2012年10月16日火曜日

血管性浮腫:ACE阻害剤、アリスキレンで多い

RAS系ターゲットの薬剤は血管浮腫リスク増加と関連する。ACE阻害剤、ARB、直接レニン阻害剤アリスキレン使用との関連性検討


結論は、血管性浮腫は、ACE阻害剤、アリスキレンで多い。アリスキレンは対象症例数不足 。


 Comparative Risk for Angioedema Associated With the Use of Drugs That Target the Renin-Angiotensin-Aldosterone System ONLINE FIRST
Sengwee Toh,  et. al.
Arch Intern Med. 2012;():1-8. doi:10.1001/archinternmed.2013.34.

後顧的観察開始コホート(18歳以上の Mini-Sentinel program )
CEI (n = 1 845 138)、ARB (n = 467 313)、 aliskiren (n = 4867)、 β-blocker (n = 1 592 278)

4511名の血管性浮腫イベント (ACEI 3301、ARB 288、aliskiren 7 、β-blocker 915)

1000名あたり累積頻度は、ACEI  1.79 (95% CI, 1.73-1.85)、ARB 0.62 (95% CI, 0.55-0.69)、 aliskiren 1.44 (95% CI, 0.58-2.96)、 β遮断剤  0.58 (95% CI, 0.54-0.61)

1000人年発生率は、それぞれ ACEI 4.38 (95% CI, 4.24-4.54) 、ARB 1.66 (95% CI, 1.47-1.86) 、aliskiren 4.67 (95% CI, 1.88-9.63)、β遮断薬 1.67 (95% CI, 1.56-1.78) 。

β遮断薬を対照とすると、補正ハザード比は、ACEI 3.04 (95% CI, 2.81-3.27)、 ARBは1.16 (95% CI, 1.00-1.34) 、aliskirenは 2.85 (95% CI, 1.34-6.04)

血管浮腫はACE阻害剤の咳嗽ほど日常的に観察される病態ではない。
人種差も関連しているという記載もある。だが、頭の片隅にはおいておかなければならない副作用。

医療経済的に見れば、ARBに偏りすぎる日本の降圧治療だが、“ゼロリスク”を求める顧客姿勢もACE阻害剤よりARBを求めている。
国・政府・厚労省がまともであれば、この辺を改めるのだろうが・・・ 失敗したはずの悪名高い官僚が医療施策に関わるポストに返り咲くこのご時世。

高血圧:ARB処方禁止でカナダでは数百ドルの医療費節約・・・日本も是非・・・2011年 01月 25日

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