2013年3月27日水曜日

combo pill(合剤)発展途上国ビジネスについての解説/日本の合剤=先発扱いはおかしい 

combo pill、すなわち、合剤について

Combination Therapy to Prevent Cardiovascular Disease
Richard Smith, et. al.
JAMA. 2013;():1-2. doi:10.1001/jama.2013.3180.

combo pillは、インド、メキシコ、中南米で利用できるようになった。
これは、系統的なスクリーニングのため多くが診断されず、診断されても多くが治療されない。治療利用できず、面倒なレジメンに従う余裕がなく、個別的治療コントロールとは全く異なるやや乱暴な含有量固定化法
ジェネリック製薬製造で可能で費用も安く済み、マーケッティングリソースの少ない発展途上国で利用しやすい、薬剤提供としてやりやすく、製造業にとって多くの利益性がある。そのため、広汎に広がる可能性がある。

一方、従来のエビデンスが利用できないはずで、アウトカム研究なされていない不透明さがある

現在進行形のトライアルとして、TIPS-3と HOPE-3を紹介している。


以下のAHAでの報告
あらゆる薬剤がcombo pillで一つになると、服用しやすくなる。AHAセッションでの報告
抗血小板薬、コレステロール降下薬、降圧剤など併用が多い。
問題は心血管疾患予防に対して、固定用量設定の意義が不明なこと。
高所得国の場合、米国では、約50%がこの種の全薬剤服用が必要。一方、低・中所得国では5−20%とのこと。

2000名の男女(平均年齢62歳)の心血管疾患ありのヨーロッパ、インド住居者対象の15ヶ月間平均フォローアップ
combo pill(アスピリン、スタチン、2剤降圧剤)使用と、通常の剤型使用と比較
combo pillのほうがアドヒアランス1/3改善、血圧・コレステロール値も改善


American Heart Association. 
People more likely to take heart medicines in combo pill: American Heart Association late-breaking clinical trials report.
http://newsroom.heart.org/news/people-more-likely-to-take-heart-240422.
Published November 5, 2012. Accessed January 25, 2013


日本でも、合剤増加してきている。用量を調整しにくいという弊害と名前が覚えにくい。増量・減量のため、単剤併用へ変更が面倒。
日本での合剤特殊事情として、製薬会社にとっては好都合なようで、ジェネリック成分なのに開発コスト激減してるはずなのに先発扱いにできる。
薬品会社の事情最優先にしている現在の薬剤行政の矛盾が表面化する合剤取り扱い。
医療費削減したいのなら、ジェネリック薬価を国際基準にすべきで、「合剤、即、先発」などというのは、厚労省がのたまう「成分同一なら効能効果一緒」という宣言に矛盾する。いんちき薬剤行政が具現化している、日本の薬事行政。

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