2014年10月6日月曜日

慢性膝痛への鍼治療(ニードル、レーザー) は臨床的意義認めず

慢性膝痛への鍼治療

鍼治療無し、鍼、レーザー鍼、シャム・レーザー鍼治療の対照比較




Acupuncture for Chronic Knee Pain
A Randomized Clinical Trial
Rana S. Hinman, et. al.
JAMA. 2014;312(13):1313-1322. doi:10.1001/jama.2014.12660.



プライマリ・アウトカムは、膝痛平均(numeric rating scale 0 - 10 )、最小臨床重要差分 [MCID]を1.8、身体活動性スケール(障害無し 0 ~ 重度障害 68)

12週時点、1年時点でのフォローアップ不能例 12週後 26(9%)、 1年後 50(18%)

ニードル鍼、 レーザー鍼はそれぞれ、12週時点で対照に比べ
 プライマリ・アウトカムである、疼痛スコア変化 -0.4 Unit; -1.2 ~ 0.4 、 -0.1 Unit; -0.9 ~ 0.7
 もうひとつのプライマリアウトカムである身体機能は、-1.7;95% CI, -6.1 ~ 2.6、 0.5;95% CI,  -3.4 ~ 4.4


ニードル鍼にて、12週後疼痛改善効果若干ある(-3.9; 95%CI, -7.7 ~ -0.2)が、1年後は消失。


セカンダリアウトカム(その他疼痛機能測定項目、QOL、全般変化)も有意差無し。





統計学的有意差があれば患者本人にありがたみがなくても治療効果ありということじゃ・・・なんのため、薬物などの介入があるのか?・・・となってしまう。


MCIDの概念は、呼吸器系分野ではおなじみだが、Anchor法はもともと変形性関節症由来。


Minimal Clinically Important Difference
Defining What Really Matters to Patients
Anna E. McGlothlin, et. al.
JAMA. 2014;312(13):1342-1343. doi:10.1001/jama.2014.13128.


3つの測定法
・ Consensus に基づく・・・ Delphi法が代表的
・ Anchorに基づく・・・ 数値スケールの変化を別々の被験者で比較 : 「同様」「すこしはまし」「明らかにちょっと良い」か選択質問、定量的、カテゴリー的評価。
・ Distributionに基づく・・・ これはminimal detectable changeであり、MCIDとしての代替利用はできない。




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