シムビコートという薬剤のSMART療法などといういい加減な吸入指導を製薬会社(特に、アステラス)が勧めるため、なんだか、むちゃくちゃになってきた昨今の喘息治療の体系。
身近で見聞きする限り、製薬会社側の薬剤宣伝にかなり問題が有ると思う
初診患者や、重症度判定もなされて無い患者や、自覚症状と呼吸機能上重症度や臨床重症度に乖離ある患者では、SMART療法を導入することは困難なはず ・・・
なのに、患者任せの薬剤投与がなされている事態を見聞きしている。
自覚症状だけで、吸入量を患者意志だけで決定するというなら、アクションプランを義務づけるべき
以下の報告は、 アクションプラン無しの指導は、女性において、 ・医師との十分な話し合いが行われてない ・処方薬剤遵守性低下 ・ピークフロー測定がなされない ケア満足度も低く、医師・患者の関連性、臨床的アウトカム低下にもつながる・・・というもの
Asthma Action Plans and Patient Satisfaction Among Women With Asthma
Minal R. Patel, et. al.
CHEST. 2012;142(5):1143-1149. doi:10.1378/chest.11-1700
製薬会社のいうがままの、呼吸器系医師たちに最大の問題があるとは思いますがね・・・
SMART療法の臨床的効果の急性悪化数減少効果は、急性増悪回数比較で、対照維持療法 0.5に対し、0.3回、すなわち、0.2回/年の程度の差しかない。
心血管系のアウトカムは、“死亡・血管再建・集中治療入院”などのハードなアウトカムだが、このイベントは、かなり柔らかな、予定外受診というイベントを含むのである。そんなイベントが1年に0.2回減少は野放図な薬物乱用の免罪符とはなり得ない。
Barnes先生が批判をまとめている
Review:Single maintenance and reliever therapy (SMART) of asthma: a critical appraisal Thorax 2010;65:747-752 doi:10.1136/thx.2009.128504 Kenneth R Chapman ,Neil C Barnes, Andrew P Greening, Paul W Jones, S PedersenSMART療法の意義を述べた報告には
・ 患者選択に偏りが有り
・ 対象者に関し喘息コントロール不良な患者が多い(日本のシムビコート保険適応用法用量では軽症・中等症持続型しか対応できないという矛盾 →日本でのSMART療法容認するエビデンスにはなり得ない)
・ 患者自己判断にたより過ぎておりレスキュー使用のタイミングや用量などの統一性に疑問がある。
そしてなにより長期安全性が確認されてない。また、喀痰中好酸球増加が示され、抗炎症効果が十分かに疑念が残るなど・・・
百歩譲って、SMART療法をおこなうのなら・・・ 保険適応から軽症~中等症事例のみに限るべきで、、薬剤アドヒアランス良好例、正当な喘息重症度自己評価可能な事例のみで行うべき
その際は、かならず、アクションプランを提示し、同意を得ておくこと
不適切例は、
・ 初診・・・と想定される。
・ 病型・重症度判定固定されてない症例
・ 重症・気道狭窄・肺機能不安定例
・ アドヒアランス不能例、定期受診なされない例
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