2013年2月8日金曜日

卒中血栓溶解治療に対して禁忌・警告過剰なのでは?

日本でも、” rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針” :http://www.jsts.gr.jp/jss19.html が公表されている。

この中でも、適応外としてPT-INR 1.7超という項目、慎重投与としてコントロール不良な糖尿病が記載されている。慎重投与に関して「81歳以上」などが記載されている。
 
 リスクを明確にして、適応者に的確な治療をすることが求められているので、こういう指針はきわめて重要と思う。

ただ、警告など過剰となると、ベネフィットを得るチャンスを失うことにもなりかねない。

Thrombolysis in Stroke Despite Contraindications or Warnings?
STROKEAHA.112.674622Published online before print February 6, 2013,doi: 10.1161/​STROKEAHA.112.674622 

 90日修正Rankin Scaleの全分布解析
血栓溶解治療を受けた9613の虚血性卒中パターン 


補正オッズ比にて、様々な治療禁忌や警告とされるサブグループで、無治療と比較したalteplase治療3ヶ月アウトカム良好さをしめした。

例えば、
・ 80歳超  1.40 (95% confidence interval [CI], 1.14–1.70) in patients aged   (n=1805)

・ 卒中・糖尿病両者既往 1.50 (95% CI, 1.03–2.18) (n=672)

・ 抗血小板先行治療 1.42 (95% CI, 1.19–1.70) (n=1626)

・ 抗凝固剤使用・INR 1.7以下 2.20 (95% CI, 1.12–4.32) (n=157)

・ ベースライン血糖170mg/dL超 1.50 (95% CI, 1.15–1.97) (n=879)

・ 治療前 National Institutes of Health Stroke Score >22 1.57 (95% CI, 1.12–2.18) (n=620)

 警告・禁忌を包括的に解析すれば、ベネフィット・リスクに再考が必要かもしれない

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