2012年9月27日木曜日

小児扁桃摘出術周術期デキサメサゾン投与:軽度出血リスク否定出来ないが、中等度以上の出血は増加しない

扁桃腺切除児へのステロイド周術投与は、術後の吐気・嘔吐を減少させるため用いられている。しかし、その周術リスクや術後リスクはどうなっているのか?


level II以上の出血イベントは増加させないが、level I程度の出血増加は否定出来ない。


Perioperative Dexamethasone Administration and Risk of Bleeding Following Tonsillectomy in Children:  A Randomized Controlled Trial  
LCDR Thomas Q. Gallagher, et. al.
JAMA. 2012;308(12):1221 doi:10.1001/2012.jama.11575

デキサメサゾン単回投与(0.5 mg/kg;最大投与量 20mg) vs 同等量の生理食塩水0.9%(プラシーボ)

157名(年齢 中央値[中間4分位]、6[4-8])

出血イベント デキサメサゾン群 17(10.8%) vs プラシーボ 13(8.2%)

ITT分析では、level I  出血発生率 デキサメサゾン群 7.0%(n=11) vs プラシーボ 4.5%(n=7) (difference, 2.6%; upper limit 97.5% CI, 7.7%; P for noninferiority = .17);
level II 出血発生率 デキサメサゾン群 1.9%(n=3) vs プラシーボ 3.2%(n=5) (difference, −1.3%; upper limit 97.5% CI, 2.2%; P for noninferiority < .001);

level III 出血発生率 1.9% (n = 3) vs プラシーボ 0.6% (n = 1)(difference, 1.3%; upper limit 97.5% CI, 3.8%; P for noninferiority = .002)


結論: 小児扁桃摘出中の周術デキサメサゾン投与は、超過、臨床的に重要レベルII、IIIといった出血イベントに関し非劣性閾値5%を横切らず相関しない。
しかし、level Iの出血イベントは、デキサメサゾンにより非劣性閾値5%を横切るためその増加可能性は除外出来ない。

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