2012年11月14日水曜日

がん既往のある男性ではマルチビタミンでがん発生減少するかも・・・

マルチビタミンだからといって、有益性だけを考えてはいけない。相手無きフリーラジカル・スカベンジャー作用の有害性も考えられる。
閉経後女性:サプリメントで死亡リスク増加 マルチビタミン、ビタミンB6・・・(カルシウムは例外) 2011年 10月 11日
がん既往のある場合の男性ではマルチビタミンは、がん発症減少と関連するかもしれない。

Multivitamins in the Prevention of Cancer in MenThe Physicians' Health Study II Randomized Controlled Trial FREE
J. Michael Gaziano, et. al.
JAMA. 2012;308(18):1871-1880. doi:10.1001/jama.2012.14641.

大規模ランダム化二重盲検プラシーボ対照化トライアル (Physicians' Health Study II) 、米国医師 14 641名(50歳以上(平均[SD] 64.3[9.2]歳)、ランダム割り付け時がん病歴1312名

マルチビタミン 1997年開始、フォローアップ2011年6月1日まで

フォローアップ中央値(IQR) 11.2(10.7-13.3)年間、2669名のがん確認、前立腺癌1373、直腸結腸がん210名
プラシーボ比較で、マルチビタミン連日服用男性は有意にがん全体の発生率減少
(1000人年あたりマルチビタミン 17.0、プラシーボ群 18.3 イベント; ハザード比 [HR], 0.92; 95% CI, 0.86-0.998; P = .04)

前立腺がん、直腸結腸がん、部位特異的がんでは、マルチビタミン連日服用での有意な影響なし
前立腺がん 1000人年あたりマルチビタミン 9.1、プラシーボ群 9.2 イベント; ハザード比 [HR],  0.98; 95% CI, 0.88-1.09; P = .76
直腸結腸がん 1000人年あたりマルチビタミン 1.2、プラシーボ群 1.4 イベント; ハザード比 [HR],  0.89; 95% CI, 0.68-1.17; P = .39

がん死亡率リスクで有意差認めず(1000人年あたり マルチビタミン 4.9、プラシーボ 5.6、HR, 0.88; 95% CI, 0.77-1.01; P = .07

ベースラインでがん既往の有る場合の1312名の男性で、マルチビタミン連日使用は、がん全体で減少と関連する (HR, 0.73; 95% CI, 0.56-0.96; P = .02)
しかし、がん既往の無い場合の13329名の男性では有意で無い(HR, 0.94; 95% CI, 0.87-1.02; P = .15; P for interaction = .07).






PHSII: マルチビタミン 心血管疾患予防効果認めず 2012/11/06

   
骨折・がん・心筋梗塞・死亡組み合わせリスク最小ビタミンD濃度閾値はどの程度か?

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