2013年9月26日木曜日

変形性膝関節症:単純に運動指導するより食事で膝圧迫力低下・炎症低下効果、食事・運動併用でさらに効果あり ・・・ インチキ・ロコモ撲滅を

体重過多/肥満成人の変形性膝関節症患者への強化食事・運動介入の効果:関節負荷、炎症、臨床的アウトカム

こういう報告を見ると、臨床整形外科学会って、本来こういう研究を積み重ねて、無・寡動症に真正面から向き合うべきではないか。

「膝が痛いから動かないのか、動かないから膝が痛いのか」というのを問題にするより、食事・運動を共に介入する方がそのベネフィットは大きい。
「ロコモ」なんてインチキ概念普及に懸命になるより、整形外科関連の医者たちがたくさん見ている変形性関節症患者さんたちに真正面から取り組め・・・と、えらそうに言ってみる。

Effects of Intensive Diet and Exercise on Knee Joint Loads, Inflammation, and Clinical Outcomes Among Overweight and Obese Adults With Knee Osteoarthritis
The IDEA Randomized Clinical Trial
Stephen P. Messier,  et. al.
JAMA. 2013;310(12):1263-1273. doi:10.1001/jama.2013.277669
【デザイン・セッティング・被験者】単盲験・ランダム化・18ヶ月間臨床トライアル(2006年7月から2011年4月)
食事・運動介入は、運動群においては施設ベースでなされ、その後自宅ベースプログラムへ移行。454名の体重過多/肥満高齢者居宅成人(55歳以上、BMI 27−41)
疼痛有り・レントゲン上の変形性膝関節症あり

【介入】
強化食事誘導的減量+運動 vs 強化食事誘導減量 vs 運動

【主要アウトカム・測定項目】
mechanistic primary outcome: 膝関節圧迫力・血中IL-6濃度
セカンダリ・臨床的アウトカム:自己報告疼痛(range 0-20)、運動性、健康関連QOL( 0-100)

【結果】
399名(88%)研究完遂。

平均体重減少
・食事/運動 10.6kg(11.4%)
・食事 8.9kg(9.5%)
・運動 1.8kg (2.0%)

18ヶ月後、膝圧迫力は、食事介入で、運動介入より、低下効果あり  (平均比較, 症例数 2487 ; 95% CI, 2393 to 2581 v.s. 症例数 2687 95% CI, 2590 to 2784, pairwise difference [Δ]exercise vs diet = 症例数 200 ; 95% CI, 55 to 345; P = .007)

IL-6濃度は、運動介入(3.1 pg/mL; 95% CI, 2.9 to 3.40 に比べ、食事/運動併用介入でより低下(2.7 pg/mL; 95% CI, 2.5 to 3.0) 、食事介入 でも低下(2.7 pg/mL; 95% CI, 2.4 to 3.0)(Δexercise vs diet + exercise = 0.39 pg/mL; 95% CI, −0.03 to 0.81; P = .007; Δexercise vs diet = 0.43 pg/mL; 95% CI, 0.01 to 0.85, P = .006)

食事単独介入群(4.8; 95% CI, 4.3 to 5.2) 、運動単独介入群(4.7; 95% CI, 4.2 to 5.1)より、食事/運動同時介入群で、疼痛軽減  (3.6; 95% CI, 3.2 to 4.1) 、より機能改善 (14.1; 95% CI, 12.6 to 15.6)( Δexercise vs diet + exercise = 1.02; 95% CI, 0.33 to 1.71; Ppain = .004; 18.4; 95% CI, 16.9 to 19.9; Δexercise vs diet + exercise, 4.29; 95% CI, 2.07 to 6.50; Pfunction < .001)

食事/運動併用群は、又、身体健康関連QOLスコアを、運動群より改善する (44.7; 95% CI, 43.4 to 46.0 v.s. 41.9; 95% CI, 40.5 to 43.2; Δexercise vs diet + exercise = −2.81; 95% CI, −4.76 to −0.86; P = .005)

足下を見ず、巨大バルーンを掲げて、国民・住民に、雑音を大音量で強制するような、集団的利己的行為・・・ ロコモ運動。かつてのパワーリハビリテーションより、立ち回りがずるがしこくなった。

患者の「疼痛」に対して恐怖感を与え、不要な画像検査を大量施行し、鎮痛剤を多種多様、最近ではオピオイド系まで、報酬系に関わる中枢神経系薬剤投与し、簡単には離脱できないような状況にして、非システミックな「リハビリテーション」とはいいいがたい短時間の除痛だけを繰り返す日常臨床を行い続けている、不心得ものとしかおもえないような一部医師たちの存在がいる。自己反省無く、内部批判もないため、外部から批判せざる得ない。

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