ジゴキシンは、心房細動の“心拍コントロール”治療として用いられているが、心房細動患者での死亡率を増加するという報告。
全死亡率で41%増加と関連するという報告
ジゴキシン自体が死亡率増加に関与するか、合併症故に死亡率が高い状況でのより重症例処方だからか不明で、心房細動患者のジゴキシンと死亡率の関連検討目的が必要であったと序文。
Increased mortality among patients taking digoxin-analysis from the AFFIRM studyEur Heart J (2012) doi: 10.1093/eurheartj/ehs348 First published online: November 27, 2012
ジゴキシンと死亡率の相関をAF Follow-Up Investigation of Rhythm Management (AFFIRM) trial登録患者で、多変量Cox比例ハザードモデル評価。
検討は、全患者と、心不全(HF)の有無(駆出率<40 br="br">
ジゴキシンは全原因死亡率増加と相関 [estimated hazard ratio (EHR) 1.41, 95% 信頼区間 (CI) 1.19–1.67, P < 0.001]、同様に、心血管死亡率増加と相関 (EHR 1.35, 95% CI 1.06–1.71, P = 0.016)、不整脈による死亡率増加とも相関(EHR 1.61, 95% CI 1.12–2.30, P = 0.009)
全死亡率は、心不全の有無にかかわらず、ジゴキシンにより増加 (心不全無し EHR 1.37, 95% CI 1.05–1.79, P = 0.019 、 心不全有りEHR 1.41, 95% CI 1.09–1.84, P = 0.010)
全死亡、心血管死亡に関しジゴキシン-年齢有意相関なし (P = 0.70、P = 0.95) 40>
血中濃度評価での検討となるランダム化トライアル( DIG study [N Engl J Med 1997; 336: 525–533],)では、negative effenct認めてない。
上記報告との整合性に関して、まだ議論が必要だろう。
神経ホルモン・inotropicな異常はジゴキシンで改善する部分はあるだろうが、それ以上に、安全閾値が狭いことで、心室性不整脈・重度徐脈性不整脈をもたらす危険性があると筆者らは述べている。
未検討共役要素による過剰推定の可能性もある。 感度分析でも一定程度以上の大きな影響が見られたため、やはり、重く受け止めるべきであろうとのこと。
虚血証拠のない心原因死亡は最終受診日のジゴキシン使用の56%と多い (37% versus ジゴキシン無し27% , P=0.007)。がん、肺、非心原性原因死に関してはジゴキシン使用とは関連せず。
標準臨床ケア、正確なジゴキシン利用アドヒアランス期間がルーチンに記録されてない研究のため正確なメカニズム推定困難。
あくまでも可能性であるが、ジゴキシン濃度の厳格な検査が必要。
参考:http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Arrhythmias/36135
“ジゴキシンは最小量にしてるので血中濃度測定を怠り気味”の場合は、あらためて注意が必要だろう。公的医療保険監視側にも、この情報は重要だろう。悪徳査定は患者にリスクを与える。
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