2012年2月18日土曜日

概日リズム:TLR9・適応免疫反応 感染症増悪・免疫の概日リズム形成

ミクロフィラリアの夜間強周期ってのが有名で、夜中の検出率が高いのは知られている。また、がん化学療法での概日リズムの影響も知られているところである。

以下の明暗室モデルは、19:00が夜中(12:00-24:00)、 7:00が昼間(0:01-12:00)を想定している。19:00は丑三つ時?免疫応答上はこの時間帯のワクチン有効?(誰がするのだろう?)。しかし、感染に関しては重症化と関連する時間帯?

The Circadian Clock Controls Toll-like Receptor 9-Mediated Innate and Adaptive Immunity
Adam C. Silver, Alvaro Arjona, Wendy E. Walker, and Erol Fikrig
Immunity, 16 February 2012


概日リズムは24時間周期の生物学的プロセスに関連。このリズムは、分子時計により維持され、環境上の変化の周期性に、ホメオスタシス過程を同調させるtemporal matrixをもたらし、概日分子時計はTLR9(Toll-like receptor 9)の発現・機能を調整する。

TLR9リガンド・アジュバント・ワクチンモデル・TLR9 応答促進マウスで、adaptive immune response(適応免疫反応)改善が数週後見られる。

TLR9-依存敗血症モデルでは、疾患重症度は敗血症導入時間に依存し、TLR9発現・機能の日内変化に 一致する。

これらの所見は、概日リズムとinnate immune system(自然免疫応答)の直截な分子的リンクがあり、免疫予防・免疫治療の重要性を示唆する。



要約では意味不明なので・・・

解説記事(http://www.medpagetoday.com/InfectiousDisease/Vaccines/31235)を概訳


臓器の分子応答はヒトでもマウスでも、病原体侵襲に対して、概日リズムをもってコントロールされているという報告

免疫蛋白として知られている、TLR9の24時間明暗周期高低時間での感染暴露実験で、TLR9発現が底(nadir)の時点でより重度の敗血症を生じることを Erol Fikrig ( Yale University)らが示した。



特に、19:00(高TLR9活性時)暴露で、死亡迅速 (at 31 hours versus 45 hours, P<0.05)、疾患スコア高値 (P<0.001) 、低体温 (P<0.01)となりやすいと、07:00(低TLR活性時)比較 

照明の強度により神経内分泌シグナルを通して生物学的システムに影響を与える概日リズム。
時差などの 概日ルーチンの阻害が免疫系に負の影響をあたえる可能性を強く示唆。さらに特定の疾患、敗血症、関節リウマチのような免疫変化に関わり、時間による症状変化がみられる疾患もあるり、夜間には免疫マーカーが特に高値となることが知られている。

分子レベルでの免疫概日リズムの影響を研究するため、Fikrigのグループは、体内時計遺伝子発現ピークとTLR9の発現の変動を調査した。

午前0:01から12:00まで照明かごに置き、次の12時間暗室に置く。

マウスの脾臓細胞のTLR9蛋白は、19:00時点は07:00時点より 有意に低値(標的臓器への移動?)
 これら 2ポイント時点2時間後、DNA immunostimulantを暴露し、TNF-α、CD80、CD86などのmRNA発現が、19:00暴露群で高いことが分かった。


2つのタイミングでのワクチン投与の影響、TLR9発現高レベル・低レベル時間での免疫刺激物質とともに注入検討。
2週後、マウスは免疫ブースター効果を示す。
19:00ワクチンマウスはよりインターフェロンγ、TLR9蛋白産生を多く生じる。
TLR9応答の日内変動は適応免疫応答の程度の影響を長期示す。

 敗血症実験において、1群は盲腸に、共生的バクテリアへの腹膜での反応を、07:00と19:00行い、もう片方の群で、sham手術比較。sham群は死亡無し、敗血症証拠無し。免疫発現の低い時間帯で生存率悪いだけでなく、IL-6、ケモカイン、MCP-1も増加した。









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