2012年10月3日水曜日

β遮断剤:心発作・卒中予防効果認めず?

観察研究なので解釈は慎重に!

その一方で、β遮断剤の有効性は確定事項のごとく使われているが、非ランダム研究だけで、しらにしうるランダム化トライアルがなされず、カルシウム拮抗剤、ACE、ARBなどに凌駕され、取り残されてきた経緯がある。
社会通念とも言える、β遮断剤役割、今後、この解釈に関してはもめそう。この結果から、β遮断剤を即中止するようなことはやめてくれとのこと。

β-Blocker Use and Clinical Outcomes in Stable Outpatients With and Without Coronary Artery Disease
Sripal Bangalore, et. al. ; for the REACH Registry Investigators
JAMA. 2012;308(13):1340-1349. doi:10.1001/jama.2012.12559.
 Reduction of Atherothrombosis for Continued Health (REACH)

長軸的観察研究

・心筋梗塞既往 (n = 14 043),
・心筋梗塞既往無しのCAD (n = 12 012)
・CAD risk factorのみ (n = 18 653)

プライマリアウトカム:心血管死亡・非致死心筋梗塞、非致死卒中
セカンダリアウトカム:プライマリアウトカム+入院(動脈硬化血栓イベント、血管再建施行)

Propensity score matchingをプライマリ分析で使用
合致した21860(44708中)を分析、44ヶ月のフォローアップ中央値(IQR, 35-45ヶ月)、イベント率はβ遮断剤使用・未使用で有意差無し、心筋梗塞既往コホートにおいても見られず (489 [16.93%] vs 532 [18.60%]; ハザード比 [HR], 0.90 [95% CI, 0.79-1.03]; P = .14).

MI無し・CADコホートでは、β遮断剤使用・未使用で関連イベント有意差無し (391 [12.94%]) vs (405 [13.55%]) (HR, 0.92 [95% CI, 0.79-1.08]; P = .31)
セカンダリアウトカムでは高率 (1101 [30.59%] vs 1002 [27.84%]; オッズ比 [OR], 1.14 [95% CI, 1.03-1.27]; P = .01) 、入院三次アウトカム(870 [24.17%] vs 773 [21.48%]; OR, 1.17 [95% CI, 1.04-1.30]; P = .01)

CADリスクのみコホートでは、イベント率はβ遮断剤で高率 (467 [14.22%]) vs without β-blocker use (403 [12.11%]) (HR, 1.18 [95% CI, 1.02-1.36]; P = .02),
セカンダリアウトカムでも高率 (870 [22.01%] vs 797 [20.17%]; OR, 1.12 [95% CI, 1.00-1.24]; P = .04) 、しかし心筋梗塞三次アウトカムでは有意差無し (89 [2.82%] vs 68 [2.00%]; HR, 1.36 [95% CI, 0.97-1.90]; P = .08) 、卒中三次アウトカム (210 [6.55%] vs 168 [5.12%]; HR, 1.22 [95% CI, 0.99-1.52]; P = .06).

しかし、recent MI(1年以下)患者では、β遮断剤は、セカンダリアウトカム頻度低下と相関  (OR, 0.77 [95% CI, 0.64-0.92])

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note