2013年2月20日水曜日

ロボット手術;コスト増大をもたらす ・・・ 現状ではベネフィット乏しい

ロボット手術(robotically assisted operation)による子宮摘出術の実態的研究

腹腔鏡手術に比べても、入院期間若干短い。ただ、輸血必要性やその後のケア必要性は同等。
だが、コストが最大の問題。コスト削減が急務。



Robotically Assisted vs Laparoscopic Hysterectomy Among Women With Benign Gynecologic Disease
Jason D. Wright, et. al.
JAMA. 2013;309(7):689-698. doi:10.1001/jama.2013.186.
2007年0.5%から、2010年に9.5%と米国内ではその応用が広がっている。
同時期に、腹腔鏡下手術も24.3%から30.5%と増加。
ロボット手術施行した病院でのその後の3年間に、すべての子宮全摘術の22.4%がロボット手術となっている。
propensity scoreマッチ化解析にて、ロボット手術も、腹腔鏡下手術も、包括的合併症率同様(5.5% vs 5.3%;相対リスク比 1.03;95%CI 0.86-1.24)

ロボット手術患者は2日以上の入院少ない  (19.6% vs 24.9%; RR, 0.78, 95% CI, 0.67-0.92)が、輸血必要性 (1.4% vs 1.8%; RR, 0.80; 95% CI, 0.55-1.16)と、看護施設への退院移送率 (0.2% vs 0.3%; RR, 0.79; 95% CI, 0.35-1.76)は同様。
コストはロボット手術が高く、症例あたり $2189 (95% CI, $2030-$2349) 多い。

竹中平蔵を代表とする、上げ潮派の意見が強くなってきて、米国からの要望を国防上もそのまんま聞き入れようとする世の風潮のなか・・・ 米国企業からのゴリおしで、高コストだけで、患者にベネフィットのないロボット手術が日本国内でも盛んに行われようとしている・・・そういう危惧を、医療各領域で感じる

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