この研究によれば、糖尿病・罹病期間9年未満の高齢者では、非致死性心血管合併症(冠動脈疾患、うっ血性心不全、脳血管疾患)、その後の糖尿病性眼疾患、急性低血糖イベントの頻度が多い。 10年以上の糖尿病長期罹病期間の高齢者でも同様で、冠動脈性疾患、脳血管疾患とほぼ同等の低血糖率。 この結果から、高齢者では糖尿病があればその罹病期間長いほど、全てのアウトカム頻度が多いことも判明。
四年間のコホートという短いが、高齢者の糖尿病臨床経過の特徴が見られる。
高齢者でより重要となるのは、糖尿病特徴的微少血管合併症より低血糖イベントや心血管合併症が重要。例外は眼疾患。
The Diabetes and Aging Study
Elbert S. Huang, et. al.
JAMA Intern Med. Published online December 09, 2013.
年齢・糖尿病期間カテゴリー毎の糖尿病合併症・死亡率検討
2型糖尿病、集約的医療システム、60歳以上、72310名、コホート
カテゴリー:年齢(60−69歳、70−79歳、80歳以上)と糖尿病期間(短期 0から9年、10年以上)
急性低血糖イベント頻度、急性低血糖イベント(低血糖)、小血管合併症、心血管合併症、全原因死亡率を主要アウトカムとする
罹病期間短い・高齢者群では、低血糖後の心血管合併症が多くの非致死的合併症と関連する。
例えば、罹病期間短い70歳では、
・冠動脈疾患・低血糖 比較的高率 (千人年あたり、 11.47、 5.03)
・終末期腎障害・下肢切断・急性低血糖イベント 比較的低率 (千人年あたり、 2.60、 1.28、 0.82)
罹病期間長い同年齢群でも同様パターン
・冠動脈疾患・低血糖が最も多い (千人年あたり、18.98 、15.88)
・終末期腎障害、下肢切断、急性低血糖イベント 千人年あたり、7.64、4.26、1.76)
一定の年齢あたりで検討すると、それぞれのアウトカムの発生率は、特に低血糖・小血管合併症で特に多く、これらは、罹病期間長いほど劇的に増加する。
しかし、糖尿病罹病期間あたりで検討すると、低血糖発生率、心血管合併症、死亡率は年齢と共に急激に増加し、病床血管合併症は安定か、減少する。
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