とくに、駆出率低下心不全高齢者は良い適応だが、退院後カリウム値チェックを!
・・・ということか!
時にみられる、退院時30日処方どころか、60日処方というぶったげた退院処方は、一般論としても批難されるべきだろう!
以下の論文の結論は・・・
“アルドステロン拮抗剤退院時開始は、死亡率・心血管疾患原因再入院改善効果と関連せず。 だが、心不全・駆出率低下高齢者においては心不全再入院改善効果を示す。 高カリウム血症による再入院リスク増加が有意である。”
駆出率正常型では無く、低下した心不全患者へのアルドステロン拮抗剤の臨床的エビデンスの問題
Associations Between Aldosterone Antagonist Therapy and Risks of Mortality and Readmission Among Patients With Heart Failure and Reduced Ejection Fraction
Adrian F. Hernandez, et. al.
JAMA. 2012;308(20):2097-2107. doi:10.1001/jama.2012.14795.
登録クライテリア合致5887名で、平均年齢 77.6歳、退院時アルドステロン拮抗剤使用者は18.2%、1070名
累積発生頻度 3年後
死亡 治療群 49.95 vs 51.2% (P=.62)
心血管再入院 63.8% vs 63.9% (P=.65)
心不全再入院 38.7% vs 44.9% (P< .001)
30日時点高カリウム血症再入院 2.9% vs 1.2%(P<.001)
1年内再入院 8.9% vs 6.3% (P = .002)
治療確率の逆加重法後、死亡率は有意差認めず (hazard ratio [HR], 1.04; 95% CI, 0.96-1.14; P = .32)、同様に、心血管再入院 (HR, 1.00; 95% CI, 0.91-1.09; P = .94)にも有意差認めず
心不全再入院は、3年後治療患者において低率 (HR, 0.87; 95% CI, 0.77-0.98; P = .02)
高カリウム血症関連再入院は、アルドステロン拮抗剤により、30日後 (HR, 2.54; 95% CI, 1.51-4.29; P < .001)、1年後 (HR, 1.50; 95% CI, 1.23-1.84; P< .001)と高率
"inverse weighting"とは、IDW(Inverse Distance Weighting):逆距離加重法のことだろうか?
スピロノラクトンだけじゃなく、“ACE阻害薬・ARB投与で、血中AII濃度は抑制できていても、血中アルドステロン濃度が減少しないというエスケープ現象が知られているが、エプレレノンの併用でこの問題が回避できる可能性がある”ということでセララが宣伝されているがやはり注意が必要だろう。
現に、ベネフィットリスクバランスがとれているか、今一つ、臨床で、吟味が必要と思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿