Role for the kinase SGK1 in stress, depression, and glucocorticoid effects on hippocampal neurogenesis
Christoph Anacker, et. al.
Published online before print May 6, 2013, doi: 10.1073/pnas.1300886110 PNAS May 6, 2013
Published online before print May 6, 2013, doi: 10.1073/pnas.1300886110 PNAS May 6, 2013
ストレスと糖質コルチコイドホルモンは海馬のneurogenesisを調整するが、この影響を介入する分子的メカニズムに関しては不明。糖質コルチコイド受容体(GR)ターゲット遺伝子、血中及びglucocorticoid-inducible kinase 1 (SGK1をメカニズムの一つとして同定。
ヒト海馬progenitor cell lineを用い、SGK1の小分子阻害剤、GSK650394が、コーチゾル誘導によるneurogenesis減少のcounteractとして働くことを見いだした。
さらに、遺伝子発現とpathway analysisにより、コーチゾルによるneurogenic Hedehog pathwayの抑制は、SGK1-依存的であることが示された。
SGK1は、コーチゾル存在下でのGR活性化、促進、維持に働き、コーチゾル減量後も、GRリン酸化増加、GR核内translocation増加をもたらす。
SGK1阻害剤、GSK650394と、GRアンタゴニスト、 RU486の組み合わせ実験で、SGK1は、GRのdownstreamと、GRのupstream両方での、コーチゾルによるprogenitor 増殖減少をしめした。前者のGR downstreamはターゲット遺伝子調整的に、upstreamでは GR機能亢進により働く。
臨床的・齧歯類におけるこれら知見の組み合わせにより、薬剤なしのうつ患者の末梢血SGK1 mRNAの有意増加が見られ、慢性の予測不能ストレス状態や出生前ストレスラットの海馬においても同様に増加が見られる。
これらの知見により、SGK1は、特にストレスやうつの時に、コーチゾルのneurogenesisやGR機能へ影響メディエーターとして働く。
神経新生減少はうつへの位置機転と考えられ、このメカニズム判明は創薬や治療へのヒントを与える可能性がある。薬剤 (GSK650394)が、臨床的に効果示すかどうか、今後期待。
0 件のコメント:
コメントを投稿