英国・ヒースロー空港近隣騒音の分析と、同様な米国の報告
Press Release(http://www.bmj.com/press-releases/2013/10/08/researchers-find-link-between-aircraft-noise-and-heart-disease)
英国ヒースロー空港の研究では、夜間・昼間の雑音の関連性明らかでなく、交絡要素関与が除外できなかった。ロンドンなど民間航空機発着の多い空港周囲ではやはり雑音による潜在的健康リスク考慮が行政上必要だろうと記載。さらに、アメリカの高齢者・メディケイド受診者後顧的研究では、信頼区間のばらつきが大きくこれも交絡要素考慮が必要だが、一定程度の影響が示唆された。
人口密集地域で空港を拡張し離発着を増やす施策が正しいか、多くの空港に分散し別交通機関を利用促進・開発するか、施策上周辺住民健康への配慮も必要。
Aircraft noise and cardiovascular disease near Heathrow airport in London: small area study
Anna L Hansell, et. al.BMJ 2013;347:f5432 (Published 08 October 2013)
ヒースロー空港近くの360万名住民について、12,110センサスアウトプットエリア評価
病院入院、卒中、冠動脈性心疾患、心血管疾患(2001−05年)を主要アウトカムとする
入院は、昼間(平均A加重等価ノイズ 午前7−午後11時、 LAeq, 16h)、夜間(午後11時−午前7時、Lnight)航空機騒音と有統計学的有意な線形傾向(p < 0.001、 p < 0.05)
昼間航空機騒音の最も強い場所(> 63 dB vs 51 dB以下)では、年齢・性・民族・貧困性・喫煙関連(肺がん死亡率)・heterogeneity住民要素random effect termを含む補正Poisson regression modelを用いた解析で、、入院相対リスクにおいて、卒中 1.24 (95% 信頼区間1.08 to 1.43)、 冠動脈性心疾患 1.21 (1.12 to 1.31)、 心血管疾患 1.14 (1.08 to 1.20)
各病態での死亡リスクも同様程度、しかし、信頼区間は広い。
冠動脈性心疾患・心血管疾患入院は特に、South Asian ethnicity補正で特に影響され、解釈上注意必要。
PM10大気汚染、交通騒音、特に、ロンドン行政区では補正に影響されず
測定値相関性高く、昼間・夜間騒音間を区別困難
【入院】
【死亡】
600万名高齢者空港近隣住居者(89空港周囲の2218住民郵便番号地域)・多空港後顧的研究
騒音レベル90パーセンタイル地域では、心血管入院率 3.5%(95%信頼区間, 0.2-7.0%)増加
Residential exposure to aircraft noise and hospital admissions for cardiovascular diseases: multi-airport retrospective study
BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f5561 (Published 8 October 2013)
Cite this as: BMJ 2013;347:f5561
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