インフルエンザA(H1N1) pdm09ウィルスは、2009年来世界に循環し続け、時に、入院・重篤合併症・死亡などを生じているされるが、米国内では、今シーズンまでに目立ったものがない。65歳未満成人の検査確認インフルエンザ関連入院・死亡はH1N1が寄与。H1N1 PDM09は発見以来抗原変異認めず。若年・中年男性への比較的影響はワクチン摂取率の低い世代ということと、H1N1 PDM09ウィルス交叉抗原免疫の影響によるものと思われる。
インフルエンザシーズンの重症患者のリスクとして、H1N1 PDM09患者のケア・管理への示唆提供
Critically Ill Patients With Influenza A(H1N1)pdm09 Virus Infection in 2014
Lena M. Napolitano, et. al.
JAMA. Published online February 24, 2014. doi:10.1001/jama.2014.2116
H1N1pdm09ウィルス感染の大多数は重篤な病態を生じないが、時に急激悪化例が存在する。典型的には4-5日程度で、発熱、咳嗽、鼻漏、筋痛突然発症。4-5日後急激悪化有り、低酸素血症、ショック、多臓器障害が生じる。血行動態・酸素モニタリングが必要で、相関・蘇生施設が必要となる。非侵襲的人工呼吸から60%が気管内挿管へ進む。
挿管必要重篤H1N1pdm09患者は急速進行性ウィルス性肺炎、重症ARDS(PaO2/FiO2 < 100)発症リスク高い。ステロイドはインフルエンザ特異的治療・ARDS治療のため回避すべき。理論的にはステロイドは炎症誘導性損傷を軽減するが、グラム陰性細菌・真菌肺炎促進とウィルス繁殖遷延化の理論的可能性のため忌避。一方、Empiricalな広域抗生剤を開始すべき。ARDSケアの起訴は、低一回換気量・PEEP増加による肺opening維持。ポジショニング(腹臥位を含めた)、ECMO、神経筋遮断、吸入NO、肺保存的介入など、脂肪アウトカムへまだ一致した結論のないアプローチがある。
敗血症・輸液補正不能難治性低血圧はH1N1pdm09の30%程度に出現。高用量昇圧剤と急性腎障害との関連性示唆。インフルエンザ脳症・脳炎・心筋炎・心膜炎など稀なる合併症。禁煙・横紋筋融解症・肺塞栓・深部静脈血栓リスク。
抗ウィルス薬は果たして有効か・・・重症患者への抗ウィルス治療有効性RCTのエビデンス充分とは言えない。RT-PCRによる下気道検体検査による治療期間・コントロール期間判定に有効かも。オセルタミビル耐性出現によるものより、治療中の臨床的改善不良・悪化は、主に、急性肺障害やインフルエンザ関連ARDS合併症によるものと考えられる。
今後、急激悪化例をいかに早期同定するか、適切な抗ウィルス薬治療戦略・エンドポイントの設定、免疫調整剤・アジュバント治療の役割が課題。
朝からの状況、インフルエンザB → インフルエンザA 3連続 → インフルエンザB 2連続 ・・・ 見事に混在してるわ
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