2013年6月15日土曜日

画像診断・肺気腫 と 肺機能診断COPD いずれもが 肺静脈サイズ減少 → 左室充満機能障害 



COPDとはスパイロメトリー上診断、肺気腫はCT画像診断上の病名

いずれが、肺静脈サイズ拡大に寄与し、結果、左室充満障害を生じる

COPD・肺気腫においては心臓左室充満障害がデフォルトと言える

Impaired Left Ventricular Filling in COPD and Emphysema: Is it the heart or the lungs?: The Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis (MESA) COPD Study
Benjamin M. Smith, et. al.
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-0183


背景  慢性閉塞性肺疾患 (COPD) と駆出率温存型心不全は、臨床的にオーバーラップし、左室充満期異常がCOPDで報告されている。この状況のメカニズムは不明だが、upstreamにある肺障害がその原因と考えられ、その原因として左室前負荷減少、もしくは、左室前負荷高度にによる内在性左室機能障害が考えられる。この研究の目的は、COPDや肺気腫は、左室前負荷減少を示唆することとなる肺静脈dimesion減少と関連することを示すこと

研究方法:  住民ベースのMESA COPD研究(50-79歳、喫煙者、臨床的心血管疾患なし)
COPDはスパイロメトリーにて定義。
%肺気腫は、全肺 HU < -910 HUの領域で定義。
肺静脈入口横断面積は造影剤心臓MRで測定、肺静脈の総計で表現。
線形回帰を用いて年齢、性別、人種民族、体サイズ、喫煙で補正。

研究結果:  165名の被験者のうち、

総肺静脈面積は COPD 558 ± 159 mm2、対照  623±145mm2 

完全補正モデルでは、総肺静脈は、COPDで少ない   (-57mm2 95%CI -106 to -7mm2; p=0.03)、そして、%肺気腫と逆相関 (p<0 .001="" span="">

総肺静脈面積の有意な減少が、COPD単独、CT上の肺気腫・COPD、スパイロメトリーでのCOPD認めない肺気腫 の被験者で観察される。

結論:  肺静脈dimensionはCOPD・肺気腫で減少。
この所見は、上流の肺の要素、すなわち、COPD及びCT上の肺気腫患者に存在する左室充満量低下が原因であることを示唆する知見

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