【現病歴】1ヶ月前からの呼吸困難(安静時・労作時ともに)出現
初診開業医で肺気腫として説明され
その地域中核病院の呼吸器外来の専門医紹介
そこの専門医にて、呼吸機能されることなく、CTのみで肺気腫と診断
持続性抗コリン剤投与
【当院スパイロメトリー】1秒量 1.06L、FEV1% 58.2%
【当院CT】
今、話題?の気腫合併肺線維症(CPFE)を疑う
・・・・それだけ・・・だろうか?
実は、初診時に、気管支拡張剤吸入して、FEV1 2.01L まで改善しているのである。そして、吸入ステロイド+LABAにて、次回受診時呼吸機能正常化
要するに、患者さんの訴えである「呼吸困難」は、喘息によるものと断定したい
患者さんの訴えは、比較的急激な変化であり、COPDなどに見られる緩徐悪化でもなく、気道感染きっかけの急性増悪エピソードもない、安静時呼吸困難を示すもの
もちろん、気腫合併肺線維症の存在を疑い、その評価も必要とは思うが・・・
【結論】拡張剤による一秒量の変化を評価しない、呼吸器専門医が世の中に入るらしい。
この症例では、スパイロメトリーさえされてなかった・・・アンビリーバブルな世界が存在する。
うっ血性心不全患者に、オンデマンドで、シムビコート使ったケースも最近経験した。
某メーカーがSMARTと宣伝しているために・・・誤解使用が広まってるようだ。
ちなみに、以下が、苦しいときだけシムビコート使用するよう言われた症例のレントゲン写真
↓
そもそも、心電図を一度もとらず、狭心症という心電図を保険診療レセプトでだされたとき、審査関係者はそれを問題にせず認めるだろうか?そんなことはないはず・・・まともなレセプト審査なら・・・
ところが、スパイロメトリーもしくは肺機能検査をせず、気流制限がその定義であるCOPD、気道可逆性がその定義の一つである喘息・・・その診断根拠を問題にせず、それどころか、まともに検査・評価・診断した方を過剰診療と判定する鹿児島県の医療レベル・・・実に嘆かわしい状況である。
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返信削除糖尿病患者を診ても血糖値を見ず、肝障害患者を診ても肝機能を調べず、心不全患者を診ても心機能を見ず、
返信削除喘息・COPD患者が来ても呼吸機能検査はしない。というなら、一貫性がある。しかし、今は自分が呼吸器内科医であることを告白することが恥ずかしい。ちなみに、製薬企業や学会は呼吸機能検査が普及しないことを望んでいる。
そうなんですよねぇ。COPD診断にアンケート法をなどと製薬メーカースポンサーの講演会で平気でしゃべる講師もいます。そもそもCOPDに関する治験って、循環器系薬剤治験と違い、アウトカムのレベルが雲泥の差。COPD薬剤は一秒量が20−30mlでもOKなのに、循環器系薬剤はよりシビアなアウトカム、死亡率・心血管疾患発症率などを指標にしてます。呼吸器系薬剤への評価が甘すぎ、製薬メーカーにとってとてもおいしい領域となってます。そのためか、スポンサーサイドの呼吸器系学会のおえらいさんの多いこと多いこと・・・
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