糖尿病治療はまずメトホルミンが使えるかどうかを判断して、使えない場合どうするかと考える のが日本以外の糖尿病治療。故に、順番として、メトホルミン治療の次はどうすか・・・がテーマとなる。
次にアドオンするのは、SU剤(アマリール等)とするか、GLP-1アナログ自己注射(ビクトーザ皮下注)とするか・・・というのは大事なテーマ。
2型糖尿病患者は年月と共に、進行性に血糖コントロール悪化する。第1選択薬 メトホルミン治療失敗後の治療オプションに関して議論がある。そのため、 add-on exenatide と glimepirideを比較。
Exenatide twice daily versus glimepiride for prevention of glycaemic deterioration in patients with type 2 diabetes with metformin failure (EUREXA): an open-label, randomised controlled trial
The Lancet, Early Online Publication, 9 June 2012
doi:10.1016/S0140-6736(12)60479-6http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2812%2960479-6/abstract
オープンラベルランダム化対照化128センター(14ヶ国) 2006年9月5日~2011年3月29日
2型糖尿病 18-85歳(メトホルミン治療不適)をランダムに割り付け
・1日2回 Exenatide
vs
・1日1回 Glimepiride
プライマリアウトカムは、血糖コントロール不良・代替治療必要状態(治療3ヶ月後 HbA1c 9%超、6ヶ月後続けて2回7%を越える場合)
ITT分析
ランダムに、Exenatide群 515、 Glimepiride 514名、ITT分析で、490 vs 487検討
治療失敗:Exenatide群 203(41%) vs Glimepiride群 262(54%) (risk difference 12.4 [95% CI 6.2—18.6], hazard ratio 0.748 [0.623—0.899]; p=0.002).
HbA1c 7%未満 到達: Exenatide群 218/49(44%) vs Glimepiride群 150/487(31%(p<0.0001)
HbA1c 6.5%以下到達: Exenatide群 140(29%) vs Glimepiride群 87(18%) (p=0.0001)
体重減少:Exenatide群 > Glimepiride群 (p<0.0001)
治療非関連死はそれぞれ5名
交感神経系関連、夜間・非夜間低血糖は有意にExenatide群の方が少ない (p<0.0001、p=0.007、p<0.0001)
副作用薬剤中止は、6ヶ月時点までは有意にExenatide群多い(p=0.0005)が、それ以降は差は認めない。
長期使用が念頭とされるので、ビクトーザ注のadd-onの方がコントロールにおいては優れていることとなる。
コストや短期的副事象などの複合的判断が必要となるだろうが・・・
Type 2 diabetes: which drug as add-on to metformin?Type 2 diabetes: which drug as add-on to metformin?
The Lancet, Early Online Publication, 9 June 2012
ビクトーザ:上記比較の上選択を!
・利点:効果、低血糖のなさ、体重減少
・欠点:消化管副作用、心血管系RCT研究がない、高コスト、膵炎リスク?
SU剤
・利点:短期効果、心血管系RCTあり(必ずしも好ましいモノだけではない)、低コスト
・欠点:維持性困難(二次無効など)、低血糖、体重増加、心血管系リスク
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