2012年6月11日月曜日

ANCHOR サブグループ:エチルEPA 糖尿病患者への効果

スタチンにアドオンするか否かの介入。 日本のトライアル、JELIS結果を支持する検査パラメータ上の変化となったようだが・・・
ADAがらみの報告。

ANCHOR studyのサブグループ解析、EPA エチル製剤、AMR101を使用。

第Ⅲ相ANCHOR研究は、702名のスタチンバックグランドで、TG 200-500mg/dLのヒトで、AMR101 2g/日、4g/日とプラシーボをランダム比較

効果は用量依存的、2g/日ではLDL低下有意では無かった。

AMR101 4g/日投与で、LDL増加せず TG 23mg/dL減少するという報告。
LDL-Cの平均は6.3mg/dL低下

だが、ベースラインより、HDL 5mg/dLほど低下する。しかし、LDL、非HDL、apo B、総コレステロールは低下し十分な効果が期待できると筆者ら。特に、糖尿病コントロール不良な患者で期待ができるとのこと。

12週研究で空腹時血糖、HbA1c、HOMA指数、インスリンに有意差認めず、糖尿コントロールに影響を与えなかった。


Brinton E, et al "Effects of AMR101 on Lipid and Inflammatory Parameters in Patients with Diabetes Mellitus-2 and Residual Elevated Triglycerides (200-500 mg/dL) on Statin Therapy at LDL-C Goal: The ANCHOR Study" ADA 2012; abstract 629-P


日本のJELIS研究(EPAの高脂血症患者における重大冠動脈イベント抑制効果:JELIS研究 2007年 03月 31日)では、5年全死亡率 19%減少という報告があり、REDUCEーITでは2倍投与量計画しているということ。

情報ソース:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ADA/33188





でも、HDLコレステロール減少が気になる. 


“二次予防、すなわち、既往ある心血管疾患病歴患者で包括的心血管イベントに関する予防効果は不充分”
ω3不飽和脂肪酸(DHA、EPA) 二次予防効果に疑問  2012年4月10日火曜日


JELISではEPA 1800mg/日を用いて、 臨床的アウトカム上の有効性が示されている。
糖尿病ベースとはいえ、アウトカムに反映するにはHDL減少を考えれば不均衡なイメージを持つ。JELISも再検討したい気になる。

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