2012年2月20日月曜日

急性胸痛:ニトログリセリン“治療的診断”は意味が無い




あくまでも、急性状況での胸痛に対する“ニトログリセリン”治療的診断の臨床的価値の検討。


Review
Diagnostic accuracy of nitroglycerine as a ‘test of treatment’ for cardiac chest pain: a systematic review
Emerg Med J 2012;29:173-176 doi:10.1136/emj.2010.103994 


心原性胸痛の診断に、ニトログリセリンを用い、治療的診断( ‘test of treatment’)を行うことがある。この診断の正確性に関する検討。
PubMed、 Cochrane Database、 Google Scholar、 Science Citation Index、 EMBASEとマニュアル検索を含めて文献検索。舌下ニトログリセリンが指標として用いられ、患者の胸痛スコアへの効果、最低80%で参照となる検査がなされている場合検討。2x2分割表。
5つの研究で、急性状況 (一つはフォローアップデータではあるが、急性状況下なので対象).

感度は35%-92%、特異度は12%-63%とばらつき

しかし、一つを除いてすべて、、 Youden indexは、ゼロに近く、ニトログリセリン反応性は、診断検査としては有用でない。 

研究複合感度は  0.52 (95% CI 0.48 to 0.56) 、研究複合特異度は 0.49 (95% CI 0.46 to 0.52)

研究複合からの診断ORは  1.2 (95% CI 0.97 to 1.5)で、1と有意な差は無い。

急性状況下で、ニトログリセリンは、冠動脈疾患に対して信頼できる"test of treatment"とは言えない。

しかし、繰り返す運動誘発性胸痛のニトログリセリンへの診断正確性には別に検討が必要



Youden Index : http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/kid/clinicaljournalclub6.html 参照

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