2012年11月4日日曜日

常染色体優性遺伝嚢胞腎:サムスカの腎障害進行抑制

導入時連日採血及び臨床的観察が義務づけられ例外を除いて入院導入せざる得ない薬剤なので、無床診療所では無縁なのかもしれないが、私の所では、“サムスカ”(トルバプタン)を頻用せざる得ない状況が益々増加している。また、長期連用情報せざるえない症例も存在し、医薬品情報を常に欲している状況である。



サムスカをADPKDに使用し、腎障害悪化抑制に働くという報告がある


常染色体優性遺伝嚢胞腎(Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease:ADPKD)は、疼痛、高血圧、腎不全と合併多く、前臨床的研究にて、 vasopressin V2-receptor antagonistが嚢胞進行を抑制し、腎機能減少を緩徐化する可能性が示唆されていた。

Tolvaptan in Patients with Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease
Vicente E. Torres, et. al.
for the TEMPO 3:4 Trial Investigators
NEJM November 3, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1205511
第Ⅲ相多施設二重盲検3年間トライアル 1445(18-50歳)ADPKD・総腎容積750mL以上eGFR 60ml/min以上を対象

プライマリアウトカムは総腎容積年間変化量
セカンダリエンドポイントは、臨床的進行(腎機能・腎臓痛・高血圧・アルブミン尿悪化を定義)、腎機能低下率

3年間において、総腎臓容量はトルバプタン群で2.8%(95%信頼区間[CI], 2.5-3.1)増加 vs プラシーボ群 5.5%(95% CI, 5.1 - 6.0; P<0 .001=".001" br="br">
複合エンドポイントはトルバプタン群はプラシーボより良好 (44 vs. 50 イベント/ 100 フォローアップ年, P=0.01)、腎機能悪化率低下(2 vs. 5 events  イベント/ 100 フォローアップ年, P<0 .001=".001" 100="100" 7="7" nbsp="nbsp" p="0.007)<br" vs.="vs.">トルバプタンは、腎機能低下緩徐と相関  (sCr値逆数, −2.61 [mg/mL]−1 /年 vs. −3.81  [mg/mL]−1 /年; P<0 .001=".001" br="br">
トルバプタン群でADPKD関連副事象イベント数減少するが、薬剤中止に関与する(23%, vs.プラシーボ群 14% )、aquaresis(自由水利尿:自由水排泄増加)関連イベント増加し、ADPKDと関連しない肝臓副事象増加を認めた







経口バソプレシンV2-受容体拮抗剤を低ナトリウム血症全般に使用した臨床トライアル  2006年 11月 15日


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