2014年10月7日火曜日

中等度市中肺炎入院患者:「βラクタム単剤」は、対「βラクタム+マクロライド併用」に対して非劣性




β-Lactam Monotherapy vs β-Lactam–Macrolide Combination Treatment in Moderately Severe Community-Acquired Pneumonia
A Randomized Noninferiority Trial
Nicolas Garin,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online October 06, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.4887



重要性  中等度重症市中肺炎への経験的治療としてのβラクタムにマクロライドを加える臨床的ベネフィットは未だ決着なし


目的 非劣性検証;中等度・市中肺炎 βーラクタム単独とマクロライド併用の比較


デザイン・状況・被験者   Open-label, multicenter, noninferiority, randomized trial conducted ( January 13, 2009 ~  January 31, 2013)
スイスの6急性期病院、580名の免疫正常正常入院成人中等度重症度市中肺炎患者
フォローアップは90日
アウトカム評価者は割り付けマスク


介入 βラクタム+マクロライド(併用群) vs βラクタム単独群
単剤群にレジオネラ肺炎をシステマティックに検査、治療し、マクロライドを追加


主要アウトカム・測定:day 7 における、臨床的安定性未到達比率(心拍 100/分未満、収縮期血圧  90 mm Hg以上、 体温 38度未満、呼吸数 24/分未満、室内酸素飽和度 90%超)


結果: 治療7日後、臨床的安定未達成比率
・単剤: 120/291 (41.2%)
・併用: 97/289 (33.6%)
差 7.6% p=0.07


1サイド90%CIの上限は13.9%で、非劣性境界事前設定8%を超過。


異型病原菌感染  (hazard ratio [HR], 0.33; 95% CI, 0.13-0.85) 、 Pneumonia Severity Index (PSI) category IV pneumonia (HR, 0.81; 95% CI, 0.59-1.10)では単剤では臨床的安定到達は少ないが、異型病原菌感染のない場合 (HR, 0.99; 95% CI, 0.80-1.22) 、PSI category I からIII肺炎の場合 (HR, 1.06; 95% CI, 0.82-1.36) では2群同等


30日再入院率は単剤群で多い (7.9% vs 3.1%, P = .01)


90日間の死亡率、ICU入室、合併症、滞在日数期間、肺炎再発は2群間で差は認めない。


結論: 中等症市中肺炎入院患者へのβラクタム単剤の非劣性認めず。異型肺炎患者、PSIカテゴリー IVでは単剤での臨床的安定比率の遅れを認める。






PSI計算: http://pda.ahrq.gov/clinic/psi/psicalc.asp


「熱病」 だと・・・
第1選択: CTRX 1g静注24時間毎+AZM 500mg静注24時間毎 または Ertapenem 1g24時間毎 + AZM 500mg静注24時間毎
治療期間:最低5日間治療、無熱が48時間~72時間、血圧安定、十分な経口摂取、空気吸入にて酸素飽和度90%超
第2選択:LVFX 750mg 静注24時間毎 または MFLX 400mg静注 24時間毎 

CTRXを選ぶのは、1回投与で済むからか・・・


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