2013年12月28日土曜日

肺炎入院患者での閉塞型無呼吸患者の特性:入院しやすく、病状重症化・医療資源利用悪化に寄与

 入院患者の7%近くに閉塞型無呼吸が存在する。さて、この疾患合併をどう取り扱うかが今後の問題だろう。手術との関連性は議論の対象だが、一般の内科入院ではどうか?

 以下の報告である肺炎入院患者では、入院死亡率への影響は少なかった。これは、OSA合併により、より軽症で入院となった因果律の逆転なのかもしれない。

Prevalence, Treatment and Outcomes Associated with Obstructive Sleep Apnea Among Patients Hospitalized with Pneumonia
Peter K. Lindenauer,et.al.,
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1544 

【背景】閉塞型無呼吸:Obstructive sleep apnea (OSA)は、手術後の呼吸器合併症リスク増加と関連するが、入院内科患者のアウトカム関連性報告は未知。

【方法】347の米国病院・肺炎患者後顧的コホート施行。OSA診断有無患者両群において、特性、治療、合併症と死亡リスクを他の患者・病院特性を補正比較。

【結果】 250,907名の患者の家、OSA診断 15,569(6.2%)。
OSA患者は寄り若年  (63 vs. 72 years)、より男性に多く (53% vs. 46%)、既婚者が多い(46% vs. 38%)、肥満頻度が高い (38% vs. 6%)、慢性肺疾患率が高く (68% vs. 47%)、心不全率も高い (28% vs. 19%)。

OSA患者は、入院必要性と関連する侵襲性人工呼吸(18.1% vs. 9.3%)、非侵襲性人工呼吸  (28.8% vs. 6.8%) となりやすい。

多変量解析後、OSAの存在は、入院日3日目以降の集中治療へのtransferリスク (OR 1.54, 95% CI 1.42 – 1.68)、挿管リスク(OR 1.68, 95% CI 1.55 – 1.81)となりやすく、入院長期化しやすい(RR 1.14, 95% CI 1.13 – 1.15)、そして高コスト (RR 1.22, 95% CI 1.21 – 1.23) だが、死亡率は低い  (OR 0.90, 95% CI 0.84 – 0.98)。


【結論】肺炎入院患者において、OSAは、初期人工呼吸必要性増加し、臨床的悪化・医療資源高度利用のリスク増加するが、入院死亡率に関するリスクはさほどかさ上げしない。

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note