2013年11月13日水曜日

急性腎障害リスク:カルシウム拮抗剤にクラリスロマイシン併用でリスク増加


Cytochrome P450 3A4 (CYP3A4; EC 1.14.13.97) により代謝されるカルシウム拮抗剤(CCB)。相互作用が問題となり、特に、CYP3A4が関連し、クラリスロマイシンはこれを阻害する。アジスロマイシンには阻害作用を認めない。2つのマクロライドは対照的。


Calcium-Channel Blocker–Clarithromycin Drug Interactions and Acute Kidney Injury
Sonja Gandhi,  et. al.
JAMA. Published online November 09, 2013. doi:10.1001/jama.2013.282426

CCB処方(アムロジピンが半数)

CCB処方に追加、クラリスロマイシン vs アジスロマイシンの急性腎障害(AKI: acute kidney injury)発症リスク :  (420 / 96 226 [0.44%] vs 208 / 94 083  [0.22%]; 絶対的リスク増加 0.22% [95% CI, 0.16%-0.27%]; オッズ比 [OR], 1.98 [95% CI, 1.68-2.34])

サブグループ解析にて、リスクはジヒロドピリジン(DHP)系、特に、ニフェジピンでそのリスクが高い (OR, 5.33 [95% CI, 3.39-8.38]; 絶対的リスク増加, 0.63% [95% CI, 0.49%-0.78%]

クラリスロマイシンと同時処方にて、低血圧による入院リスク増加  (クラリスロマイシン処方 111 / 96 226  [0.12%] vs アジスロマイシン処方 68 / 94 083 [0.07%]; 絶対的リスク増加, 0.04% [95% CI, 0.02%-0.07%]; OR, 1.60 [95% CI, 1.18-2.16])
全原因死亡率増加  (984 / 96 226  [1.02%] vs 555 / 94 083[0.59%]; 絶対的リスク増か, 0.43% [95% CI, 0.35%-0.51%]; OR, 1.74 [95% CI, 1.57-1.93])

クラリスロマイシンとCCB各種とAKIリスク




CKD、スタチン使用はリスク増加に関連せず

CKD、スタチン使用、AKIリスク


【ついでに】

FDA安全性情報:フルオロキノロンの恒久的神経障害 2013/08/16 に関連して、より具体的FDAの安全性情報が出されている


【糖尿病患者における、キノロン系薬剤と末梢神経障害】
 http://www.fda.gov/Safety/MedWatch/SafetyInformation/SafetyAlertsforHumanMedicalProducts/ucm365302.htm

 ・levofloxacin (Levaquin), ciprofloxacin (Cipro), moxifloxacin (Avelox), norfloxacin (Noroxin), ofloxacin (Floxin), and gemifloxacin (Factive)処方受けてるものに注意を呼びかけ
・末梢神経障害兆候あれば、中止すべき 


ベネフィット・リスクを考え、同薬剤第一選択と判断される場合は使用すべきで、特に、COPD急性増悪などでは死亡率アウトカムに関わるわけで、安直に、同種薬剤差し控えはかえって危険と私は思います。
ただ、 逆に、上気道炎への処方適応は、慎重に・・・という趨勢だと思います。


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