2012年6月20日水曜日

独居・孤独に関わる問題:比較的若年動脈硬化疾患患者は一人暮らしインパクト有り、高齢者は孤独感と死亡・機能減少と関連

1) 動脈硬化45歳以上の外来患者国際的研究で、独居は死亡率増加と関連するが、高齢者ではその影響は軽度。この観察研究には十分な確認が必要。
2) 60歳超の老人にとって、孤独感は機能低下、死亡の予測要素となる


社会的サポートを必要とする一人暮らしと心血管リスクの ONLINE FIRST報告
Living Alone and Cardiovascular Risk in Outpatients at Risk of or With Atherothrombosis
Jacob A. Udell, et. al.
for the REduction of Atherothrombosis for Continued Health (REACH) Registry Investigators
Arch Intern Med. 2012;():1-10. doi:10.1001/archinternmed.2012.2782




REACH研究 44573名で、8594(19%)は一人暮らし。
一人暮らしは4年生存率高値(14.1% vs 11.1%)、心血管死(8.6% vs 6.8%; log-rank P<0.01)と相関。しかし、年齢による効果影響有り(P value fo interaction = .03)
特に、若年者では、他者との同居に比べ、独居は、有意に死亡率高い(年齢 45-65 歳: 7.7% vs 5.7%; 補正ハザード比 [HR], 1.24 [95% CI, 1.01-1.51];  66-80 歳: 13.2% vs 12.3%; adjusted HR, 1.12 [95% CI, 1.01-1.26])
しかし、これは高齢者では関連無し(80歳超; 24.6% vs 28.4%;補正HR, 0.92 [95% CI, 0.79-1.06])
同様傾向が心血管死亡リスクでも見られる。


住居環境による全原因死亡率(4年間イベント)




独居と関連する4年間ハザード





孤独は、高齢者にとって、疾患、苦悩、QOL低下の原因としてその影響が大きい。US60歳以上の孤独、機能的低下、死亡との関連性を調査。


Loneliness in Older PersonsA Predictor of Functional Decline and Death
Carla M. Perissinotto, et. al.
Arch Intern Med. 2012;():1-7. doi:10.1001/archinternmed.2012.1993

1604名のコホート研究(the psychosocial module of the Health and Retirement Study)
プライマリアウトカムは、6年間の死亡、6年経過での機能低下;4項目(ADL数上困難度、 上肢タスク数根など、可動性減衰、階段登り困難)

平均年齢71歳。女性 59%、白人 81%、黒人 11%、ヒスパニック 6%、独居 18%
高齢者の内、43%が孤独を感じるとのこと。
孤独感はすべてのアウトカムと相関。
孤独感は、ADL減少発生 (24.8% vs 12.5%; 補正 リスク比 [RR], 1.59; 95% CI, 1.23-2.07); 上肢タスクの困難度発生(41.5% vs 28.3%; 補正 RR, 1.28; 95% CI, 1.08-1.52);可動性減少発生  (38.1% vs 29.4%; 補正 RR, 1.18; 95% CI, 0.99-1.41); 階段登り困難発生 (40.8% vs 27.9%; 補正 RR, 1.31; 95% CI, 1.10-1.57)と関連
孤独感は、死亡リスク増加と相関  (22.8% vs 14.2%; 補正 HR, 1.45; 95% CI, 1.11-1.88)

Kaplan-Meier survival curve ;孤独感 vs 非孤独感 72ヶ月








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