2014年11月1日土曜日

急激な減量だと、体重すぐ元に戻るってのは嘘

過度な急激な減量は確かに危険性を具有するのだろうが、減量指導について、科学的根拠なく、個別的妄想で指導する連中がいる。テレビラジオでのこの種の放送を聞くと、視聴に耐えられない内容も多い。


その中の一つ、急激な減量ではすぐ肥満に復帰するというもの





The effect of rate of weight loss on long-term weight management: a randomised controlled trial
The Lancet Diabetes & Endocrinology, Early Online Publication, 16 October 2014

2つのフェーズ、ランダム化非マスク化、食事介入トライアル(メルボルン)
204名の被験者(男 51名、女 153名、 18-70歳)、 BMI 30-45

第1相:ブロックデザイン(性、年齢、BMIに基づく、ブロックサイズ 2、4,6):1:1割り付け、 
12週間の急激減量 or  36週間の段階的プログラムにランダム割り付け

第2相:第1相にて体重12.5%以上の減量にて144週間の体重維持食を被験者に施行

プライマリアウトカムは、第2相144週めのI平均体重減少維持評価
完遂対象者のみプライマリアウトカム検討、ITT解析


段階的減量割り付け、急速減量割り付けはそれぞれ103名、97名(2008年8月8日から2010年3月9日)

第1相試験後、段階的減量群 51名、50% 、 急速減量群 76(81%)にて12.5%の減量到達

これらを第2相の対象者とする

第2相終了後、研究完遂は、段階的減量群 n=43 、 急速減量群 n=61で、減量分の多くが以前に復帰(段階的減量群 71.2% , 95% CI 58·1—84·3 vs 急激減量群70.5% , 57·8—83·2)


ITT解析でも同じ結果  (段階的減量群  76·3% regain, 95% CI 65·2—87·4 vs 急激減量群 76·3%, 65·8—86·8)


第1相では、急激減量群1名で胆嚢炎(胆嚢摘出術必要)、第2相では2名でがん発症。

結論:

減量率は144週間の体重復帰比率と関連せず、これらの所見は、現行の食事指導ガイドラインとは一致せず、緩徐減量が急速減量より優れるという根拠がない。従来は急激な減量は急激に元の体重へというのは否定的。

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