルシウムと一緒に摂ることでシュウ酸の吸収を減らすことが報告されている。腸内でシュウ酸とカルシウムが結合し,吸収されずに便として排出される。また,特発性高カルシウム尿症に伴う再発性尿路結石患者でも,通常量のカルシウム摂取に加え,動物性蛋白質と塩分を控えることで結石の再発リスクを下げることができるとの報告がある。
逆に脂肪成分を多く含む食品の摂取により,脂質のうち吸収されずに腸内に残った脂肪酸とカルシウムが結合し,シュウ酸と結合すべきカルシウムが減少してしまうため,腸管からのシュウ酸の吸収が増加すると考えられ,注意をする必要がある。また,ラットでの検討だが,高カルシウム低脂肪ミルクは消化管からのシュウ酸の吸収を減少させ,結果的に尿中シュウ酸排泄を低下させたと報告されている。その一方で,魚油に多く含まれる多価不飽和脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)は,健常人の尿中シュウ酸の排泄を低下させたとの報告もある。 
シュウ酸の直接の前駆体を多く含む食品
さらに直接シュウ酸を含む食品ではないが,摂取された後,代謝されることで内因性にシュウ酸が生じる場合も念頭に置く必要がある。シュウ酸の直接の前駆体であるグリオキシル酸は,植物に多く含まれるグリコール酸から細胞内小器官のペルオキシゾームで産生され,また,総タンパク質の30%を占めるコラーゲンの13%を構成するヒドロキシプロリンから,ミトコンドリアで産生される。産生されたグリオキシル酸の一部は,細胞質内の乳酸脱水素酵素(LDH)によりシュウ酸に代謝されるので,野菜やコラーゲンを含む食品の大量の摂取は,シュウ酸の過剰産生をまねく可能性があり,注意すべき点である。
以上より,シュウ酸を多く含む食品やその前駆体の大量摂取は控えたほうがよいと考えられる。その一方で,特にシュウ酸を最も多く含むとされる食品は,ホウレンソウなど栄養価の高いものも多いので,尿路結石症患者はこの点にも注意しつつ,再発予防の観点で食習慣や調理法を見直し,励行すべきであると考えられる。




患者さんの家族がネットでみつけたそうだが・・・
「文旦の皮を食べると血圧の薬に影響を与える」
自家栽培の文旦の皮を漬物にして食べてたそうで・・・
検索すると、その通り!
https://www.fpa.or.jp/johocenter/yakuji-main/_1635.html

何かと問題ばかりが目立つネット情報だが、やはり重要な情報源であることは確かなようだ。

2019年3月4日月曜日

BGMは想像力を失わせる・・・ BGMは必ずしも正解ではない

薄々、そんな気がしてた ”音楽により、創造的な思考ができるか?って・・・

逆に、ものを考えなくても良い単純作業・運動ではよいのかもしれないし
妙なことをかんがえさせないための”スーパーのBGM”などには経営側には良いことだし
不安を抱えた病院滞在時の患者・家族・付き添いなどには良いことなのかもしれない

音楽を聴くと創造力が損なわれるという研究結果
2019年03月04日 08時00分 サイエンス


Background music stints creativity: Evidence from compound remote associate tasks
Emma Threadgold, et al.
First published: 02 February 2019 https://doi.org/10.1002/acp.3532

Google翻訳
BGMは人々の創造性を促進すると主張されてきた。以下3つの実験でBGMによる performance of Compound Remote Associate Tasks (CRATs)パフォーマンスへのインパクト調査

BGM
実験1: 外国の (なじみのない) 歌詞
実験2: 歌詞無しのインスツルメンツ音楽
実験3:   なじみの歌詞

清音状況に比べCRATパフォーマンスは全て有意に悪化


さらに、実験3では、ポジティブなmoodであっても、被検者が音楽存在かで学習したかどうかに関わらずBGMによりCRATパフォーマンス低下をもたらす

 これらの調査結果は、BGMが創造性を向上させるという見方について問題的
 聴覚障害の原因となるプロセス(プロセスによる干渉)と処理の邪魔なアカウントの観点から議論されています。




Music for anxiety reduction in patients undergoing cardiac catheterization: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.
Jayakar JP et al. Complement Ther Clin Pract. (2017)
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1744388117300762?via%3Dihub
心臓カテーテル施行患者においてBGMは簡便に導入でき、不安減少のため利用可能






コンディション悪かったマラソン時の音楽 ちっとも役立たなかったが、コンディション良かった2年前と練習時は役だった (奄美のさすらい千鳥)

2019年3月2日土曜日

久々にネクタイ着用してみたら・・・

ネクタイは汚い・・・という議論がある
Health care professionals' neckties as a source of transmission of bacteria to patients: a systematic review 
CMAJ Open, 2018 Jan-Mar; 6(1): E26-E30 
.There is weak evidence that neckties are contaminated with pathogenic (and nonpathogenic) bacteria. The level of evidence was weak and the studies were heterogeneous. 

ということで数年間ネクタイしてなかったのだが、
「だらしない」と思われないかと思い、最近試しに着用してみるようになって1ヶ月


本日朝、ネクタイ着用直後から、"depersonalization & visual symptom"を自覚、視覚からの情報を統合できず労務困難となった 違和感を感じ、ネクタイを外し、2時間後完全回復。

思い起こせばcarbo-loading施行中の昨日中華料理店で炭水化物多く摂取し、帰宅時吐き気を感じた(Chisense Restaurant Sydromeを疑いつつ自然回復、でも脳内グルタミン酸って食事由来ではないらしいのでこの症候群の存在否定的だと認識はしている)。いずれにせよ、吐き気など感じたあとで、vagal tone亢進していた。

頚部の神経系圧迫による頚部迷走神経→瞳孔への影響、簡単にいえばvago-vagal reflexと判断したのだが・・・
https://www.aana.com/docs/default-source/exec-unit-aana-com-web-documents-(all)/archives-library/vagal-reflexesa86528731dff6ddbb37cff0000940c19.pdf?sfvrsn=409a45b1_2



私のは違うと思うのだが・・・・脳血流減少を警告している報告がある

Should you stop wearing neckties?—wearing a tight necktie reduces cerebral blood flow
Neuroradiology August 2018, Volume 60, Issue 8, pp 861–864

当面、ネクタイは遠慮しておこう!

高齢者スタチン治療の安全性と有効性

全ての年齢層で血管イベント減少効果はある
問題は、75歳以上の一次予防・・・というのが結論か?


Efficacy and safety of statin therapy in older people: A meta-analysis of individual participant data from 28 randomized controlled trials
The Lancet — Armitage J, et al. | February 04, 2019
Open AccessPublished:February 02, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(18)31942-1


【背景】スタチン治療は広い対象において重大血管イベント及び血管原因死亡減少をもたらすことが示されているが、高齢者に於ける有効性安全性については不明確。
大規模スタチントライアルからのデータメタアナリシスで異なる年齢でスタチン治療の有効性比較


【研究方法】 このメタアナリシスでは、2年以上の期間1千名以上登録予定のスタチン治療のランダム化トライアル
スタチン治療 vs 対照の22トライアル(n=134,537)の個別データと強化治療 vs 非強化スタチン治療の1つのトライアルと詳細サマリーデータ(n=12 705)解析+強化治療 vs 非強化治療比較の5つのトライアル(n=39 612)の個別データ
6つの年齢群(55歳以下、56-60歳、61-65歳、66-70歳、71−75歳、75歳超)に分けた
LDL 1.0 mmol/L減少毎の 重大血管イベント(ie, 重大冠動脈イベント、卒中、冠動脈再建)、原因別死亡率、がん発生率への影響推定
(訳註:LDLコレステロール LDL LDL Cholesterol mg/dL x0.02586 mmol/L)

2群以上の群の場合2群傾向比較heterogeneity検証のため標準χ2検定を利用し年齢群毎比例リスク減少比較


【結果】ランダム施行時 186 854被検者中 14 483(8%)が75歳超、フォローアップ中央値 4.9年間。

全体的に、スタチン強化以上の治療レジメン以上はLDL 1.0 mmol/L減少毎重大血管イベント 21%減少 (RR 0.79, 95% CI, 0.77 - 0.81)

重大血管イベント減少は全ての年齢群で観察される。
重大結果にベント比例減少は年齢とともに軽度元素府、この傾向は統計学的に有意ではない   (ptrend=0·06)

全体的に、スタチン強化治療以上では、LDL 1.0 mmol/L減少毎 冠動脈疾患比例減少率 24% (RR 0.76, 95% CI, 0.73 - 0.79)で、年齢増加毎重大冠動脈イベントの比例減少率小さくなる傾向がある(p = 0.009)



スタチン強化治療以上では、LDL 1.0 mmol/L減少毎 冠動脈再建術施行25%比例減少 (RR 0.75, 95% CI, 0.73 - 0.78)、之は年齢群横断的差は有意ではない (ptrend=0·6)

同様に、全ての病型を含む卒中の比例リスク減少(RR 0.84, 95% CI, 0.80 - 0.89)も年齢群横断的差は有意でない (p trend =0.7)

心不全・人頭石施行のみ登録の(効果性認めない)4トライアル除外後、重大冠動脈イベントに関して年齢増加毎比例リスク減少軽減傾向あり(ptrende = 0.01)、重大血管イベントでは有意差認めず (ptrend = 0.3)

年齢群で変化せず、事前血管疾患存在患者でも重大血管イベントの比例的減少は同様だが、血管疾患の知られてないより若年年齢群に比べても高齢年齢群では効果より少ないI(ptrede = 0.05)

、LDL 1.0 mmol/L減少毎 血管イベント死亡比例減少率 12%(RR 0.88 , 95% CI, 0.85-0.91)で、高齢者においてその比例減少より小規模となる傾向 (ptrend=0.004)、だが、心不全・透析トライアル除外後はその傾向は維持できず(p=0.2)


スタチン治療は、非血管性死亡率、がん死、がん発生率に対しては効果認めず


【結論】
スタチン治療は重大血管イベントに関しては年齢にかかわらず有意な減少効果を示すが、75歳超患者では、閉塞性血管疾患のエビデンスを有さない場合、ベネフィット直接エビデンス減少。今後この限界に関して将来トライアル検討




"Research in context"をGoogle翻訳
この研究の前の証拠
このメタアナリシスの前は、高齢者におけるスタチン療法の効果に関する無作為化試験から得られた証拠は、公表された報告からの集計データのメタアナリシスでしか要約されていなかった。 1996年1月1日から2017年12月31日までの間に発行された英語の出版物をMEDLINE、Embase、およびPubMedで検索し、検索用語「statins OR HMG CoA還元酵素阻害剤」および「Elderly OR Aged」を使用して検索しました。高齢者(一般に65歳以上と定義される)の間で効力の相反する評価を用いた分析。個々の参加者データへのアクセスの欠如のために、これらの以前のメタアナリシスのいずれも、一次予防および二次予防における特定の高齢者グループ(例えば、> 75歳)内のスタチンの効果を調べることができなかった。我々は以前に年齢によるスタチンの効果のメタ分析を報告したが、これらの分析は範囲が制限されており、年配の個人を含むいくつかの大規模な無作為化試験が発表されてから報告されている。
この研究の付加価値
27件のランダム化比較試験(n = 174 149)からの個々の参加者データと1件の試験(n = 12 705)からの詳細な要約データを分析した。 4・9年間の追跡調査の間、75歳以上の14,483人の参加者を含む、1.0mmol / LのLDLコレステロールの減少あたり約5分の1まで、すべての年齢層の間で主要な血管事象はスタチン療法によって有意に減少した。ランダム化高齢のグループは心不全および透析試験(スタチン療法による全体的な利益を示さなかった)で過度に代表され、それらの試験を除外すると血管イベントおよび死亡率転帰における相対リスクの減少が減少する傾向が見られた。すべての年齢層(無作為化で75歳以上のものを含む)で主要冠動脈イベントの有意な減少が見られたが、心不全および透析試験を除外した後でも、年齢の増加とともにより小さい相対的減少の傾向は持続した。しかし、これらの事件の絶対的リスクは高齢者でより高かったので、絶対的な利益はより若くてもそうではないにしても、類似していました。以前の血管疾患を有する参加者の間で年齢に関係なく有意な有効性が観察されたが、一次予防設定では年齢の増加と共に相対リスクの減少がより小さくなる傾向があった。 。以前の懸念にもかかわらず、我々はどの年齢層においても癌または非血管死亡率に悪影響を及ぼさなかった。
利用可能なすべての証拠の意味
スタチンは年齢に関係なく、75歳以上の人々を含む血管イベントを減少させました。一次予防の設定では、75歳以上の人々の間では、スタチン療法の効果の証拠はほとんどありません。進行中の試験はこのグループを直接調査しています。

2019年2月28日木曜日

マスト細胞:肺線維症の進展に関与

IPF経過中好酸球増加

Mechanical stress-induced mast cell degranulation activates TGF-β1 signalling pathway in pulmonary fibrosis
Shimbori C, et al. Thorax 2019;0:1–11.
doi:10.1136/thoraxjnl-2018-211516



実験的あるいはヒト肺線維症の線維性細胞外マトリックス(fibrotic ECM)のマスト細胞への影響検討

IPF肺において、マスト細胞数増加し重症度(FVC減少)と関連
血中tryptase値はIPFで増加し、FVCと逆相関

TGF-β1有機性肺線維症モデルで、chymase-陽性、tryptase陽性マスト細胞の線維肺への集積観られた
肺組織を脱細胞化し、骨髄・腹膜由来マスト細胞をreseedすると正常ECMに比べTGF-β1多く遊離
(活性化TGF-β1:骨髄由来マスト細胞(BMMC)-DL vs BMMC-TGF-β1 p=0.0005、
腹膜マスト細胞(PMC)-DL vs PMC-TGF-β1 p=0.0003、
総TGF-β1:BMMC-DL vs BMMC-TGF-β1 p=0.001)

肺の器械的進展は、マスト細胞脱顆粒を生じる;マスト細胞stabiliserは脱顆粒抑制(ヒスタミン :対照 vs doxantrazole p=0.004、β-hexosaminidase: 対照 vs doxantrazole 差平均=1.007, 95% CI 0.27000 to 1.744, p=0.007)、TGF-β1活性化(pSmad2/Smad2: 対照 vs doxantrazole p=0.006)

Cromoglycateはラットの肺線維化減衰(コラーゲン: phosphate-buffered saline (PBS) vs cromoglycate p=0.036, 線維領域 PBS vs cromoglycate p=0.031)





序文:(いつもの手抜きGoogle翻訳)

特発性間質性肺炎の最も一般的な形態である特発性肺線維症(IPF)は、原因不明の慢性かつ致命的な疾患です。ニネタニブとピルフェニドンは最近、IPF治療のためにいくつかの国で承認されました。 IPFの治療において重要なマイルストーンを提供する一方で、これらの治療法は減速することに限定されますが、病気の進行を止めることはありません。

したがって、IPFの細胞性および分子性の病因に焦点を当てて、より的を絞った治療法が必要とされているが、それはよく理解されていないままである。 IPFは、進行性の線維芽細胞および筋線維芽細胞の増殖ならびに細胞外マトリックス(ECM)の広範な無秩序な沈着を特徴とし、その結果肺胞構造が破壊される。線維芽細胞および筋線維芽細胞は、ECMの過剰な沈着の原因となるマトリックス産生細胞である。この異常で無秩序なECM沈着は、肺の構造的完全性を破壊し、異常な生体力学的および生化学的特徴を引き起こす。
線維性ECM内に形成された微小環境が2つの構造肺細胞の挙動に影響を及ぼしそして線維症の悪循環を形成するという証拠が増えている。

肥満細胞は骨髄中のCD34発現造血幹細胞に由来します。
ヒト肥満細胞は、不均一性を示し、そしてそれらのセリンプロテアーゼ含有量によって、トリプターゼのみ、キマーゼのみ、またはトリプターゼ陽性およびキマーゼ陽性の両方の肥満細胞として分類される。 トリプターゼ陽性肥満細胞はげっ歯類粘膜型肥満細胞といくつかの性質を共有している。粘膜肥満細胞は通常、肺や腸の粘膜組織に見られ、主にトリプターゼを発現します。一方、げっ歯類の結合組織肥満細胞と特徴を共有するトリプターゼ陽性およびキマーゼ陽性肥満細胞は、主に腸粘膜下組織の結合組織、腹腔、周囲の血管および皮膚に見られます。しかしながら、組織分布はげっ歯類の場合ほど明確には画定されておらず、ほとんどのヒト組織は肥満細胞型の混合集団を有する。

肥満細胞は、アレルギー性疾患や急性炎症性疾患の主要なエフェクター細胞として最もよく知られていますが、肥満細胞は線維症と関連すると推測されています
肥満細胞を線維芽細胞と共培養すると、線維芽細胞の増殖、遊走、コラーゲン産生、α平滑筋アクチン(α-SMA)発現、およびトリプターゼ、ヒスタミン、ロイコトリエンおよびレニンによる線維芽細胞収縮が誘導されることが示されています。
 さらに、線維芽細胞は肥満細胞を養う幹細胞因子(SCF)を産生します9。これらの知見は肥満細胞と線維芽細胞の間の密接な相互作用を浮き彫りにしています。
キモトリプシンセリンプロテアーゼである肥満細胞由来のキマーゼも潜在性TGF-β1を活性化することができます。
TGF-βは、線維芽細胞の活性化および筋芽細胞への線維芽細胞分化の誘導を介した肺線維症の発症における最も強力な線維化促進因子の1つです。
したがって、キマーゼは、潜在的TGF - β1活性化を介して線維芽細胞増殖およびコラーゲン合成を誘導することができ、肥満細胞の活性化および脱顆粒は、直接的および/または間接的に組織線維症に寄与し得る。肥満細胞とIPFの関連は、古くからある研究と新しい研究の両方のトピックです。増加した数の肥満細胞がIPFまたは実験的肺線維症モデルにおいて線維性肺組織に存在することが長い間知られている。

それにもかかわらず、肥満細胞は、線維形成中の他の細胞ほど広くは研究されておらず、そして肺線維症の進行におけるそれらの役割は追求されていない。

本研究では、肥満細胞と線維性ECMとの相互作用および肺線維症発症における肥満細胞の病態生理学的役割の影響を評価した。線維性肺のマトリックス微小環境が肥満細胞の表現型と機能をどのように制御するかを理解することは、IPFの治療選択肢としてその細胞を標的とするための新たな機会を提供するかもしれません。

重症患者の高酸素血症毒性

酸素は上げれば良いってもんじゃないってのは昔っからなのだが・・・


The effect of hyperoxia on mortality in critically ill patients: a systematic review and meta analysis
Yue-Nan Ni†, et al.
BMC Pulmonary Medicine201919:53
https://doi.org/10.1186/s12890-019-0810-1

背景
重症患者の高酸素血症の意義研究は多くのconflictingな結果となっている。ICU入室患者の高酸素血症の影響を明らかにする研究

方法
電子データベースにてこICU入室成人患者の高酸素血症の役割について全ての研究を検索
プライマリアウトカムは死亡率。Randam-effect modelは補正オッズ比(aOR)の定量合成

結果
24トライアル同定、統計学的heterogeneityが高酸素血症、正常酸素血症で存在するのは、人工換気(I2 = 92%, P<0.01) 、心停止(I2 = 63%, P<0.01) 、外傷性脳外傷I2 = 85% , P< 0.01) 、心臓術後(I2 = 80%  , P=0.03)

正常酸素血症比較、高酸素血症は全患者で死亡率増加、サブグループとして、心停止(OR 1.30, 95% CI 1.08 - 1.57)、体外life support (ELS) (OR 1.44, 95% CI< 1.03 - 2.20)
Compared with normoxia, hyperoxia was associated with higher mortality in overall patients (OR 1.22, 95% CI 1.12~1.33), as well as in the subgroups of cardiac arrest (OR 1.30, 95% CI 1.08~1.57) and extracorporeal life support (ELS) (OR 1.44, 95% CI 1.03~2.02).


結論
高酸素血症はI重症患者の死亡率増加をもたらす、特に、心停止後及びELS患者では





「無知な医療者ほどサーチとかいうのを上げたがる」という田舎開業医のやぶにらみ


高酸素血症毒性に関する序文記述;上記医療関係者に言い聞かせましょう!
組織病理障害・間質性線維化・無気肺(脱窒素無気肺)・気管気管支炎、肺胞蛋白漏出・好中球浸潤、メカニカルな組織伸張による陽圧換気肺障害促進、心拍出量低下、冠動脈/心筋酸素消費量減少、多臓器フリーラジカル介在障害、感染防御免疫低下、抗酸化酵素・サイトカイン産生への種々影響、アポトーシス促進(一部高酸素による肺障害促進)など

  • Animal studies showed that hyperoxia is associated with adverse events such as histopathological injury, interstitial fibrosis, atelectasis, tracheobronchitis, alveolar protein leakage and infiltration by neutrophils [3]. 
  • Hyperoxia interacts with mechanical stretch to augment ventilator-induced lung injury [4]. 
  • Moreover, hyperoxia could also lead to a decline of cardiac output, [5] coronary blood flow and myocardial oxygen consumption, [6] and generate free radical-mediated damages in various organs [7]. 
  • Studies in human demonstrated that hyperoxia could impair the responsiveness of host defense to infections [8]. 
  • Hyperoxia may affect a variety of patients’ biological systems, such as antioxidant enzymes [9] and cytokine production [10] through excessive production of reactive oxygen species. 
  • Exaggerated apoptosis, in part through the death receptor-mediated signals, accelerates hyperoxia-induced acute lung injury [11]. 


”意味の乏しい”医療処置と院内発生合併症

low valueというとこの場合は、”意味の乏しい”医療処置ということになるのだろう
裏返せば、各手技、適応を明確に・・・ということに


Measuring hospital-acquired complications associated with low-value care
JAMA — Badgery-Parker T, et al. February 27, 2019

このコホートとdescriptive analysisにより9,330の"low-value use of seven procedures"エピソード評価

"low-value care"として7つを提示


意義の少ない処置 狭義定義 推奨ケア
変形性関節症または変性半月板裂傷に対する関節鏡洗浄および膝の創面切除術(CWA、EVOLVE、CWUS、NICE) 変形性関節症診断患者の膝関節鏡視下手術、靱帯のstrainや損傷診断無し、敗血症性(化膿性)関節炎診断無し、55歳、両性を含む 減量 理学療法/作業療法 疼痛軽減薬剤
平均寿命が限られている無症候性のハイリスク患者に対する頸動脈内膜剥離術(CWA、EVOLVE、CWC、CWUS) 卒中や局所神経症状(エピソード及びASA code 4-5、もしくは 75歳以上&ASA code 3)無し症例への頸動脈endarterectomy、18歳以上、両性、 最良となるべき内服加療
50歳未満の人の便秘に対する大腸内視鏡検査(CWC) 50歳未満の便秘診断患者、貧血診断無し、消化器系がんの家族・本人の既往無し、事前12ヶ月消化器系疾患のない場合へのcolonoscopy;18歳以上、最大年齢49歳;両性 アラーム徴候無しでは検査自体が必要ない
55歳未満の人々の消化不良のための内視鏡検査(CWC) 消化不良の診断があり、嚥下障害、鉄欠乏性貧血、その他の栄養性貧血、異常な体重減少、消化器系がんの個人歴または家族歴、または消化性潰瘍疾患の個人歴の診断なしの55歳未満の内視鏡検査12カ月。 18歳以上最大年齢、54歳。男女 Helicobacter pyloriを検査し、もしあれば治療。 治療が不要で症状が残る場合は、プロトンポンプ阻害薬をtry
腎臓下腹部大動脈瘤(CWC)の血管内修復 エピソード中の腹部大動脈瘤およびASAコード4〜5または75歳以上およびASAコード3の診断による動脈瘤の血管内修復。最低年齢、18歳。男女;緊急入院および緊急部門からの入場を除外する 介入なし
腎動脈血管形成術またはステント留置術(Technology Policy 21) 腎血管性高血圧症、腎動脈のアテローム性動脈硬化症、高血圧性腎臓病、または発症時の高血圧性心臓および腎臓病の診断を伴う血管形成術/ステント留置術、および線維筋形成異常または肺水腫の診断なし。最低年齢、18歳。男女 多要素内服治療
腰痛に対する脊椎固定術(CWA、CWC) 過去12カ月以内に坐骨神経痛、脊椎すべり症、脊椎異常、または脚の痛みの言及がなく、腰痛と診断された脊椎固定術。最低年齢、18歳。男女 保存治療



これらの処置に関わる院内発生harmを検証し、55エピソードの”意義乏しい”spinal fusion(脊椎固定術)、3,963エピソードの”意義乏しい”膝関節鏡

これら7つの手技は、一定数の患者へ有害性のためなされてはいけないもので、更なる付加的病院リソース消費増加を生じる。適切なサービスであろう他のケアに着手する遅れを生じることもある

descriptive analysis、225公的病院(オーストラリア、New South Wales)
2014年7月1日〜2017年6月30日まで、3つの病院の入院データ使用、low-value care1つ以上含む93,30のエピソード評価
low-value care関連有害性の測定は16のhospital-acquired complications (HACs):院内発症合併症
すべてのHAC関連比率、llow-value ccareによる平均滞在数のHACs有無による差、手技実践毎の差検証

結果:全体として、"low-value"careについて225病院、9,330のエピソード、以下の手技実践がHACs低率と関連

  • low-value 内視鏡 (4 [0.1%] エピソード; 95% CI, 0.02%-0.2%)
  • 膝関節鏡視下手術 (18 [0.5%] エピソード; 95% CI, 0.2%-0.7%)
  • コロノスコピー (2 [0.3%] エピソード; 95% CI, 0.0%-0.9%)


HACs高率は

  • low-value 脊柱固定 (4 [7.1%]  エピソード; 95% CI, 2.2%-11.5%)
  • 腹部大動脈瘤の血管内修復 (76 [15.0%]  エピソード; 95% CI, 11.1%-19.7%)
  • 頸動脈内膜剥離術  (21 [7.7%]  エピソード; 95% CI, 5.2%-10.1%),
  • renal artery angioplasty (15 [8.5%]  エピソード; 95% CI, 5.8%-11.5%).


多くの手技施行において、医療関連感染が最も多いHACとして検出され、全てのHACsの26.3%(95% CI, 21.8% - 31.5% )


renal artery angioplastyは、医療関連感染症率として 8.4% (95% CI, 5.2% - 11.4%)で観察された中では最も高率
7つ全ての"low-value"医療手技施行において、HACを有する患者は無い場合の2倍以上の入院期間となった
例えば、膝関節鏡視下手術では、HACs無し患者の入院期間は 1(IQR , 1 - 1)、HACの場合 10.5(IQR 1.0-21.3)日増加する




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