2013年12月26日木曜日

アメリカ原住民、一部東アジア人の糖尿病遺伝子:ネアンデルタール人からの遺伝子進入

ラテン系アメリカ人の糖尿病リスクは、ネアンデルタール人からの遺伝?


6−7万年前の脱アフリカ以降、非アフリカ系の人々の遺伝子にばらまかれているネアンデルタール人遺伝子について、Nature誌に詳細記載。

http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-25506198


元論文:
Sequence variants in SLC16A11 are a common risk factor for type 2 diabetes in Mexico
Nature (2013) doi:10.1038/nature12828

Genome-wide解析で2型糖尿病と関連するlocus、 SLC16A11 と SLC16A13 (P = 3.9 × 10−13; odds ratio (OR) = 1.29)。このlocusは2型糖尿病若年、やせ形で特に関連性が高く、独立複製 (P = 1.1 × 10−4; OR = 1.20)。4つのアミノ酸を有するハロタイプ。
archaic genome sequence 分析で、このrisk haplotypeは、ネアンデルタール人との混入にて現代人に遺伝子進入( introgression)されたことを示唆

特に、SLC16A11 は、アメリカ原住民にて50%、東アジア人で10%〜20%存在するも、ヨーロッパ、アフリカ系では稀。




数万年前に絶滅したネアンデルタール人は、DNAとして、現代人の遺伝子の中で生存し、現代人にとってはその遺伝子が現代病である糖尿病に影響を与えているという・・・なんとも複雑なお話。

Neanderthal genome project:wiki

ネアンデルタール人ゲノム解析科学者共同作業、ドイツ進化人類学・マックス・プランク協会(MPG)研究所と米国の454 Life Sciences社(Roche社関連)共同。2006年設立し、2010年プロジェクトはその結果をサイエンス誌に掲載した。
A Draft Sequence of the Neandertal Genome
Richard E. Green, et al. Science 328, 710 (2010);
DOI: 10.1126/science.1188021
http://www.eva.mpg.de/neandertal/press/presskit-neandertal/pdf/Science_Green.pdf
2013年12月、ネアンデルタール人のゲノム完全解析
Zimmer, Carl (December 18, 2013). "Toe Fossil Provides Complete Neanderthal Genome". New York Times. Retrieved December 18, 2013.
Prüfer, Kay et al. (December 18, 2013). "The complete genome sequence of a Neanderthal from the Altai Mountains". Nature




[Part1] 取材班のDNAを解析。多彩な「祖先の記憶」
https://globe.asahi.com/feature/110501/02_1.html
[Part2] ネアンデルタール人と現生人類の関係に迫る
https://globe.asahi.com/feature/110501/02_2.html

ドイツ・ライプチヒを訪れた。国立図書館に向かい合う近代的な建物が、マックスプランク進化人類学研究所だ。

ペーボの研究室には、ネアンデルタール人の骨格のレプリカが飾られていた。丸テーブルにはノートパソコン。書類が散乱している。
・・・
87年、米国の研究者らが現代人147人のミトコンドリアDNAを解析し、現生人類は約20万年前にアフリカで生まれ、その後、世界各地に広がっていったと結論づけた。アフリカ以外の原人は現生人類の直接の祖先ではなかったのだ。現在の定説「アフリカ起源説」である。
ネアンデルタール人の骨のミトコンドリアDNAを解析し、ネアンデルタール人も現生人類の祖先ではないことを明らかにした。
直接の関係がないネアンデルタール人と現生人類だからこそ、一部に交雑があったという昨年5月の発表は意外だった。
ペーボは「二つの種は明らかに同時に存在していたのだから、交雑があったという結果は受け入れやすい」と話す。

DNAを取り出すには貴重なネアンデルタール人の骨を壊さないといけない。「歯医者のドリルで骨に小さな穴を掘る。スイスチーズのように穴だらけになることもあるね」・・・「いい骨」はヴィンディア洞窟で手に入った。これを半導体工場なみのクリーンルームに持ち込みDNAを採取。特殊な目印をつけ、分析者のDNAが誤って混入しても見分けられるようにした。ただ、「いい骨」でも、もともとあったDNAの1~3%しか残っていなかった。解析の大半は、コンピュータープログラムによる全体図の復元作業だった。このプログラムもペーボのチームが開発したものだ。
解析がうまくいったのは、「こうした手法すべてのコンビネーションのおかげだ」とペーボは言う。

BBCでは、シベリアのDenisova Caveと書いてあるのだが・・・


ネアンデルタール人、現生人類と交配
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100507001
ほとんどの現代人がネアンデルタール人とのつながりを持っていることが明らかになった。遺伝子構造の少なくとも1~4%はネアンデルタール人に由来するものだという。


ネアンデルタール人のゲノム情報が公開(2009.02.13)
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=17272094

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