2012年2月12日日曜日
妊娠中化学療法:神経発達・身体成長への影響少ない。ただ早期産を避けなければならない
ここ10年、妊娠中の母体への化学療法に関して許容的となってきたわけだが、子供への心臓、神経発達アウトカムへの影響がはっきりしているわけではなかった。
多施設観察研究コホート研究
子供の誕生時、18ヶ月、5-6歳、8-9歳、11-12歳、14-15歳、18歳時、認知機能全般、心電図、心エコー評価、全身健康一般・発達に関するアンケート
結論としては、化学療法の胎児暴露は、一般住民と比較して、中枢神経、心臓、聴覚合併症、全身発達障害、成長障害に関し相関を認めないということ。しかし、心臓・認知機能に関して軽度変化に関しフォローアップ長期必要。妊娠期間が短くなることがあり、それが認知機能障害と相関することがある。故に、医原性早期産介入は避けるべき。
Long-term cognitive and cardiac outcomes after prenatal exposure to chemotherapy in children aged 18 months or older: an observational study
The Lancet Oncology, Early Online Publication, 10 February 2012
化学療法236サイクル68妊娠
70の子供、妊娠中央値35.7週(range 28.3-41.0; IQR 3.3; 47名女性 <37週)、22.3ヶ月フォローアップ中央値(range 16·8—211·6; IQR 54·9)
神経認知アウトカムは正常範囲だったが、認知機能発達は、満期産に比べ早期産では認知発達スコア低下。
年齢、性別、国対照にて、 IQスコアは、妊娠付加月数増加ごとにIQスコア増加 11·6 ポイント (95% CI 6·0—17·1) (p<0·0001)
行動、全身健康状態、聴力、成長に関する測定値は、一般のそれと一致。 心臓dimensionや機能は正常範囲。
1双生児で重度神経発達遅滞を認めた。
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