2014年10月10日金曜日

ニューモバックス接種説明(当院案)

当院にて肺炎球菌ワクチン接種の方へ(案)


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ワクチンに関する情報提供不足していると思いますので、接種を希望される方に対して、以下情報を提供いたします。ご理解の上、接種お願い申し上げます。


現在肺炎球菌ワクチンは2種類有ります。

ニューモバックス ® NP23 価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン:PPSVワクチン
プレベナー13:キャリアタンパク結合型の肺炎球菌ワクチン:PCVワクチン


コマーシャルで盛んに宣伝しておりますが、ニューモバックスの「肺炎予防」効果は確立に専門家が同意しているとは言えない状況です。ニューモバックス公費負担については国内的での小規模高齢者施設研究がその根拠としているようです。ですが、このワクチンは専門的に言えば“蛋白質を抗原としていないため T 細胞というリンパ球による免疫は活性化せず、IgG 抗体という液性免疫を上昇させる効果しかありません”。肺炎球菌に対する抗体が減少した時点で、ワクチンの効果が消失し、ブースター効果もないため 2 回目を接種しても効果が強くなったり持続期間が長くなったりしません。血中依存のため気道などへの予防効果乏しく、肺炎に関しての予防効果が落ちるわけです。敗血症などの血液内の感染へは有効で脾臓摘出や無脾症の方はできるだけワクチン接種すべきです。また、髄膜炎・敗血症いう重篤な病態の予防は効果確認されてますので無駄ということはありません。
公費負担のチャンスが5年に1回ということもあり、上記事実を確認の上接種することも悪いことではありません。そのあたりをご考慮の上、接種してください。

一方、プレベナー13の方は、国際的に肺炎球菌による肺炎予防効果確認されております。また、効果持続期間が長いという利点があります。
PCV の成人に対する効果は、欧州で行われた2つの多施設無作為研究で、PCV13 PPV23 の免疫能のある成人に対する単回接種による免疫原性が比較され、PCV13 のほうが優れた結果が示されました。ただ、現時点で公費負担の対象でないことと、ニューモバックスに比べてやや高価というのが問題です。


2剤を両方接種しても現時点では問題ありません。
ただ、プレベナー接種からニューモバックス接種は6ヶ月から1年、ニューモバックス接種からプレベナー接種は1年以上開けることが望ましいようです(MMWR Sep. 19. 2014 p825)。このワクチンスケジュールを国・厚労省が検討されるはずです。


****クリニック 院長 ○○○○

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