2013年2月20日水曜日

感冒:テロメア長短ければ、かぜウィルス感染しやすい



テロメア長短縮例では、感冒ウィルスであるライノウィルス暴露後、風邪発症しやすい

テロメア長標準偏差未満では、ライノウィルス39の標準量暴露後、22%から38%感染リスク増加。急性臨床上発症とテロメア長の相関はさほど強くない 。しかし、加齢とともにその影響は増加する可能性あり。

"Association between telomere length and experimentally induced upper respiratory viral infection in healthy adults"
Cohen S, et al
JAMA 2013; 309: 699-705.


白血球、特に、CD8CD28ーT細胞におけるテロメア長短縮例での、上気道感染抵抗性低下と臨床的症状を若年・中年成人で調査

2008-2011年、テロメア長をPBMCとT細胞サブセット(CD4、CD8CD28+、CD8CD28-)で評価

主要アウトカムは、ウィルス出現、もしくはウィルス特異的抗体価4倍増加を感染都市、臨床症状を評価

感染率、臨床症状出現率は、69%(n=105)、22%(n=33)

テロメア長短縮は、暴露前ウィルス特異的抗体、住民統計学的要素、避妊薬使用、季節、BMIと無縁に、感染オッズ増加と相関x
(PBMC:  テロメア長  1-SD 減少毎オッズ比[OR], 1.71 [95% CI, 1.08-2.72]; n = 128 [最短三分 感染率 77% ; 中位  66%; 最長 57%]; CD4: OR, 1.76 [95% CI, 1.15-2.70]; n = 146 [最短三分位 感染 80% , 最長 71% 54%]; CD8CD28+: OR, 1.93 [95% CI, 1.21-3.09], n = 132 [最短三分位 感染 84% ; 中位 64%; 最長 58%]; CD8CD28−: OR, 2.02 [95% CI, 1.29-3.16]; n = 144 [最短三分位 感染 77% ; 中位 75%; 最長 50%])

CD8CD28-で、唯一、テロメア長短縮ほど臨床症状リスク増加関連が見られた。
(OR, 1.69 [95% CI, 1.01-2.84]; n = 144 [最短三分位 感染 26%; 中位 22%; 最長 13%])

CD8CD28-テロメア長と感染の相関は加齢とともに増加  (CD8CD28− telomere length × age interaction, b = 0.09 [95% CI, 0.02-0.16], P = .01, n = 144)


抑制的T細胞(CD8+CD28-)のみが臨床症状と関連するという意義・・・無学なためよくわからないが、テロメア長の最短3分位のうち25%程度が感染症状発症し、最長3分位では13%発症という差が認められた。
CD28がテロメアとの関連性のある分子で、テロメラーゼ酵素のupregulationと関連し、細胞の老化を防ぐと解説されている。

老化という側面で、テロメア短くなるという現象と風邪引きやすくなる現象は関連性があるということか・・・

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