入院患者の7%近くに閉塞型無呼吸が存在する。さて、この疾患合併をどう取り扱うかが今後の問題だろう。手術との関連性は議論の対象だが、一般の内科入院ではどうか?
以下の報告である肺炎入院患者では、入院死亡率への影響は少なかった。これは、OSA合併により、より軽症で入院となった因果律の逆転なのかもしれない。
Prevalence, Treatment and Outcomes Associated with Obstructive Sleep Apnea Among Patients Hospitalized with Pneumonia
Peter K. Lindenauer,et.al.,
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1544
【背景】閉塞型無呼吸:Obstructive sleep apnea (OSA)は、手術後の呼吸器合併症リスク増加と関連するが、入院内科患者のアウトカム関連性報告は未知。
【方法】347の米国病院・肺炎患者後顧的コホート施行。OSA診断有無患者両群において、特性、治療、合併症と死亡リスクを他の患者・病院特性を補正比較。
【結果】 250,907名の患者の家、OSA診断 15,569(6.2%)。
OSA患者は寄り若年 (63 vs. 72 years)、より男性に多く (53% vs. 46%)、既婚者が多い(46% vs. 38%)、肥満頻度が高い (38% vs. 6%)、慢性肺疾患率が高く (68% vs. 47%)、心不全率も高い (28% vs. 19%)。
OSA患者は、入院必要性と関連する侵襲性人工呼吸(18.1% vs. 9.3%)、非侵襲性人工呼吸 (28.8% vs. 6.8%) となりやすい。
多変量解析後、OSAの存在は、入院日3日目以降の集中治療へのtransferリスク (OR 1.54, 95% CI 1.42 – 1.68)、挿管リスク(OR 1.68, 95% CI 1.55 – 1.81)となりやすく、入院長期化しやすい(RR 1.14, 95% CI 1.13 – 1.15)、そして高コスト (RR 1.22, 95% CI 1.21 – 1.23) だが、死亡率は低い (OR 0.90, 95% CI 0.84 – 0.98)。
【結論】肺炎入院患者において、OSAは、初期人工呼吸必要性増加し、臨床的悪化・医療資源高度利用のリスク増加するが、入院死亡率に関するリスクはさほどかさ上げしない。
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