2013年8月31日土曜日

TIOSPIR研究:スピリーバはミスト、ドライパウダーとも、死亡率・心血管イベント同等

"Tiotropium Respimat inhaler and the risk of death in COPD"
Wise RA, et al
N Engl J Med 2013; DOI: 10.1056/NEJMoa1303342.


スピリーバのミストバージョンは、ドライパウダーと、死亡率・心血管イベントにおいて、安全性同等という TIOSPRIRトライアルの結果


情報ソース:http://www.medpagetoday.com/Pulmonology/SmokingCOPD/41290
メディア:http://www.bloomberg.com/news/2013-08-30/boehringer-s-respimat-inhaler-meets-safety-goal-in-study.html

メディアでは、べーリンガーのスピリーバ・レスピマットは安全性目標を満たしたと報道している。


そもそも、スピリーバ・ドライパウダーを主な対象としていたUPLIFT研究で、「死亡率減少・心血管イベント減少」効果が示されている。故に、ミストも安全ですよという執筆者の意向。

ただ、UPLIFT研究において、「死亡率・心血管イベント」は、セカンダリエンドポイントであり、これを強調しすぎるのは問題であり、UPLIFT研究はスピリーバの安全性をプライマリエンドポイントで示した報告ではない。「消防署の方からと偽る消火栓詐欺と同じやり方」と似ている。

ロジックはこうだ。
「UPLIFTでスピリーバ・ドライパウダーの死亡率減少・心血管減少が示された」

「スピリーバ・ドライパウダーとスピリーバ・レスピマットは安全性上は同等」

「故に、スピリーバ・レスピマットは、死亡率・心血管イベント上安全」
三段論法詐欺

そもそも、この種の報告が出る理由は、BMJメタアナリシスにより、パウダーとミストは別薬剤として扱うべきと主張されるほど安全性に疑問が投げかけられていることが発端。
52%ほどレスピマットで包括的死亡率増加懸念されている製剤である(あった)

スピリーバ・レスピマットの安全性疑惑: メタアナリシス 死亡率52%増加2011年 06月 15日

呼吸器学会のお偉いさんたちはこの話題を概してスルーするところが、滑稽。


UPLIFTのセカンダリアウトカム結果を持ち出して、間接的に安全・・・というのはちょっといただけない。

その種の主張を講演会でするお偉いさんが居たら・・・アホ認定で良いと思う。


スピリーバ・レスピマットを含む、LAMA、LABA全体への安全性懸念払拭というにはほど遠いと思うのだが・・・

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