2014年のガイドライン(JNC8)は、3つの重要な変更があった。
1) 60歳未満は拡張期血圧にフォーカス
2) 60歳以上はややコンサバティブに 150/90 mmHg
3) 糖尿病・CKD では 140/90 mmHg
2014ガイドライン(Adults, According to Major Treatment Group.)
治療群 年齢レンジ 血圧治療ゴールこのガイドラインにより、若年者の1%、高齢者の8%ほどが、高血圧治療対象外となる。
60歳未満(CKDなし、糖尿病無し) 35-59歳 拡張期血圧 < 90 mmHg
60歳以上(CKDなし、糖尿病無し) 60-74歳 収縮期血圧 < 150 mmHg 及び 拡張期血圧 < 90 mmHg
全年齢(糖尿病もしくはCKD) 35-74歳 収縮期 < 140 mmHg 及び 拡張期血圧 < 90 mmHg
その影響をコスト効果的にみたもの
当ブログ関連記事:
【高血圧ガイドライン】JNC8 批評
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/12/jnc8.html
Cost-Effectiveness of Hypertension Therapy According to 2014 Guidelines
Andrew E. Moran, et. al.
N Engl J Med 2015; 372:447-455January 29, 2015
背景: 2014年米国内の高血圧ガイドラインをベースに判断すると、多くの対象となりえる成人たちが未治療の間々である。このガイドラインに基づく米国内高血圧治療のコスト効果についてプロジェクトを行った。
方 法: Cardiovascular Disease Policy Model を用い、未治療成人を35-74歳の対照者を2014年から2024年まで治療することの、薬剤治療及びモニタリングコスト、心血管治療削減するコスト、 QALYsをシミュレーション。評価は、年齢、高血圧レベル、CKD・糖尿病存在・未存在に基づき評価。
結果: 新規ガイドラインの完全取り込みにて、年間あたり、約5万6千の心血管イベント数を減少、 心血管疾患死亡を1万3千減少し、結果全体のコストを削減するかも
このプロジェクションは、心血管疾患あり、Stage 2高血圧存在の治療にて35-74歳の男性では生命・コストをsaveできる。同様に、45-74歳の女性においても同様。
心血管疾患存在下の男女、Stage 2高血圧・心血管疾患なし男性では、仮に治療コスト倍かに値流留医薬品アドヒアランス増加戦略となっても、コスト削減効果はある。
Stage 1の高血圧治療(定義として<5万米国$)とすると、45-74歳の男女全部においてコスト効果は認めた。一方、35-44歳女性ではStage1高血圧で、心血管疾患I場合、治療にて、コスト効果は中間的かコスト効果少ない。
結論: 米国成人のための2014年高血圧ガイドラインを導入することで、35-74歳の成人では、年間5万6千のイベント、1万3千の死亡を減少させる事ができる。
心血管疾患あるいはStage2高血圧患者では、高血圧コントロールすることは効果的で、コスト削減効果を認める . (Funded by the National Heart, Lung, and Blood Institute and others.)
個人的には、拡張期血圧重視ってなかなかなじめない のだが、確かに、若年者において、血圧変動性は拡張期の方が少ない印象をもつ。故に、代表値として再評価されて良いのかもしれない・・・
それと、日本のガイドラインは、エビデンス乏しいにかかわらず、独自の年齢区分している。疑念を抱かずには居られない・・・
日本の高血圧ガイドラインとの違い
参考:https://ds-pharma.jp/gakujutsu/contents/cv_guideline/aha_acc_guideline_2013/02/
JNC委員会での少数意見であることを断りながら,60歳の段階で降圧目標を150mmHgに上げることは治療の緩和,ひいてはリスクが上昇し,過去数 十年をかけてCVDの減少にかけてきた努力が水泡に帰す可能性があると述べている(氏らは脆弱な80歳以上の高齢者では降圧目標を150mmHgにあげる ことには同意している)。
日本の臨床ガイドラインのぐだぐだ感は時代を経ても相変わらずと、米国のを比較すると・・・
以前は米国のガイドラインをネタにした講演会かなり開かれていたと思うが、今、JNC-8をテーマにした製薬会社スポンサー講演会を聞くことが少ない(・・・笑うわ!)
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