心房細動発症は、心室頻拍などによる心臓突然死や冠動脈疾患発生と関連する
Atrial Fibrillation and the Risk of Sudden Cardiac DeathThe Atherosclerosis Risk in Communities Study and Cardiovascular Health Study ONLINE FIRST
Lin Y. Chen, et. al.
Arch Intern Med. 2012;():1-7. doi:10.1001/2013.jamainternmed.744.
背景 心房細動(AF)は心臓突然死(SCD: sudden cardiac death)リスク増加と関連するか一般住民レベルでは不明であった。この関連性を2つの住民ベースコホートで検討。
研究方法 Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) Studyにおいて、ベースライン(1987-1989年)から2001年12月31日までの15439名の登録者(ベースライン年齢 45-64歳; 女性 44.2%; 黒人 26.6%)解析
Cardiovascular Health Study (CHS)では、5479名の登録者(第1コホート 1989-1990;第2コホート 1992-1993)(ベースライン年齢 65歳以上; 女性 58.2%; 黒人 15.4%) 2006年12月31日まで
プライマリアウトカムは、医師補正SCD(定義 突然の、心室性頻拍によると想定される無拍動)
セカンダリアウトカムは、非-SCD、すなわち、SCDクライテリアに合致しない冠動脈疾患
Cox比例ハザードモデルでAFとSCD/NSCDの関連性を評価、その際は住民統計指標や心血管リスク要素を補正
結果 ARIC研究において、フォローアップ期間中(中央値 13.1年間)AF 894、 SCD 269、 NSCD 233
SCD発症粗頻度は、1千人年あたり AFあり 2.89、 AFなし 1.30
AFありの多変量ハザード比(HRs)(95%CIs)は、SCD 3.26(2.17-4.91)、 NSCD 2.43(1.6-3.71)
CHSコホートでは、フォローアップ期間中(中央値 13.1年間)AF1458、SCD 292、NSCD 581
SCD発症粗頻度は、1千人年あたり AFあり 12.0、 AFなし 3.82
AFありの多変量ハザード比(95%CIs)は、SCD 2.14(1.60-2.87)、 NSCD 3.10(2.58-3.72)
AFありのメタアナリシスHRs(95%CIs)は、SCD 2.47(1.95-3.13)、NSCD 2.98(2.52-3.53)
結論 一般住民においては、AF発症は、SCDとNSCDのリスク増加と関連する
AF患者のSCD予測因子についてさらなる研究が必要
ARIC研究では、両群の年齢、人種、性別、心血管リスク因子、および心房細動発症診断までの期間補正後も相関性維持。NSCDのリスク増加に関して、β遮断剤、ジゴキシン、抗不整脈などの使用補正後にのみ相関性有意。
心房細動と心臓突然死、両病態のリスク要素が関連しているために生じた相関性とのみは説明出来ないと筆者ら。
心房細動発症そのものが、心室性頻拍を促進するのだという考えに基づいている。
CHSコホートでは、左室駆出率補正でわずかしか相関性補正されなかったが、 ARICコホートの左室駆出率測定サブグループで、左室駆出率低下を補正した場合、心臓突然死14倍にリスク相関増強し、心房細動発症とHSCDリスクは11倍に増強された。
両コホートとも、男性で同様のリスク増加を示し、リスクはARICコホートのサブグループ被験者男性で強く、CHSでは観察されなかった。
この研究の限界は無症状例、外来ベースマネージメントを対象として拾えてない。入院が発生しない限り心房細動やイベントを収集できてないということ。
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