2015年6月7日日曜日

ADA2015で発表の新しいメタアナリシス:SU剤は死亡率を増加させない?


2型糖尿病・第一選択 SU剤でメトホルミン比、死亡率 6割増加 http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/09/2su6.html

・・・など、SU剤へ安全性疑念は根深い

しかし、それと反するメタアナリシス報告


Sulfonylureas are not associated with increased mortality: Meta-analysis and trial sequential analysis of randomized clinical trials.
American Diabetes Association 2015 Scientific Sessions;
June 6, 2015; Boston, MA. Abstract 16-OR
Rados DV, Pinto LC, Remonti LR, et al.
http://app.core-apps.com/tristar-ada15/abstract/160858d53930b598d64b10f39308a7de


2型糖尿病患者のSU剤使用は原因死あるいは心血管死亡率を必ずしも増加させない・・・というメタアナリシス
加えて、抗糖尿病治療薬で卒中や心筋梗塞リスク増加も見られない

種々SU剤解析で、glipizideによる全原因・心臓血管死統計学的優位増加が示されてきた、しかし、患者数や臨床的イベント数少ないサブグループ解析がなされ解析に注意が必要とされてきた。
Radosは、SU剤は安価で、先進国でも患者の約30%でまだ使われているし、より貧しい国々ではその頻度は高い。
UKPDSはメトホルミン+SU剤治療患者において死亡率低下が示されたが、その後、相反する結果が示されていた。

47のランダム対照化臨床トライアル、52週超、3万7千650名の最新解析
SU剤、あるいは2nd lineの治療は必ずしも総死亡リスク増加と相関しない(odds ratio [OR] 1.12; 95% CI 0.96–1.30) という結果であり、心血管死亡率増加と相関しない  (OR 1.12; 95% CI 0.87–1.52))。
同様に、SU剤と、心筋梗塞・卒中リスクと有意相関認めない。

有害性根拠がないにしても、SU剤の安全性は確立しているとは言えない。


Q&Aセッション中の Dr Stephan Jacob (Cardiometabolic Institute, Villingen-Schwenningen, Germany) は同様のメタアナリシスを行い、SU剤は全原因・心臓血管死のリスク増加を認めたことと比較
・19 cohort and observational registries with 551,912 patients.
・13 studies reporting all-cause mortality, patients treated with sulfonylureas alone or in combination treatment had a 92% increased risk compared with those who received treatment with a nonsulfonylurea.
・In five studies, individuals treated with sulfonylureas alone or in combination had a nearly threefold increased risk of cardiovascular mortality (OR 2.72; 95% 1.95–3.79)

これは、Solidデータを含まないということで問題との話



問題の先生の講演聞いたが、SGLT2への安全性への真摯な証拠もなく、抗糖尿病薬全般に危険なものだからこの薬剤だけを特別視すべきでない。製薬メーカー側の都合だけを主張する始末・・・ なんだかなぁ

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