老人ナーシングホーム居住者の向精神薬に関係する死亡リスク
Differential risk of death in older residents in nursing homes prescribed specific antipsychotic drugs: population based cohort study
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e977 (Published 23 February 2012)
Cite this as: BMJ 2012;344:e977
住民ベースコホートのデータ( Medicaid, Medicare, the Minimum Data Set, the National Death Index, and a national assessment of nursing home quality)
7544名の新規向精神薬( (haloperidol(セレネースなど)、 aripiprazole(エビリファイ)、 olanzapine(ジプレキサ)、 quetiapine(セロクエル)、 risperidone(リスパダールなど)、 ziprasidone(日本認可無し:住友?))使用のメディケイド、2001-5年のナーシングホーム居住
180日の全原因・原因特異的死亡率へのCox比例ハザードモデルを用いた各薬剤のリスク比較で、寄与要素propensity score補正
リスペリドンに比べ、ハロペリドールは死亡率リスク増加 (hazard ratio 2.07, 95% confidence interval 1.89 to 2.26)
クエチアピン使用はリスク減少と関連 (0.81, 0.75 to 0.88)
この影響は治療開始後すぐが最も強く、投与量補正後も変わらず関連性は残存し、全死亡原因と関連する。
臨床的意味のある差は他の薬剤では見られず、認知症・行動異常を有する患者への有効性効果のエビデンスもない。クエチアピン以外の全薬剤に量反応関係が見られる。
この報告では、他の交絡要素を否定できないため、即断は避けた方がよいということが結論に書かれている。
ただ、投与量が多いほど、向精神薬、特に、ハロペリドールは死亡率増加と関与することは重要。
この報告だと、例外は、クエチアピン(セロクエル)
リスペラドン、オランザピン、アリピプラゾールといった薬剤の心血管イベントリスク増加の報告もあり、FDAは、非定型抗精神病薬が認知症を有する高齢者RCTにおいて60-70%死亡リスク増加させるという2005年に助言警告している。安全に関わる情報提示にかかわらず、ナーシングホームにおける抗精神病薬使用状況は米国でも変わってない。それは、使用せざる得ない状況が存在するからに他ならない。
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