2015年1月26日月曜日

高齢者の死亡率・心血管イベント:塩分制限 6g/日未満では、減塩効果無し

食塩として5.85g/日(ナトリウムとして2.3g/日)程度までの高齢者の死亡率増加に寄与しない


Dietary Sodium Content, Mortality, and Risk for Cardiovascular Events in Older AdultsThe Health, Aging, and Body Composition (Health ABC) Study
Andreas P. Kalogeropoulos, et. al.
JAMA Intern Med. Published online January 19, 2015.
doi:10.1001/jamainternmed.2014.6278




【意義】 高齢者での食事性ナトリウムの役割について付加的情報が必要
【目的】 高齢者での、ナトリウム食事摂取と、死亡率、心血管疾患(CVD)発生、心不全(HF)発生について
【デザイン・セッティング・被験者】 10年フォローアップデータ(年齢 71-80歳・住民ベース前向きコホート被験者2642名(初回 1997年4月1日~1998年7月31日)
【暴露】 ベースラインの食事性ナトリウム摂取評価(食事回数アンケートによる)。
連続変数としてのナトリウム摂取量と、以下のレベルのカテゴリー変数として評価: 1500 mg/d 未満(291 participants [11.0%]), 1500 to 2300 mg/d (779 participants [29.5%]), 2300 mg/d超 (1572 participants [59.5%])
【主要アウトカムと測定項目】 10年フォローアップにおける、補正された死亡、CVD頻度、HF頻度
CVD発生解析は1981名の、ベースラインでの明らかなCVD存在しなかった例で行った。
【結果】 平均(SD):73.6(2.9)歳、女性 51.2%、白人 61.7%、黒人 38.3%


10年後、死亡 881名、 CVD 572名、 HF発症 398名

補正Cox比例ハザードモデルにおいて、塩分摂取は死亡率と相関せず (ハザード比  [HR] per 1 g, 1.03; 95% CI, 0.98-1.09; P = .27)

10年死亡率は、1500mg/d未満群に比べ1500~2300 mg/d群で死亡率は有意に少ないとは言えないし、2300 mg/d超群より低いとは言えない  (P = .07)


2300 mg/d超の摂食では、補正モデルで死亡率は高くない (HR vs 1500-2300 mg/d, 1.15; 95% CI, 0.99-1.35; P = .07)

カロリー摂取、BMIを、ナトリウム摂取量indexingしても実質上影響なし

死亡率の補正HRは、1日摂取量として、mg/kcalあたり 1.20 (95% CI, 0.93 - 1.54 ; p = .16)、1日ナトリウム摂取 100 mg/kg/m2あたり1.11 (95% CI , 0.96 - 1.28 ; p = 0.17 )

死亡リスク補正モデルで、ナトリウム摂取は、CVD、HFともに有意にリスク相関せず

CVD (subHR per 1 g, 1.03; 95% CI, 0.95-1.11; P = .47)
HF (subHR per 1 g, 1.00; 95% CI, 0.92-1.08; P = .92)


すべてのアウトカムに対する、性別、人種、高血圧状態との相関関係みとめず

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