2012年9月28日金曜日

思春期肥満への加糖飲料制限の効果 ・・・ おもったほど効果はない;NEJMの姿勢に疑問

加糖飲料制限群と対照群に思ったほどの差が認められなかった・・・さて、どういう言い訳をするかに興味の方向性が移る、今一つクリアカット出ない報告。

均一な食行動、多様なサンプル、被験者停滞率が高かったこと、身体運動・テレビ視聴との関連性も調査されたという調査は優秀だったものの、多因子が関与してるわけで、わずか200名程度では、挟雑因子の影響が大きくて結論だすのは難しいと思う。
多面的研究を狙った割には、サンプル数が少なすぎると結論でも記載されている。
食事も運動も自己報告に頼りすぎてること、不正確なBIAを体組成検査としてつかったこと、肥満関連リスク要素データの不備、バイオマーカーがないことなど、この調査の問題点である。

この程度でクリアカットな結論がだされるなら逆に信頼性に疑問が生じる位で、そもそもこの程度の結論の論文がNEJMに記載されるってことの意義は、論文の結果では無く話題性に媚びすぎてるんじゃないかと・・・


社会経済的・行動的要素の影響が大きいという証拠としてのヒスパニック系でのBMI減少結果があげられている。


A Randomized Trial of Sugar-Sweetened Beverages and Adolescent Body Weight
Cara B. Ebbeling,  et. al.
NEJM Sep. 21, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1203388
224名の過体重・肥満思春期少年少女を割り付け

滞留率1年で97%、2年で93%

加糖飲料報告量はベースラインでは、実験群、対照群同等 (1.7 サービング/日)
実験群では1年でほぼゼロ、2年時点でも実験群では飲料量報告低下のまま

プライマリアウトカムである、2年時点でのBMIの変化は2群に有意差認めず (対照群と実験群の差 , −0.3; P=0.46)


1年時点では有意にBMI (−0.57, P=0.045)、体重(−1.9 kg, P=0.04)に差を認めた。


1年時点 (P=0.04)、2年時点 (P=0.01)での民族差による影響のエビデンスを見いだした
民族毎の事前層別化解析、ヒスパニック登録者(実験群 27、対照群 19)では、有意に1年時BMI変化(−1.79, P=0.007) 、2年時BMI変化(−2.35, P=0.01)あり、しかし、非ヒスパニック系では有意差無し (P>0.35 at years 1 and 2)

総体重比率体脂肪の変化は2年時点で有意差認めず (−0.5%, P=0.40)

被験者関連の副事象認めず


bioelectrical impedance analysis (BIA) を疫学調査とは言え、採用し、NEJMに論文アクセプトされる時代。
といいつつ、不正確性との記載を要求するNEJM側・・・この態度に非常に矛盾を感じる。

オムロンだけじゃ無く、タニタとやらが、BIAの不正確性を無視して、マスメディアにでしゃばる暗黒時代・・・日本の大衆だけじゃなくて、一流と言われているジャーナルでも汚染が・・・

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