2013年4月2日火曜日
スタチン使用中断は2割弱;理由は副作用と信じ込んだ事象;他剤再投与で耐用性は良好
ボストン地域成人での調査で、その副作用と信じ込まんだイベントがきっかけで、スタチン中断が多く、17%程度。多くは筋肉痛だが、90%はその後再投与で継続可能という報告。
どうやら、「1回の筋肉症状ありで”スタチン禁忌”とカルテに記載し、他のスタチン投与考慮しない」のはまちがいのようだ 。
Discontinuation of Statins in Routine Care Settings: A Cohort Study
Statin Discontinuation and Intolerance: The Challenge of Lifelong Therapy
Huabing Zhang, et. al.
Ann Intern Med. 2 April 2013;158(7):526-534
背景: ルーチン診療中スタチン中止のシステマチックデータは乏しい
目的: ルーチン診療状況下での、スタチン中止の理由と、スタチン関連イベント意味合い(スタチンが原因と思い込まれた臨床的イベントや症状)
デザイン: 後顧的コホート研究
セッティング: Practices affiliated with Brigham and Women's Hospital and Massachusetts General Hospital in Boston.
被験者: 2000年1月から2008年12月までのスタチン処方を受けた成人
測定: スタチン中止理由情報を構成電子カルテエントリーと信頼するソフトウェアによる電子化プロバイダー記録解析
結果: スタチン一時中止経験 57,292名 / 107,835名
スタチン関連イベント記録 18,778 (17.4%)
うち、11,124名で一時的な中止を含むスタチン中止し、続く12ヶ月内にスタチン再投与 6,579
再チャレンジされた患者の多くが12ヶ月後もスタチン服用 ( 92.2 % )
スタチン関連イベント発端スタチンと同じスタチン投与された2721名のうち、1295名が12ヶ月後も同じスタチンで、996名は同量以上を投与されていた。
研究限界: スタチン中止やスタチン関連イベントは2つの関連学術的医療センター評価。 二次データ利用紛失、誤解釈データとなる可能性。スタチン中止理由として自然言語処理ツール電子カルテフィールドでは補正困難で正確性に欠く可能性
結論: スタチン関連イベントが多く報告され、スタチン中止につながることが多い。しかし、スタチン再チャレンジでスタチン長期耐用可能な事例が多い。
このことは、スタチン関連イベントは他の原因で生じており、耐用性はあり、全スタチン薬剤で同様に起きると言うより個別のスタチン特異的なものと考えられるかもしれない。
主たる研究資金源: National Library of Medicine, Diabetes Action Research and Education Foundation, and Chinese National Key Program of Clinical Science.
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