2015年5月19日火曜日

胸痛入院患者のリスク検討:トロポニン連続陰性などならリスクほぼゼロ、むしろ医原性副事象出現

日本では、ありもしない”ゼロ・リスク”を求められる。常識の無い司法判断が跋扈し、異常な判決が判例として存在し、萎縮医療や医療経費膨大化の原因となりつつある。


胸痛を訴える患者を全て下記ごとく一定期間EDに滞在させシリアル・トロポニン試験をするだけでも膨大な社会資源を消費することとなる。まぁそれでもリスクが稀になるなら・・・医療関係者は以下のプロトコールをせざる得ない。



Risk for Clinically Relevant Adverse Cardiac Events in Patients With Chest Pain at Hospital Admission
Michael B. Weinstock, et. al.
JAMA Intern Med. Published online May 18, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.1674


序文
虚血性胸痛の可能性のある患者は副事象イベント懸念のため通常入院もしくは否定のためEDでの経過観察となる。以前の研究では30日死亡率評価すうrも、大規模研究ではEDでの処遇に関する非常に重要な情報検証されてない。STEMI(ST上昇型心筋梗塞)、致死可能性不整脈、心臓呼吸停止、死亡を含めた重要な短期リスクを含め検討されてない。



目的
2つのトロポニンテスト陰性、EDバイタルサインに懸念所見無し、非虚血性あるいは解釈可能なECG所見の胸痛入院患者の臨床的副事象心臓イベント頻度の検討


デザイン・セッティング・被験者
前向き収集データベース 45416名の盲検化データ、以下の参入クライテリア受診・観察登録
(1) 胸痛、胸部圧迫、胸部硬化感、部焼灼痛、胸部圧迫の主要症状
(2) 連続バイオマーカー陰性所見
データ収集2008年7月1日〜2013年6月30日;人口100万人超、3つの地域教育施設病院のED
仮説盲目抽出者によりデータ分析


主要アウトカム・測定項目
プライマリアウトカムは、入院中生命危機不整脈、入院ST上昇心筋梗塞、心臓停止あるいは呼吸停止、死亡


結果
機会 4万5416回、参加クライテリア1万1230、患者平均年齢58.0歳
1万1230機会のうち、救急受診 44.83%、女性55.00%
高血圧の明確な病歴は46.00%、糖尿病病歴 19.72%、心筋梗塞 13.16%
プライマリエンドポイントは1万1230名中20 (0.18% [95% CI, 0.11%-0.27%])
異常なバイタルサイン心電図虚血、左脚ブロック、ペースメーカーリズムを有する患者を除外すると、プライマリエンドポイントイベントは 4/7266 (0.06% [95% CI, 0.02%-0.14%])
これらのイベントのうち、2例は非心臓性、 2つは医原性の可能性


結論・新知見
連続バイオマーカーの2連続陰性所見、懸念されるバイタルサイン異常なし、心電図非虚血性所見患者において、短期臨床的明確な副事象心臓イベントは極めて稀。あるとしたら通常医原性で、ルーチンの入院では、これらの徴候なら入院ベネフィット無し




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