2013年12月12日木曜日

【糖代謝異常患者】利尿剤とスタチン:新規糖尿病発症と関連

糖代謝異常を有する対象者で、ベースラインでβ遮断剤、利尿剤、スタチン、カルシウム拮抗剤 naiveの患者(5640、6346、6146、6294)

新規糖尿病発症(全例で標準血糖値、血糖値増加例で12週後耐糖能検査)


周辺構造モデルで、因果効果を考察

カルシウム拮抗剤を中間対照と仮定した比較

結論は従来からのものと一致し、糖代謝異常対象者に対して、やはり利尿剤とスタチンは新規糖尿病発症リスク増加する。β遮断剤には、カルシウム拮抗剤に比較し、その影響は認めない。

Role of diuretics, β blockers, and statins in increasing the risk of diabetes in patients with impaired glucose tolerance: reanalysis of data from the NAVIGATOR study
BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f6745 (Published 9 December 2013)
Cite this as: BMJ 2013;347:f6745

フォローアップ期間中央値5年
エータ遮断剤開始 915(16.2%)、利尿剤 1316(20.7%)、スタチン 1353(22.0%)、CCB 1171(18.6%)

ベースライン特性・寄与要素に関わる時間補正後
利尿剤とスタチンは、両方、新規発症糖尿病と関連(ハザード比 1.23, 95% 信頼区間, 1.06 to 1.44、 1.32, 1.14 to 1.48)

β blockerと calcium channel blockerは新規発症糖尿病と関連せず (1.10, 0.92 to 1.31 、0.95, 0.79 to 1.13)


より糖尿病リスクのある状態には、やはり、利尿剤・スタチン投与のリスクベネフィットの厳格な考察が必要であろう。



marginal structural model : 周辺構造モデル


Marginal Structural Models and Causal Inference in Epidemiology

http://www.epiresearch.org/playlists/files/Robins_EPI_2000_11_550.pdf
観察研究データから因果律推定する、causal modelの一つで、経過時間中同時交絡要素や介在要素の存在下での時間依存的暴露でcausal effectを明確にするモデル


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