2015年5月22日金曜日

高齢者脂質低下薬剤により卒中30%減少の可能性

スタチンだろうが、フィブラートだろうが、脂質低下薬剤を用いると高齢者において、卒中イベントを3割もへらせることができる可能性を示唆するコホート研究


あくまでもコホート研究であるため評価には十分配慮が必要。心臓疾患リスク減少につながらないということはちょっとした驚き。
しかし、高齢者卒中予防のための一次予防に関して寄り評価すべきという結論には成だろう




Primary prevention with lipid lowering drugs and long term risk of vascular events in older people: population based cohort study
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h2335 (Published 19 May 2015)
Cite this as: BMJ 2015;350:h2335


【目的】 血管イベント既知病歴無しの高齢者での脂質低下薬剤(スタチンあるいはフィブラート系薬剤)使用と冠動脈及び卒中長期リスクの関連性を決定

【デザイン】 1999-2000年登録コホート研究をベースとしたongoingな前向き住民、5回の対面調査

【セッティング】 65歳以上の地域居住住民ランダムサンプル、フランス3都市 (Bordeaux, Dijon, Montpellier)

【被験者】 7484 名、男女63%)、平均年齢73.9歳、エントリー時血管イベント既往既往なし、平均フォローアップ9.1年間

【主要アウトカム測定】 ベースライン脂質低下薬剤使用者と非使用者比較冠動脈疾患・卒中補正ハザード比を関連性示唆寄与多要素補正Cox比例ハザードモデル。ハザード比は薬剤種類を問わない脂質低下薬剤使用と、スタチン・フィブラート製剤毎推定。

【結果】脂質低下薬剤使用者は、非使用者に比べ、卒中リスク減少 (ハザード比 0.66, 95% 信頼区間 0.49 to 0.90); 卒中ハザード比はスタチンで 0.68, 0.45 to1.01、 フィブラート系で 0.66, 0.44 to 0.98)

脂質低下薬剤使用と冠動脈疾患との相関性認めず  (ハザード比 1.12, 0.90 to 1.40)

卒中、冠動脈性心疾患とも、年齢、性別、BMI、高血圧、収縮期血圧、TG、Propensityスコアによる層別化でもこれらの因子により影響は示されず。

【結論】 血管イベント病歴無しの高齢者住民ベースコホートで、スタチン、フィブラート使用は30%ほど卒中イベントを減少させる。




 反スタチン・コレステロール賛美イデオロギーってのは他の薬害原理主義と同様薬効ベネフィットをそぐものである。スタチンによる治療ベネフィットが示されている以上、一方的に有害性を主張し続ける医療関係者は国民一般の利益を遺失させてるということも考えた上で著作・発現を行わなければならないはず・・・


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