2015年3月24日火曜日

緩和ケア状態では、スタチン中止しても安全、ベネフィットも・・・

緩和ケアなど余命限られている場合、スタチン治療を中断すべきか否か。
悩むのスタチン以外に降圧剤などの一次予防薬剤もそうだが、モデルとしてスタチンについての検討。

日本ではとうてい考えられないが、ランダム化トライアル

60日内死亡をプライマリアウトカムとして、セカンダリアウトカムは、生存率・心血管イベント・PS・QOL・症状・非スタチン医薬品数・コスト削減評価。

Safety and Benefit of Discontinuing Statin Therapy in the Setting of Advanced, Life-Limiting Illness
A Randomized Clinical Trial
Jean S. Kutner,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online March 23, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.0289

381名の総数。ランダム化にて中断 189名、 継続 192名

平均(SD)年齢 74.1(11.6)歳
被験者のうち、22.0%認知機能障害、 担癌 48.8%

中止群 vs 継続群 比較 60日内死亡率に有意差無し  (23.8% vs 20.3%; 90% CI, −3.5% to 10.5%; P = .36) 、 非劣性エンドポイントに到達せず

QOL総数は、中止群良好 (mean McGill QOL score, 7.11 vs 6.85; P = 0.04 )

心血管イベント症例が少ない (中止群 13例 vs 継続群 11例)

平均コスト効果は患者1日あたり $3.37 で、患者あたり $716 



心血管イベント数が少ないので、重度CVDリスク状態ではないことも想定される。故に、終末期や緩和ケアであまねくスタチン中止ってわけにはいかないのだろうが、スタチンを中止することで得られるベネフィットもあるらしい。・・・ 議論必要。
担がん状態では、凝固促進的であり、CVDリスク亢進が想定されるという反論もありそう。

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